ダーナー・トゥーナーは
燕になりたい
燕になって
王子様の目玉を抉り取り
幸せを運ぶ感覚、というものを味わってみたい

ダーナー・トゥーナーは
燕になりたい
そのことを話すと
彼の両 ....
蛍の明かりより清かなる
月の明かりを光源に
夜の闇間に歩き出す
夜の空気を身に纏い
影法師だけを引き連れて
夜の闇間に歩き出す

冷たい空気を吸い込んで
夜との同化を試みる
身体に夜 ....
雨の庭で 虹色の鳥を見たの

わたしは パンを取り出した

瞳は おおきく まあるくなり

翼を ぱたぱた させました



デニッシュパンも あるわよ

ちいさく ちぎっ ....
 「ぐるり山」に囲まれたこの村だで、こん時期になると、ホレ、アノ屏風山から山おろしがごぉごぉってな。
 丁度わしが、オメェ位の時に今日みてぇな晩だ。ばっちゃが、その又ばっちゃからから聞いた話を聞かせ ....
少女の面差しで
はにかんだ笑顔で
やさしく騙してあげる


上目遣いで
しなやかな手つきで
やわらかく招いてあげる


ふりむいた横顔
まばたきする一瞬
瞳の奥の冷めた光に
 ....
高温の炎は
赤から青へ
青から無色に

ほら
空の端が
段々白く
なっている

きっと今頃
隣町は燃えているんだ
なぜだろう あなたが
ふり向く瞬間が わかる
どうしてだろう あなたが
求めたものが ここにある
  なぜだろう 私が
  凍らせた言葉を 知っていて
  たやすくそれを 解きほぐしてゆく ....
ぼくは潜水艦になる
押し入れのハッチを閉じて
ながいながい航海にでる
まっ暗の中のひとすじの光は
消えることのない流れ星

ぼくは潜水艦になる
黒いごみ袋に入って
埠頭についたパパとマ ....
幸福の置き場所は
海のにおいのするところ
大事な言葉が生まれたところ

風がとおりすぎて
小さな駅におりると
細い道の向こうがわ
手に持った荷物の
不安定な重さが
私であることの証
 ....
シロとクロは
相反する色をして
だけど、寄り添い
補っているようで


二匹はいつも
空き地の隅に
重なるように眠っている
実際は交ざることなく


無造作に生えた緑から
シ ....
{引用=それは
真新しい譜面から
厳かに音があふれ出すように}

昏々と眠っていた東の山が目覚め
肌を震わせ鳴り始める
金色に燃える音をかき鳴らす
ほの白い月は
裏旋律を歌い上げる
 ....
何処までも続く田んぼ道を
傘を差しながら歩いていた
泥濘に足を捕られ
踏み込んだ足音に
ため息が一つ、呼応する
辺りはすっかり暗くなった

バスの停留所が見えるまで
ひたすら途方も無 ....
心を正方形に切って
飛行機を作った

前を歩くあの人の背中に飛ばす

飛行機は心臓の裏側に
ピンポイントで突き刺さった

彼は気付かない様子で前を歩く


突然立ち止まり
背中 ....
透き通るアルコール
血脈を流れる躍動に
音にならない声は空を切る
ある日、真昼に映った少女
ラジオが空を飛んでいった

気違い染みた水族館に浮かんで消える
プランクトンやら光の粒子やら
 ....
 下宿の上階に女郎が住んでゐた。
 座敷に出てゐる時の女がどのやうな格好をしてゐるかは知らなかつたが、開け放した窓から上体を乗り出した姿は馴染みのものだつた。
 案外に短い髪は肩で踊り、着崩した着 ....
夕陽が沈んだその後に 
酒にうかれて千鳥足
月の明かりで見つけたものは 
娘に化けてる いたずら狐

星の降るような空の下 
木の葉を頭に宙返り
なかなか娘に化けきれず 
くるりくるく ....
不器用な自分という役を 
脱ぎ棄てたくなった夜 
無人のバス停のベンチに 
重い腰を下ろし 
虚ろな瞳を見上げると 

( お気軽に ) 

壊れた電光看板の 
止まったままの赤文字 ....
声にならなかった
あらん限りの力を込めたはずなのに

例えばそれは
孤島に取り残されたおとこがひとり
遥か水平線に見え隠れする
船影を
蜃気楼だとはなから諦めているかのように

もし ....
鋭利な湖面をすべってゆく
一艘の小舟
私は黒布で目隠しされたまま
なすすべもなく横たわっている
風 感じるのはすべて風
重い水をかきわけて
舟はゆるやかに進む


盲目の私の世界に響 ....
いつか
山の道をとぼとぼと
登ってゆく人影があった

あれは河童じゃ

そう言った父の
背中からもくもくと雲が立っていた

河童は
夏が終わると山へ帰る
そして勢子になったそうな ....
八月はしづかに
葉先からくれないに燃え
白い節くれだった骨になる
そのつつましさの中に
芽吹こうとする強い意志を隠しもっている
漂流する鳥たちは
わずかの間のよすがを求め
自らの骨のゆめ ....
誰かが言った
「世界は蜜でみたされる」

私は夢見た
「世界がレモン水に沈んでる」

世界は今
一体何で満たされているの?

