遠く遥かな
おぼろ月
春の夜半なら
届くのか


一人で歩く
かえり道
ついてくるのは
おまえだけ
夜とおんなじ色の猫


うすぼんやりと
おぼろ月
猫とおんなじ
色の ....
永遠に交わらぬはずの者同士が
交わろうとする



水と油
そんな感じで



高温にまで熱せられた油は
邪険にも寄せる思いを弾き飛ばして
ふつふつと
行き場の無い怒りに震え ....
僕の名前は皆月零胤 でも名前はまだない



多分それは小学五年の夏休みが折り返した
そんな時期だったと思う
空き地の隅には僕たちの秘密基地があった

それはホームレスのビニールシート ....
わたし、さかな

あなたの前では息もできない
それは言いすぎかもしれない

だけど夜になると
淋しさを呼吸するわたしは
誰でもない一匹のさかなになって

どこまでも
きっと、どこま ....
 
いろんな空が
ひとつの空で
暮らしてる

言葉もなく
言葉ばかり集めて
あの頃
僕は
何を見てたんだろう

こんな空がある
あんな空もあった
そこで
暮らした日々よりも ....
 
太陽のない
惑星の
生きもののように
夢を見てる

漆黒の意識の中
聞こえない
囀りと
見えない鳥

あの空も
雲も
地平線と
沈みゆく太陽さえ

目を覚ます
 ....
果てしない闇の中
なぐさめの月を抱く
その瞳に映す僕の罪は
笑うたび優しく刺さる抜けぬ棘

欲望は満たされることはなく
偽りのぬくもりは
終わったその瞬間から
この手の中から零れ
漆 ....
かなしいけれど しょうがないのか
なきむしだからどうしたらいいかな
しらじらしいえがおみせたりするし
いらいらしてたって それでもいい

うそつきなのになぜすきなのだろう
それでもいいとい ....
一日が終わっていく
きょうは
1/150億年の一日
ちいさな一日

僕の一日は乾いていた
びしょ濡れだった人もいるだろう
途中で息絶えた人もいるだろう
寝過して飛ばしてしまった
 ....
裏木戸を開けると
ひぐらしがないている
あの木の下
薄暗い桜の木の下で


闇間に鼻緒が見えている
そり返った白い足の指が
細い脛が折れそうにのびて
あの時もひぐらしがないていた
 ....
夜はさみしさをたたえる水面
しずかに腕をひたして
あてどない動きにさらされていた

夜がひそかに身体をゆすると
いつしか私もゆれていて
抱きしめあった記憶が
手のひらからあふれた

 ....
紺碧の輝きを放つ
カラスアゲハの翅が
百合の花のつよい匂いに紛れて
大きくひらくのを見た

静止した夏の庭。

そこに私がいる
分岐の先に、
意識が流れてゆくのも――
移ろう涼しげ ....
 
友だちの
りんご畑から
りんごを盗んでしまった

十数年後
街でばったり
友だちに会った

一緒にお酒を飲んだ
ふところには
あの日のりんごが
ひとつあった

りんごは ....
コンクリート
信号機
看板

君がうたうのは何処。
君は何をうたう。

夏風がそっと聞いてくる

今年は
蝉の声が聞こえてこない

だから



君が鳴いてよ
君が ....
 


君のみどり色のところを
ぜんぶ
静かにしてしまおう

僕たちのゆびさきは
それはきれいな舵だ
このすこしの世界では
なくこどもと
あくたの色はもう見えない
ただ
朽ち ....
僕たちは気づかないうちに
夜の闇に飲み込まれていて
人混みに流されていた

ほんの些細なすれ違いから
互いに伸ばした指先も
届くこともなく
雑踏の中に互いの姿を見失う

 あとほんの ....
瞳を覗き込んで
悪戯に誘いをかけてみようか

優しい風に乗せて
悪戯に愛を囁いてみようか

こころを曇らせて
悪戯に雨を降らせてみようか

今夜の三日月ぐらい薄っぺらなこころで

 ....
子どもの頃、夏はいつも眩しかった。
川の源と深い緑、僕の生まれ育った町は山あいにあって、
寒さの厳しい分夏は涼しく、
台風も滅多に訪れない、そんな所だった。

山の一呼吸とともに、夏はやって ....
夏の青空にサナトリウムの白い壁が
セラミックナイフのように突き刺さる
静脈に流れる爽やかな風を感じるように
鉄格子の越しのひこうき雲は流れて
エアコンの室外機からの水溜まりに太陽が
反射して ....
 
