山の水があつまる
わんどの深みに
ザリガニのむき身を放りこむ
暗い川底が
ぐるるんと動いた夏

七輪でおばあさんが焼く
ナマズの蒲焼き
田んぼの畦を吹きわたって
麦わら帽子の
ひさ ....
ひもじいといって、啼く蝉はいない

白亜紀の時代から
ひとはひもじい生きものだったという
そのひもじさに耐えて、恐竜から逃れて
生き延びることのできる生きものだったという

生きて
生 ....
東には青色の竜
南には赤色の鳥
西には白色の虎
北には黒色の亀

そして
中央には黄色の麒麟

日本橋の
中央には翼を持った麒麟が
鎮座している

かつては
五街道の起点 ....
あの月をおぼえている
かつて輝いた太陽を知っている
その手に触れたものも
触れ得なかったものもぜんぶ


それは、
緑陰にそっと揺れていた
真昼のしんとした光を浴びて
それは、
あ ....
僕は夢見る人が好きだ 当然僕もその種族だろう

ただ夢を見ながらも 自分と正対できたらいいと思っている

夢を見る自分を受け入れ それでも夢を夢となずける強さがあれば

毎晩暑苦しくて 真 ....
 ドキがむねむね


毎日コーヒーショップに来ては
テーブルにノートPCと書類を広げて
何やら書いたり考えたりしている
メスのニワトリがいる
近くのオフィスに勤めているのだろう
赤 ....
円周率の最後の一桁に出会ったら
宇宙はそのときめきに吸い込まれてしまうだろう
数字とは限らないその解は
きっと愛を語る詩人のように嘘っぽい
輪転機が無限に探すが
解けない問題こそ美しい詩のよ ....
真っ赤な
パラボラアンテナは
今日も恋をする

南の島の
センチメートル波を
受け取りながら

灼熱の
コンクリートの上で
鮮やかに咲う

真っ赤な
パラボラアンテナは
 ....
 男がいた
 一度は膝を屈し生まれ在所へ戻った
 そこまではよくあるはなしだ

 だけど男は
 厩へ戻ってきた
 きっとそのとき思ったのだろう
 もう俺にふるさとはないと

 体を鍛 ....
「男女七歳にして 席 同じゅうすべからず」この精神に則って 国民学校と呼ばれていた現小学校の三年生からは男女別学になった。担任も女先生から 自らを在郷軍人と名乗って憚らなかい男先生になった。新学期にな .... 僕は闇属性なので
まぶしいものにめっきり弱い

「じめじめしやがって
お前はナメクジみたいだな
キノコと仲良くやっていろ」

日没になると
カーテン越しにそう言われて
最初は腹を ....
白いコーヒーカップが
モジモジしている様子なので
どこか痒いのかと思い
指先でひとしきり掻いてやった
すると紫色の煙が立ち昇り
ケータイの着信音みたいな
安っぽいファンファーレと共に
 ....
(夢をみて 過ごす)
(夢だけをみて 過ごそうとおもった)


7月10日

よしくんが 蝉の抜け殻の中に
ねり消しを詰めて
ブロック塀の上に置いていた
きっと
中身がある
て  ....
かつて夏の日に幾千万の蝉たちが空へかえった 
その日の灼熱はすべてを焼き尽くした 八月の焦土

大きな鳥の影が空を覆いポトリと卵を落とした
破壊と悲惨の卵 子供たちを奪い去った卵

何の大 ....
駅前に
アーケードの架かった商店街がある
八割方の店舗はシャッターが下りた状態のまま
今やその役目を
郊外型の大きな店舗に奪われてしまった

下野薬局の前の
排気ガスで煤けてしまっている ....
ヒューヒューヒュー
ドーンと叫んで両手を高くあげ
おもいっきり地面を蹴ると
おじさんの体は
そのまま夜空へあがってゆく
おじさんの花火だった

おじさんは夜しか現れない
ビョーキかもし ....
私は午後のコーヒーショップで
独り読書をしている
斜め前のテーブルでは
女子高生達がお喋りしている
BGMは懐かしい曲
『You Don't Know What Love Is』
邦題 ....
その鳥には名前が無い 永く忘れていたのかも知れない

その馬には乗り手がいない あまりに荒々しいから

その石には角が無い ずっと転がってきたから

僕は銀河の鳥の名前を知りたかった
 ....
腕がある
脚がある
カラダがあって
心臓はこの辺だろうか
洗濯物を干しながら
幸福感に包まれる

よれてしまった襟だとか
落ちきれてない染みだとか
ゴムの伸びたパンツだとか
新品で ....
切れ切れのあらすじ
離れ離れのせりふ
緑と青と白とその隙間にある
無数の明るい色と寒い色