私は蜜より レモン水の方がいい
満たされるよりも
沈 ....
          水に挿した青磁器を彩る

          切り裂かれた花々たちが

          私に{ルビ現在=いま}の終わりを告げる

          過去の栄華を断 ....
まだ誰も手入れをしていない花壇に芽生えた
幼いクローバーの透き通る葉
働き終えた男たちが
その角ばった手で
その角ばった心で
その柔らかな葉を千切り捨てて
去っていった
二度と見返ること ....
やがて来る 浸水した床下から
新しい手が生えてくる

風が走り去った午後の遊園地
ベンチには黒い影が二つ 揺らめいている
そして二つの風船 雲の彼方へ消えていった

全ては千切れた羽の様 ....
比べたくなるものがある
幸せの度合いとか
それぞれの人生のありようとか

ひとと比べることで見いだせるものとは

柱に刻まれた幾筋かの古傷は
生を授かった証であり
輝ける未来への歓声で ....
ほどよく冷えた桃の
皮が剥けるのも
待ちきれない様子で
傾いでゆくあなたの
日焼けした首筋

滴る果汁か
それとも
戯れの残り香か
甘い匂いが
鼻腔の奥に絡んで
涙させる理由
 ....
うれしかったこと

悲しかったこと

楽しかったこと

辛かったこと

今日の箱を
棚の奥にしまい込んでくれる
夜の暗闇

どこに置いたかなんて
明日になれば
きっと
 ....
窮屈そうな
言葉たちをほどいて
その向こうの空を見る

いつかのため息もほどいて
その向こうの青空を見る




さよならさえも言えない
あの人は
何と戦っていると言うんだろう ....
追いかけるのはいつかの夢
{ルビ揺蕩=たゆた}うのは幸福だったころの記憶
抱きしめるのはあのひとの気配
口づけるのは囁かれた愛のことば
燦燦たる陽のしたで赤く爛れるのは向日葵の花

瞬きの ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
燕になりたいダーナー・トゥーナー- 亜樹自由詩107-9-19
月夜の散歩- 明楽自由詩407-9-19
虹色の鳥_〜雨の日たのし〜- 和泉蘆花自由詩207-9-19
鬼になった子供(鬼吉と春一番)- 板谷みき ...散文(批評 ...2*07-9-18
少女の眩惑- 渡 ひろ ...自由詩8*07-9-18
あついひ- 亜樹自由詩107-9-18
蝶の時間花の時間- 西尾自由詩907-9-18
潜水艦の季節- くろねこ自由詩1107-9-18
幸福の置き場所- 西尾自由詩707-9-17
シロとクロ- 小原あき自由詩18*07-9-17
朝焼けシンフォニー- さくらほ自由詩7*07-9-16
母の上空- 佐藤清児自由詩507-9-16
飛行機- 宮市菜央自由詩8*07-9-16
エタノール・ラジオ・ブレイク- 佐藤清児自由詩2*07-9-15
下宿の上階。- ヴィリウ散文(批評 ...307-9-15
すすき野原で見た狐- 板谷みき ...自由詩2*07-9-15
夜空のバス_- 服部 剛自由詩207-9-14
- 恋月 ぴ ...自由詩31*07-9-14
黒のみずうみ- 石瀬琳々自由詩14*07-9-14
山の季節- yo-yo自由詩5*07-9-14
螺旋- ワタナベ自由詩2007-9-14
世界を満たすもの- 明楽自由詩707-9-13
花葬- 渡 ひろ ...自由詩8*07-9-13
星状体- 佐藤清児自由詩307-9-12
廃墟- 佐藤清児自由詩307-9-12
- 恋月 ぴ ...自由詩31*07-9-11
八月のエピローグ- LEO自由詩16*07-9-11
今日の箱- 乱太郎自由詩16+*07-9-11
回折格子- AB(な ...自由詩607-9-11
花のなまえ- 月下美人自由詩13*07-9-10

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