農家のおばあさんが
小さな乳母車に載せているのは
自分の畑で育てた花だった

生まれながらにして背が低かった
歳をとり腰も曲がってしまった
それでも車いっぱいに花を積み込んで
今日も花を ....
春めくのか夜になると
もぞもぞするもの
それは
あなたのつくしんぼう
今夜のわたしは疲れているのに
背中を向けた闇のなかで
何かを探し蠢いている
辛抱が足らないから
貧乏なのか
芯棒 ....
アマガエル

葉っぱのソリでやってくる

ツチガエル

地面を掘ってやってくる

ウシガエル

ほろ酔い加減でやってくる

3匹 寄り合い

酒 交わし

明日も雨 ....
にぎってみな
ほら
もうだめだろ
そのタマネギ

切ったら泣くぜ
ぜったい泣くぜ
半分ぐらい
腐ってたって

ぜったい泣くから
まあ座って
二人で剥こう
そうして
 ....
ブリキのロボットはひとり
旅先の浜辺に{ルビ佇=たたず}んでいた 

羽織った黒いマントを 
浜辺の風になびかせて   


( 振り返れば 
( 浜辺には長い足跡 


拾った ....
あなたの髪に触れるしずくは
花びらのように
キラキラと咲いて散っていく

あたしもそんなふうに綺麗に映ればいい

住み慣れたはずの町が
やけに他人行儀に感じた
折れた傘が
歩道の脇に ....
 ままならないのが人生劇場
 その中でいろんなことを学びとる
 自分の足で立ってない頃には
 すべての刺激は自分を責めていたっけ
 
 叔父に殴られ
 母は青ざめ
 父は妾をつくり
  ....
或る 陽射しが穏やかな午後
風はゆるやかに 丘を流れる
窓枠に切り取られたその風景の
ずっと彼方を 少年は見ていた

鳥かごの中
「日常」は夢のまた夢
その身には 穢れなき白と
何もの ....
雨に打たれた紙が
ぼくをじっと見つめていた
何の紙なのかは
わからないけれど
何かを言いたい気持ちが
そこにはあった

雨に打たれた紙を
ぼくはそっと見守った
何のためなのかは
わ ....
どんなに視力が良くても
目に映るのは水平線だけ
行き先を見失わないように
まっすぐ突き進んでいこう

あまりにも広大なこの世界で
頼りになるのは己の力だけ
そう言って颯爽と飛び去った
 ....
波に揺られど 私は私

   見分けのつかぬ たった一粒の砂だとしても
君の中の炎は
常に形が定まらず
消えることなくむしろ
どんどん燃え盛り
竜巻となって
全身を駆け巡る

その炎はいずれ
君の中の情熱を燃やし
そこから生み出される蒸気によって
君は ....
『ねえ』

世の中矛盾だらけだよって
背伸びのつもりで言ってみた


『歌姫』

ららら
ずっと歌うよ
そのぼやけた孤独にある
君の輪郭を撫でるため


『灰色』
 ....
ずっとむかし
わたしがまだ、
色になまえがあることなんて知らないころ

わたしはいまよりずっとたくさんの、
色がみえていた気がする

あれは赤
これはあお
それはみどりで、これは ....
 自由の翼がほしかった
 好きでもないものばかりは食べられない
 わがままなんかじゃなくて
 自分らしく生きていたい

 自由の心を持ちたかった
 言いたいことを押さえて
 我慢する ....
暮れかかる
陽の手は伸びて
居ならぶ雲を
染めあげる
夜の扉をひらくため
灯された
あかりのように