大脳皮質の砂浜で拾い集めたら
海馬のカレイドスコープに仕込んで
いとおしむように回す

 ....
やさしい体温を
手放した
幼い夕ぐれの あわくひろがる
虹彩のふちで

一日中
なんにも
口にしていなかった
なんて
いのりのことばみたいに
くりかえしては
いちまい いちまい
 ....
深い深い海の底に僕の故郷がある それは静かで暗い世界 すべてを押し包む沈黙が支配する

僕は光のサインで話す 君の眼に僕の言葉が映るだろうか

ひらひらゆらゆら僕は泳ぐ 強大な水圧のなかひら ....
葉月の昼下がりのどうしようもなくもてあました窓の
したで、たったいま、わたしにできることをすべて思
い浮かべてみても、ただ、雨の日の猫のように四つ足
を投げだして眠ることしかできなかった。
 ....


あおい夜のシナプスが
ピアノ線のよう

音もなくしのびこむ
月の影

月は ぼくを
しらない
ぼくも 月を
しらない






風のない夜
オオミズアオ ....
<材料>
トマト4個
玉ねぎ1個
パプリカ2個
ちくわ1本
オクラ3本
オリーブオイル大さじ2
夏の風1分
現代詩2作品
遠くの歌声1曲
ホースで庭につくった虹7色

<作り方 ....
高層ビルの一角に再現された空中庭園
そこに残ったのはサクラの樹一本
話が違う。
そこの地べたにはかつて公園があった。

今日(いま)
ベンチに腰掛ける老人はもういない。
ラジオ体操をする ....
今日はコーヒーショップで
売買契約を結ぶことになっている
しかしコーヒーをひと口飲んだ途端
売るのだったか買うのだったか
金額はどのくらいで
そもそも誰と何を売買するのか
きれいさっぱ ....
わた飴を頬ばる
浴衣の肩越しで
はちみつ色に ほころぶ
花のゆくえを
やさしく見つめている


ラムネ壜の底で
眠っている夏を
起こさないように
そっと
指をつなぐ
きみの輪郭 ....
その古い家には
ちいさなあかりとりの天窓があって
夜ふとんに入ると
その窓がいやに気にかかってたまらなくて
ぎゅっと目をつぶった

星も見えないようなちいさな天窓
月明かりだけはぼんやり ....
喉元を過ぎた熱さは
記憶の端に刻まれることもなく
ボトル半分の濁り水とともに
朝焼けの彼方に消えていく

問題と解答を丸暗記するだけの
退屈な学習にも飽きて
何度も同じ過ちを繰り返し ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
山の水- yo-yo自由詩11*13-8-28
朝の日記_2013夏- たま自由詩34*13-8-25
麒麟- nonya自由詩23*13-8-24
緑のおもいで- 石瀬琳々自由詩7*13-8-21
夢見る人- 梅昆布茶自由詩1513-8-20
ドキがむねむね/リーマン- 壮佑自由詩12*13-8-19
- 乱太郎自由詩2713-8-19
ハイビスカス- nonya自由詩16*13-8-17
心に鞭_—加賀武見へ—- 平瀬たか ...自由詩11*13-8-16
フクロウと呼ばれた少年- イナエ自由詩7*13-8-14
カーテン- ニワコ自由詩7*13-8-13
The_Wind_Began_To_Howl- 壮佑自由詩17*13-8-11
いつかの夏の日記_みたいなものあれこれ- 佐東自由詩1113-8-10
八月の子供たち- 梅昆布茶自由詩1813-8-8
涼をとる- 佐東自由詩513-8-8
おじさんの花火- yo-yo自由詩9*13-8-5
You_Don't_Know_What_Love_Is- 壮佑自由詩9*13-8-4
銀河の鳥- 梅昆布茶自由詩1013-8-4
【ベランダに吹く風】詩人サークル「群青」七月のお題「風」から- そらの珊 ...自由詩18*13-8-4
夏休み- nonya自由詩21*13-8-3
flower- 佐東自由詩5*13-8-2
深海魚- 梅昆布茶自由詩7*13-8-1
雨の日の猫は眠りたい_2013- たま自由詩29*13-8-1
月影/あおい印象- 佐東自由詩7*13-8-1
夏野菜の現代詩サラダ- 左屋百色自由詩7*13-7-31
跡地- ……とあ ...自由詩9*13-7-30
九官鳥- 壮佑自由詩11*13-7-29
夏の夜/花のゆくえ- 佐東自由詩7*13-7-27
しょうけらのいる窓- 佐々宝砂自由詩9*13-7-27
回転木馬- nonya自由詩20*13-7-27

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