動かない車の税を納めにいく ピーマンだった朝
ごぼうと言われた昨日の昼
もやしっ子と中学時代揶揄され
これまで
土の匂いが抜けたことは一度もない
ハウスに移り住んだのは妹と義理の弟
僕は小さな畑の端っこで
売り ....
血管を流れる血のように
岩を滑る垂水が
ぼくの中に流れていたころ
ときどき 桃が流れ着く岸辺で
老女が野菜を洗い米をとぎ
男の子が笹船に乗って
都の方へ出かけて行った

川の畔の小さな ....
さくら花、いつか出会いを繰り返し君のひとみにこぼれるバラッド


花弁に触れてひかりは遠ざかるこのひとひらに惑うこころを


新緑の夜の涙になきぬれてまどろむ夢に風は滴る


いつか ....
雨が降っている
雨が降ると私はいそがしい
家の中が子どもでいっぱいになる
まるで空から降ってくるように
子どもがどこからか現れる
つぎからつぎから
家のすきまから入ってくる
窓もドア ....
{画像=140622083456.jpg}


*


言葉が漲っていますか
心が漲っていますか


前を見ていますか
手を握っていますか


感じていますか
感動してい ....
読み人知らずの
ささやかな空気の振動を
耳たぶでそっと掬って
外耳道へ流し込む

外耳道の突きあたりの
気弱すぎる鼓膜のときめきを
耳小骨は丁寧に拾い集め
蝸牛の殻に押し込める
 ....
ただしい孤独は
凛として涼やかな音色であった

愛しい憂鬱は
窓辺に花をさして髪を梳かす

美しい季節は
褒めそやされて散る花びら達で
そこそこ保たれるものだ

どうしようもない時 ....
団地の狭い庭に桃を植えて
安くて新鮮な桃を食べようなどと
欲を張ったのだが
日当たりは良くないので
おいしい実がなったかどうか
それも分からないまま…

たっぷりの肥料と 
水やりをし ....
かららん
ころろん

約束してた夏祭り
浴衣の帯は苦しいけど
少し急ぐ下駄の音が好き

髪をあげた少女の瞳に映る
裸電球のあこがれ
くっきりと 影法師が揺れる

うす暗闇で手 ....
孤独じゃないと 言い聞かせては
孤独でいようと 必死だったよ
いつかどこかで 出会いなおそうと
思えるくらいには 時が過ぎたよ



荒れ果てた町の 荒れ朽ちた部屋は
一人分だけの  ....
あの時代に街を彷徨う男は
夜の気配のする街角で
剣玉を所在なげに操る
夕暮れの街灯の下
足を組んで剣玉する男一人

街灯から降り注ぐ
まやかしの光の粒は
ぼーっとした色を男に与え
髪 ....
{画像=140615125414.jpg}
(ジョウビタキの♀)



これまでは耳を開ける事はなく
いつも音楽を流し込んでいた
今はイヤホンを外して
外界の音を追っている
鳥の鳴き ....
移動遊園地のメリーゴーラウンド
イルミネーションに 子供が歓声をあげる
いつまでも追いつかない 振り向いた笑顔
もどかしい楽しさを思い出す


丘の上の石段に座って 
町並みの彼方に ....
>吹いて
<吸って
<吸って
>吹いて

あたたかい息が
リードをふるわせると
やわらかい音符があらわれる

>吹いて
>吹いて
<吸って
>吹いて

さみしい唇を
 ....
病室の窓を開けると

干し草の香り


夏休みの匂いがする

と女房は言った。
{画像=140610215111.jpg}


快楽に我を忘れる
もう良いやと手放した理性


もしかすると死ぬ時もこんな感じで
意識を手放すのかな


人と言う動物は
思考を ....
<僕らの本当の誕生日>

はるか年上の 僕の友達へ
敬語を使うなと言って 跳ねるように歩く
話したくもないという戦争の話を
僕にだけは 話してくれた

家出した僕を その日の夜に
君が ....
雨の日だけ訪れるひとがいる
水を滴らせながら、入れてもらっていいかな、と
私は玄関を大きく開け
タオルとホットミルクを渡す

他愛無い話をぽつりぽつり
このひとは愚痴や怒りを表さない
た ....
「梅雨は嫌い」と言ったら
おまえはそうでも
俺たちは雨が降らないと困るんだ
紫陽花の葉っぱに隠れていた
一匹のカタツムリに
小さな声で抗議された