瞬き、
という行為の
間に間に見える
人と人を結ぶ
曖昧な影
「優しさ」 ....
水が流れる
水車が回る
水が回る
僕は僕の血液で回る

風が吹く
風車が回る
風が回る
僕は僕の呼吸で回る

陽が昇る
地球が回る
陽が回る
僕は僕の意志で回る

星が輝 ....
それでも止めないのは
あの一言のおかげだと思っている


『最期の写真家』


気付いたのは
老夫婦の写真を撮った時だった


仲の良い夫婦で
金婚式の記念にと
シャッターを ....
お空の上にある二つの光
彼らが出会う瞬間が好き

太陽さん忙しかったでしょ
ご苦労さん

そうなんですよ、お月さん
今日は本当に大変で
今から休憩に行ってきます

そう言って二人が ....
好きなことは好ましいけれど
好きなことをしているだけでは
時間が進んでゆくだけで
自分は進んでゆかない

楽しいことは楽だけど
楽しいことだけをしているだけでは
身体が進んでゆくだけで
 ....
「春は すぐ そこですよ」

通りすがりに 誰かが私に 声をかけたのです。
私は 驚いて辺りを 見回して そして誰も私を 見ていないことに 首を傾げました。

春が すぐそこだなんて ま ....
 どうしようもない風に吹かれて
 立ってもいられず
 ただうずくまっていた青春
 何度も何度も悩みのサークルを
 ぐるぐる回り続け
 周りには妖怪、悪魔が徘徊し
 ドアの向こうに絶望を ....
真実は二次会にある
アンパンマンとばいきんまんも
水戸黄門と悪代官も
きっと誰も知らない所で
「お疲れちゃーん!」とか言って乾杯しているに違いない
演技だからとかじゃなくてマジで。
黄門は ....
人は
他人の幸せはよく見えて
自分の幸せはよく見えない
もしかしたら
他人よりもずっと幸せなのかもしれない

だから
自分が愛する人を
自分よりも幸せにすることが
自分を幸せにするこ ....
{ルビ梔子=くちなし}の満開の下へは
決して近寄ってはいけない



『クチナシの木の満開の下』




子が出来ぬ
という理由で離縁された女は
梔子の花しか食べられなくなった ....
粉挽きの風車の家
屋根裏で
ほこりまみれの古い本を読んで
知らない国の知らない言葉を見つけては
お父さんに読み方を教えてもらう少女
小さな窓から覗く世界は
どこまでも草原で
ためしに口笛 ....
えのぐのあじがする
と、遠ざけられた皿には
白いドレッシングのかかった
シーザーサラダが
盛られたかたちのままだ
野菜も食べないと大きくなれません
と云われて
娘はふくれている


 ....
今日一日を生きることで
精一杯だったので
寒い日だったことは覚えているけれど
空が透き通るような青だったかどうかは
わかりませんでした

今日一日を生きることで
精一杯だったので
温か ....
わたしがその昔
まだ若くて
眠り姫だった頃のお話

お父様は
わたしの婿選びに
わたしを目覚めさせた者だけが
その権利を得ると各国の王子たちに御触れを出した

わたしは ....
水素原子と酸素原子だけが
一定の割合で結びついてできた水は
確かに純粋な水であろう
綺麗な水なのかもしれない

では美味しいのか
答えは否であろう
純粋な水ほど美味しくない

ならば ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花売り- ぽえむ君自由詩14*07-1-18
つくしんぼう- 恋月 ぴ ...自由詩32*07-1-18
寄り合い- hiro自由詩307-1-18
にぎってみな- 水在らあ ...自由詩31*07-1-18
碧いボール_- 服部 剛自由詩9*07-1-18
置いてきた傘- ku-mi自由詩16*07-1-18
あんなことあったなぁ- 山崎 風 ...自由詩907-1-18
68、天使と悪魔_【てんしとあくま】- 雨宮 之 ...自由詩6*07-1-17
雨に打たれた紙がぼくを見つめていた- ぽえむ君自由詩11*07-1-17
カモメ- 1486 106自由詩8*07-1-17
海の砂- 画竜点睛自由詩6*07-1-17
心は熱く頭は冷たく- ぽえむ君自由詩8*07-1-17
真夜中の刺繍- ロリータ ...自由詩607-1-17
わたしがまだ色になまえがあることなんて知らないころ- 八月のさ ...自由詩14*07-1-17
夢みる自由- 山崎 風 ...自由詩1007-1-17
あかり- LEO自由詩31*07-1-17
僕は僕の夢で回る- ぽえむ君自由詩15*07-1-16
最期の写真家- 蒸発王自由詩8*07-1-16
- 野薔薇自由詩3*07-1-16
束縛が自由を創り出す- ぽえむ君自由詩8*07-1-16
芽吹く- ウデラコ ...自由詩4*07-1-16
俺は変った- 山崎 風 ...自由詩707-1-16
二次会の世界- 新守山ダ ...自由詩14*07-1-16
自分の幸せはよく見えない- ぽえむ君自由詩9*07-1-15
クチナシの木の満開の下- 蒸発王自由詩11*07-1-15
風車のある風景- 夕凪ここ ...自由詩10*07-1-15
ファミリーレストラン- 佐野権太自由詩36*07-1-15
精一杯の一日なので- ぽえむ君自由詩10*07-1-15
眠り姫の目覚め- なかがわ ...自由詩5*07-1-15
純粋な文章ほど美味しくない- ぽえむ君自由詩15*07-1-14

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