禁忌は真っ白にほどけてゆく
きらきらと
あたりいちめんにひかる黄砂
爛れてゆく頬に
焦げ縮れてゆく髪に
明るくかがやくプルトニウムをかざろう

これで終わりなのだから
やり直すこともな ....
「おかあさん、そとがさわがしいね。
「冬と春がおすもうをとっているのよ。
「ふーん、どっちがつよいの?
「そうね。
 まだ寒いから、冬のおすもうさんかな。
 でも、さいごは冬のおすもうさんは ....
挨拶は「今晩は。」
説明のつかない虚ろな景色を背にして二人は遊ぶ
逆回転のカタツムリの殻ばかり集めるコレクター
「薄紫の笑顔が特徴的です」
君が見る夢はいつも捩れて歪んでる

し ....
鳥の名前を覚えることから
始めようと思うの
と、その人は言った

たとえば、つばさを一瞬たたんで飛ぶ
あの鳥の名前を覚えたら
あの鳥はもう
見知らぬ鳥ではないでしょう?

さらりと雪 ....
誰かを抱きしめたくて
たまらない夜がある

互いの名前は知らなくていい

腕の中に温かい吐息を包んで
言葉で何かを交わすような
優しい気遣いはいらないから

飽き果てるまで貪り尽くし ....
全ての旅立つ人のために

***

湯気を立てているお茶のカップと
小さく開いた窓から差し込む朝の光と
四月の風に揺れる薄いカーテンを
置き去りにしたままで部屋の鍵をかける
 ....
橋はもうないのに
人は渡っていくのだった

橋の向こうには
もう誰もいないのに
それでも会いにいくのだった

いつからか
橋を渡り終えると
振り向く癖があるように
あなたは
バラのような記憶を抱いて
荒地の横を過ぎる
長い影を連れて
彼方に
コスモスの群れ
秘かに
許されて在る
今日という日を讃えよう。
千両梨の
胸のつかえはすこし緩んで
いよいよ白線の前に立ちました
ようい、どんのピストルの音で
きっとぱあんと弾けるふうせん
いつかは開けなければいけないドアの前で
自由落下を待っている
 ....
今朝

うぐいすの声をきいた

誰かが

空の窓をあけた
空の裏側に世界がある
もうひとつの
僕らが生きた
かつての空がある

悲しんでる
そこで死んで
ここで生きてること
彼らは何も知らない

開けっ放しの
誰もいない窓の外
子 ....
  やさしさに躓いて
  長い冬はセーターを編む
  遠ざかる音楽に耳を澄ませば
  寒さのなかにあのひとの温もり



  息苦しさは募りゆく
  はっと目覚めるコーヒーの朝 ....
わたしたちは 底悲しく
わらいあう
そして指をつなぎあい
小径をゆく

菫の花がそこかしこに
ふるえるように咲いている

わたしたちは 歩きながら
優しげに 言葉を交わす
でも気づ ....
果てのないような冷たさの
季節にあって
白い六角形の粉末は
人間の傲慢を
目覚めさせてくれるようだ

横に吹き荒れる風を友にして
人の造った灰色の道を
埋めつくし
道と道でない境界線 ....
あの古い家の二階の窓に
いつか見た雲が流れてゆく
雲はいつもあの窓に吸い込まれ
戻って来ない日を数える
そっと指折りをする


窓ガラスに昼の陽がさして
辺りはぱっと明るくなった
物 ....
ピアノを弾いてよ
僕の 僕だけのために
君の細い指が白と黒の鍵盤を行き来する
その姿を眺めていたい

ピアノを弾いてよ
僕の 僕だけのために
君の細い指が紡ぐ
愛の賛歌を聴いていた ....
公園でパンを
食べていると
Justiceと書かれた
Tシャツを着た
欧米の人に叱られた