「洗濯物が乾かない」と嘆く
なにを言 ....
傘が行く
三叉路の紫陽花を横目に

靴がついてくる
水溜りをかろうじて避けて

身体は押し黙る
雨音の朗読を聴くともなしに

思考は潜り続ける
内側の後方の下部の
定位置に落 ....
<矛盾>
あなたを殺してしまいたい
でも
幸せにもなってほしいよ。





<矛盾なき矛盾>
本当に大切なものが
なすすべもなく消え去った時
もう残りの人生が余生でしかないと ....
醗酵することは発行されたものをもたないこと
あるいは発光する冷たい微熱をかかえた昆虫の夜を生きること
あるいは薄幸な女の身の上話にあいづちをうつ場末の安酒場の空気

欲望は醗酵し発熱し自分の足 ....
{画像=140605223459.jpg}



人は他人無しには存在できない
自分だけで自立しているように見えて
他人の評価を気にして生きている


自分の生き方も定まらず自信を失 ....
初夏の夕暮れ

見舞いに来た僕は君と歩く
五階の病室から一階の売店まで
五階のエレベーターホールまで
病室から二〇メートルほど
エレベーターに二人で乗る
乗るときも手は離さない
三五年 ....
もう二十年も昔になるだろうか
「政府の備蓄米が放出されているらしい」と
うわさが流れていたころ
「あんたの家のお米ぐらいはいつでも確保しておくからね」
そういった町の米屋さん

近くにスー ....
むしゃむしゃと食べる
むしゃむしゃと食べられる
食べるところが無くなればおしまい 
食べられるところが無くなればおしまい 
僕にはまだ食べられるところ 
残ってます? 
犬と歩いていた畦道
蓮華草の洪水、うららかな風
晩春の自然は生命を礼賛していた

突然、犬が強く引っ張る
そして、嬉しそうに吠える
畦道の行く手に
冬眠から覚めた蝮が横たわって
ぬらぬ ....
 
風呂で屁をこいでみた

すべてからの自由を約束する泡が破裂する

諸君! 解放だ! 解放だ!!



 
バーチャル世界を漂う夥しい単体から
吐き出される0と1の記号は
フェロモンを伴って 波に乗り
キーボードの前に佇む孤独な心の
隙間に入り込む

 ディスプレイの 
 向こうとこちらで ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
動かない車の税を納めにいく- 北大路京 ...自由詩7*14-6-26
野菜生活- 乱太郎自由詩23*14-6-25
ボクの中を谷川が流れていた頃- イナエ自由詩15*14-6-24
バラッド- 石瀬琳々短歌3*14-6-24
雨の子ども- yo-yo自由詩6+*14-6-23
自分に問いただす言葉_/_信じています- beebee自由詩24*14-6-22
聞こえた- nonya自由詩19*14-6-21
ただしい孤独について- 梅昆布茶自由詩2014-6-19
夢を食う- イナエ自由詩19*14-6-19
夏祭り- 藤原絵理 ...自由詩9*14-6-18
十九歳迷路- クナリ自由詩8*14-6-17
みせもの- ……とあ ...自由詩9*14-6-16
静かに耳を澄ませて_/_私は緑の目を開く- beebee自由詩22*14-6-15
丘のソネット- 藤原絵理 ...自由詩7*14-6-14
ハーモニカ- nonya自由詩22*14-6-14
朝の病院- ……とあ ...自由詩11*14-6-10
快楽と死- beebee自由詩18*14-6-10
僕らの誕生日_/_永遠- クナリ自由詩12*14-6-9
「雨ごい」- 桐ヶ谷忍自由詩20*14-6-8
【_慈雨_】- 泡沫恋歌自由詩19*14-6-7
傘が行く- nonya自由詩22*14-6-6
矛盾_/_矛盾なき矛盾- クナリ自由詩19*14-6-6
ただしい醗酵のてびき- 梅昆布茶自由詩1914-6-6
人間の弱さ__/__コロンと転がった石になりたい- beebee自由詩28*14-6-5
夕暮れの病院- ……とあ ...自由詩11*14-6-4
町のお米屋さん- イナエ自由詩10*14-6-4
むしゃむしゃと- こいち自由詩414-6-4
畦道にて- 山部 佳自由詩8*14-6-2
こく- 殿上 童自由詩18*14-6-1
ネットの恋人- イナエ自由詩11*14-6-1

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