潮が満ちるたび
海水が流れ込んできて
陽の光が無数の欠片になって
裏庭一面に散りばめられる
砂場もスコップも
パンジーの花壇も
つかのま呑み込まれて
潮が引くと
また姿をあらわす
 ....
きみのバスが遠ざかり
ぼくはちぎれて
半分になる


照れくさいぼくを
きみが思い出すとき
薄闇はきっと匂うから

けなげに告げよう
離れた場所で
あすの名を


 ....
かみさま って
ひらがなで書くのは反則だ
世界 ってやつをひっぱり出すのも
ルール違反ってことにしよう

そこから
おれたちはまず
書きはじめなくてはならない

雨上がりの
濡れた ....
おだやかな鳩のように
私はうたたねをする
窓の外は明るい雨
静かにふっとうする時間
やがて雪になる事を予感する


読みかけの本はレイ・ブラッドベリ
夏の草いきれがむっとたちこめる
 ....
昔、
浜辺に白紙が漂着した。
それは昨日、
ぼくが君に貸した
本の一ページだった。
文字はおろかシミさえ無くなっていて、
大海で起こりうる時間の消失を
実証するのに充分だった。もしくは、 ....
闇の中を漕ぎだしていた
引きよせるのは
奈落からのとろりとした旋律


あらがわず
身をゆだねることの心地良さ
どよんとした
澱に堕ちていく意識
にぎった櫂がゆっくり波紋を描く

 ....
そこは 小さな駅で
ときどき SLも通る駅で
小さな改札口の前には
電車を待つ人のために
素朴な木のベンチがあります

ベンチと改札口の間は
すぐ近くにある大きな駅に行く人の
通り道に ....
落ち込んだとき
泣きそうなとき
励ましてくれた あなたが好き

哀しいとき
嬉しいとき
じっと話に耳を傾ける あなたが好き

二人でならこえてゆける
ハードルってあるね
ひとりでは ....
 
 
出逢ったら食べてしまう
だから僕は孤独を叫ぶ
 
 
まばたきをしても夜
何時だってそう
針葉樹森の道の上
 
光のなかで見た君を
ずっと忘れない
きらきら生きていた
 ....
私はマンションだ。
各階の住人はバラバラだ。
真夜中、隣人の騒々しさに腹を立てる302号室の住人。
夜泣きが止まないと育児ノイローゼになる405号室の住人。
ロケット花火を打ち上げたり ....
真昼の夜の中
並べられている標本
椅子に縛り付けられている私には名前が無い
視界は隠されてネジを巻く音がする

12時の鳩時計
暗さとは無縁のはずなのに
繰り返し繰り返し
 ....
どこに植えたのか
その場所だけは
今もはっきり覚えている

この広大な大地も
この荒れ果てた大地も

いつか菜の花畑になるのだろうと
いつかれんげ畑になるのだろうと

その光景はは ....
あなたの写真を連れて
中学校の
あの校庭に
行ってみよう

夕陽の
大きな日がいい

風がふいて
あなたの髪がなびく
そんな日がいい

夕陽のなかに
出会ったときの
あなた ....
まだ日のあたらない街灯が夜道を照らしている。
ネオンの光を辿って私の電話が鳴った。
シーラカンスからです。
「僕の骨を探してください」
そう言ってシーラカンスは言葉をおいた。
「見つけて僕の ....
空の上で
少女たちが
花をちぎっています
あなたが窓辺で
ぼんやりと
見つめている雪が
それです

春になれば
空の上で
花は咲きません

すき、きらい、すき、が、
言えなく ....
この手紙があなたに届けばいいと思います。
お元気ですか。


こちらでは、毎日少しずつ、何かが消えていきます。
壊れるとか、崩れるとかいうのではなくて、
昨日までそこにあったものが、今 ....
還ってきた
眠りの海から
少女たちが
空の窓をひらく
光がくる
鳩がくる
少女たちの鳩だ
待っていた
この朝を
この命を
おそろしいほどに
光を浴びて
はかないほどに
人に ....
ひと針
ふた針
み針

花嫁衣装を縫うよ
かわいい娘や
笑ろとくれ
笑ろうとくれ

ちいさいおまえが
ついた嘘は
たとえ可愛えど
ひゃくやっつ
千の針 えん魔さんが
くださ ....
空間のほとばしり
陽射しは くね くねっと のたうち

ホ・ト・バ・シ・ル

春だったりする日
肉体は軟らかく 伸びきって
太陽を握りつぶしてみたり
口の中のキャンディーだったり
ア ....
あなたが 空が大好きだから

わたしも 空を見上げる機会が増えました


空の色とか 雲の形とか
興味なかったけど

あなたが 嬉しそうに語るから
いつのまにか わたしも
空の 表情や 機嫌が 気にな ....
何をどこに忘れたのですか?
駅の係員は開いた記録簿に目を落とし尋ねた

普段から乗りなれた通勤電車
それなのに今夜は何かが確かに違っていた
勧められるまま飲んでしまった新年会
赤ら顔の同僚 ....
年賀状の
返事を出しに 
近所を歩く 

遠くに見える
赤いポストの頭に 
新年の日が映り 
うっすら後光が
射していた 

かけがえのない人々の
名を記した年賀状を 
輪ゴム ....
親指でしか語れなくなった


指先が覚えてしまったのだ
無機質な凹凸に触れるだけで
整然とした文字が手に入ることを


まっさらな紙の緊張や
そこに落ちるイビツな文字
との格闘も捨 ....
 さらさらと

お前は何しに来た

 こんこんと

お前は何を話しにきた

 しんしんと

お前は何を聴きにきた


 さらさらと

また人々の掌に舞い降りてきた
 ....
小鳥を逃がした事がある
さみしい時に啼いてくれたのに
鳥籠にいる姿がかなしくて
僕の目の届かない世界まで遠くへやって
今もふとすると胸うちで啼いている
傷ついたその折れた翼で


   ....
海を見ると
懐かしさがこみあげてくるのは
きっと私たちが受け継いできた命が
すべてを知っているからなのだ

私たちの親が見た海
そのまた親が見た海
さらにおよそたどり着くまで
私たち ....
知らない言葉を使っても
ちがうパズルのピースのようで
僕は完成しない

知っている言葉の羅列は
なくしたピースの裏側のようで
僕は完成しない

   崩れかけた木製遊具のある
    ....
鼓動を知っている
急激に階段を上がり
寝床に入ると
生きている苦しみと共に
息切れと共に
脳を覆う

熱を合わせると
寝床が海に変わり
大海原を旅する船になる




鼓動 ....
 ノイズを避けて通れない街で
 君だけが星 
 君だけが太陽
 
 今日も君の真中を目指して
 起きあがる
  

 忘れてきたものは多い
 これから手にいれるから
 知らぬ間に傷 ....
洗面器の底
透明な水の中
魚のうろこが沈んでる。
触れると
突き刺さるほど冷たい水の中に
魚の姿はない

キレイを積み上げたものの色が濁ってく

真っ赤な金魚がお好みですか?
 ....
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