大地にパン屑が
こぼれているじゃないかと
顔を真っ赤にした
欧米の人に叱られた

夕方 ....
こころを一部
切り取った

切り取られたこころ
わたしを離れ
苦しそうに跳ねる

しかしまたすぐ
新たな血管が生まれ
弱々しくはあるが
規則正しく
収縮し始める

もうわたし ....
「取れないのよ」
薄紫の煙草のけむりのような輪を
月桂樹の冠みたいに
ぐるり と頭にのせて
隣りの席でカノジョがボヤいている


アノヒトのことが
頭から離れないと言う


そう ....
あれは土星です
あれは金星です
あれは三日月。

東の空、地平線の近くに
水星が太陽に寄りそっています、
地平線の下にしぶる太陽を手招きしています。

太陽が顔を出すまえの
冬の朝の ....
{引用=お月さんいくつ じゅうさんななつ}

月齢は十一、
若潮の波、明け方の空に低い低い月。
月齢は十一、
大きく切り分けた夕張メロン。

{引用=あの子を産んで この子を産んで
だ ....
ひとは指折り数える

その日の訪れを確かなものにしようと
指を折り
心に刻み込む
自らの身体に刻み込む

いつの日か死は必ず訪れることを知っている
それでも
死に往く日まで知ろうとす ....
風のおとがすると なつかしい気分になるの
音もなくしずかに駆け抜けていった季節

雪がふりやむと なつかしい姿がうかぶ気がするの
しづ心なく 舞い落ちていた あの桜の花のように

シンセリ ....
噴水のそばでは
アビリティーが無効になります
仕事の話はやめましょう
大声で電話しながら歩いている人
あなたの内側を掃除したい


 2004年11月23日制作の上記「噴水の話」から、昨 ....
息子を公園に連れていって
一緒に滑り台で遊びながら
あんな時もあったな
なんて思う日がくるんだと思う

仕事が忙しくて
一緒に遊んであげられなくて
お父さんきらい、なんて
言われた時も ....
乗っている飛行機じゃなくて
遠くを飛んでいる飛行機が落ちる
夢を見た

空は高くて
青空には白い雲
飛行機って雲の上を飛ぶのだと
知ったのはもちろん初飛行の日だったけど

たくさんの ....
夢のなかの
無口な祖父のように
窓が
そっと近づいてくることがある


いつも同じ景色ばかり見ている
だから
無表情のままで
風のような息をしている


私は窓を見る
いや  ....
垣根の灌木の枝は
年じゅう好き勝手にのびるので
つい気を抜くと
目も当てられない状態になる
裁断ばさみで
枝を切り落としながら
つい考え事をして
ざっくり切ってしまうと
枝のあいま ....
人は
二本足で歩く

不安があると
片方が立ち止まり
もう片方は
少し先で待っている

希望に向かって
息を合わせて
前へ進む

立ち止まる
その向こうにも
二本ある

 ....
ハープが奏でられる

悲しみが音をたてるようだ

ちいさな背中がふと揺れる

きみは灰色の途をゆく


とぼとぼとした音色を

にぶい光のなかに見つける

ぼくはきみを見送ろ ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ハ長調で破滅を唄おう- 佐々宝砂自由詩708-2-26
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名前を覚える- 北野つづ ...自由詩11*08-2-25
抱夜- 一筆自由詩1*08-2-25
卒業- Utakata自由詩508-2-24
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ある日- Etuj ...自由詩108-2-23
創書日和「月」_臨月- 北野つづ ...自由詩3*08-2-22
どこかで誰かが- yo-yo自由詩8*08-2-22
空の裏側- 小川 葉自由詩308-2-22
セーター- 草野春心自由詩108-2-22
菫の小径- 塔野夏子自由詩9*08-2-21
白い地平線- 乱太郎自由詩22*08-2-21
- 石瀬琳々自由詩18*08-2-20
ピアノを弾いてよ- はるこ自由詩708-2-19
世界について- ニカコイ自由詩24*08-2-19
ポケットにこころ- こゆり自由詩7*08-2-18
環状感染症候群- 渡 ひろ ...自由詩18*08-2-18
冬の朝の出来事- 寅午自由詩208-2-18
お月さんいくつ- 佐々宝砂自由詩308-2-17
数えるひと- 恋月 ぴ ...自由詩28*08-2-17
シンセリティ- いすず自由詩6*08-2-17
●そろもん(あとがき)- みつべえ散文(批評 ...4608-2-17
日々の隙間- 小川 葉自由詩808-2-17
落ちてくる- チアーヌ自由詩2+*08-2-15
- yo-yo自由詩7*08-2-15
- アンテ自由詩708-2-15
- 小川 葉自由詩208-2-14
ひかりの翻訳- 吉岡ペペ ...自由詩208-2-14

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