川の向こうに
黒猫がいる
こちらをじっと見てたのに
いつのまにか
居なくなってる

遊歩道でひろった
小さなノートをひらく
知らないことばかり書かれてある
わたしは石に
名 ....
{画像=080907104708.jpg}


夏休みにはいつも母の実家に帰って、
おばあちゃんのおとぎ話を聞いた。
従兄弟達と一緒に横になって
おきまりの昔話を聞いた。
遠くに盆踊りの ....
             01/08/18


昨晩生まれたやぶ蚊3匹
夏枯れの貧しい藪をあとにする
やぶ蚊3匹霧の中
やぶ蚊3匹腹空いた
やぶ蚊3匹血を探し
初めて味わう朝7時
身 ....
光が反射して映る景色にまどろんでいる

夜になると顔を出す
ため息にも似た光
そのとき本当のことがこぼれかける

そんな夜は1年に1度
交わしていない約束のように訪れて
はなれたくない ....
山の一番大きな木に
ホウセンカズラの灯が燈ったら
お祭の合図です。
各々この夏手に入れた
一等綺麗な思い出を持って
おいで下さい。
カササギのアオ爺が
その質に応じて石をくれます。

 ....
今日も一日誰とも話さずに終わってしまう
仕事柄何十本もの電話をこなし
お昼には職場の友だちとランチなんかしたけど
それで誰かと話したってことにはならない

パソコンの電源落として
机のまわ ....
何もかも徒労だったと誰が知る
心がはぐれそうな夜は
ただあてもなく歩くのが世のならい


街の灯りがあんなに遠い
くたびれた足で石を蹴り上げると
どこか見知らぬ闇に呑み込まれていった
 ....
 
 
鏡のしくみ


ふたつの世界を隔て
ふたつの世界を結ぶものがある

手をふれるだけで
抱きしめることはできなかった

今日はピーターが
誰かをさがしてる

鏡のむこ ....
揺れる大空を
手のひらで掬ってみた
零れていくのは
昨日までの涙
真夏の炎天下の昼間に
涼しくて気持ちいい
この飛んでみたくなる水色を
ごっくん
眠れない夜
詩が書きたくなった
誰かに伝えたいわけじゃない
誰かに存在を知って欲しくなった

S・O・S
愛だの世界だの大口叩いてはみたけれど
正体はただの寂しがりやなんです


 ....
悲しみのない日に生まれたかった
ばらとミルクの甘い匂いだけがする午後に
僕は君とだけ生まれたかった


いまとなっては好きも嫌いも愛してるも
言わなくなって 指先だけで触れて
僕 ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朧月夜- 亜樹自由詩308-8-25
乾いたひと- 恋月 ぴ ...自由詩26+*08-8-22
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ラグーン- ふるる自由詩10*08-8-18
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りんご- 小川 葉自由詩708-8-15
うた- 乱太郎自由詩11*08-8-14
ぺぱみんとあいす- 縞田みや ...自由詩10*08-8-13
太陽の光はまだ早すぎる- 皆月 零 ...自由詩3+*08-8-12
薄っぺらい三日月の端- 皆月 零 ...自由詩6*08-8-11
夏はいつも- 自由詩408-8-10
盲目の夏- 皆月 零 ...自由詩6*08-8-10
梅田川- 小川 葉自由詩2*08-8-9
狸囃子_/_夏休みの想い出- beebee自由詩1208-8-9
やぶ蚊3匹雲の中- あおば自由詩3*08-8-8
- mayaco自由詩208-8-7
ホウセンカズラの灯- 亜樹自由詩208-8-7
働くひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-8-6
夜の鉄路- 石瀬琳々自由詩8*08-8-6
鏡のしくみ- 小川 葉自由詩308-8-4
手のひらに- 乱太郎自由詩13*08-8-3
眠れない夜- 1486 106自由詩21*08-8-3
月面着陸- アヅサ自由詩11*08-8-2

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