窓を開けると
蝉の嵐がどっとなだれ込んできた
熱風のかたまりを大きな捕虫網ですくい取る
いっぴきの夏を追いかけたまま
少年の夢はなかなか覚めない

布切れで父が
細長い袋を作った
針金 ....
サイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んで行く」を聴くたびに
南米インディオのフォルクローレである「花祭り」を連想する
ケーナのここちよい響きにつつまれた僕にとっては幸せな楽曲である

スペ ....
『蝉大合唱』

夏空に響き渡る
蝉の大合唱
耳が汗かき
体感温度2℃上がる



『蝉爆弾』

マンションの外階段に
蝉が落ちていた
そっと跨いで通ろうとしたら
突然!
 ....
「おーい おーい」
と誰かが大声で呼んでいる
ドラッグストアの狭い通路

こんな時 こんなところで
大声で呼ぶ声なんぞ
知らない人に決まっている
振り返ってはろくなことは無い
と知 ....
いつかわすれたうたが
君のくちびるにのぼったら
一艘の舟がこぎだすだろう
夕陽の海へ 雲のかなたへ


 (そして、振り返ることもなく)


いつかわすれたうたが
君のなみだにかわ ....
ちいさな夜想曲を想う
ドイツの作曲家でもなく誰かの

こころはとめどなく夢をさまよう
意味もなくいきているような
きもするのだが

いつでも永遠を信じて生きていようとおもう

体はく ....
産まれた国は戦争していた
父は軍人にしようと思ったかどうか
まるまるとした数え三歳のぼく
金モールの軍服姿 
腰にサーベル 右手に千歳飴
ギラギラと輝いた眼が
見ていた未来は何色だった ....
風をたくさん挟んで
送り出す
君への便り

いつまでも止まらない翼は
想い出を回し続け
空に漣を描いていく

今日あった小さなぶつかりは
すぐに修理できるから安心して欲しい

 ....
もう止まないかもしれない
そんな雨が降りつづいている
街も道路も車も人も
みんな水浸しになっている
ほんとに誰かが
大きなバケツの水をぶちまけたのだろうか
梅雨の終わりの最後には
雨の神 ....
猫抱いて
布団にもぐりこんで
旅に出る

砂漠を越えたら
乾いた風

砂丘の向こうに
もうすぐ海が見える

猫と私と
長い旅のシエスタ  
五段の醤油団子と七段のあんこの団子の
櫛が五本並んであって
隠れた山葵入り団子を探してみる
こころにもないものは
不味いものだと教えてくれた先生は
いまはいない
和紙に乗っかって
上 ....
お気に入りの
Tシャツの上で
猫が寝てる

どいてくれって
言いたいけれど
言えなくなった

ただの居眠りのくせに

そんなに
幸せそうな顔するなよ
さくらさくら、さよならだけを待っていた花びら散ってエデンの彼方


はつなつの門をくぐってアルカディア永遠の君へ薔薇へ旅する 


夏草を裸足で踏んで逢いにゆくシークレットガーデン君は
 ....
梅雨空の悲鳴
私の空はやけに立て付けが悪い
私は有無を言わさず空を閉じる
天国など空から見えるわけもなく
ただひたすら空は鈍色だ
君がどの辺(あたり)に上ってゆくのか
風が吹いている
ダ ....
自然にできたグループに分かれて
植民地時代のボストンの街並みを色画用紙で再現している
春陽に包まれた5年生の教室

その穏やかな空間に一瞬そよ風が吹いて
支援クラスに行っていた娘がひらりと入 ....
五感に塩漬けされた記憶の味が
酸っぱくなってゆくようだ
母は既に亡くなり
カビの生えた世間知らずの正義と理想を
空は紐で繋いで晒し者にする

生温い風に扇がれて
都会のビルの間で尾鰭を振 ....
あなたを焼く炎は
煙さえ立てることなく
空に消えて

後には
黒枠の中で
ほほえむあなただけが
残っている
  
空に
光りの砂 
さざめき

大地に広がる
夏草の波
 ....
こころに海が在る
潮騒もときどききこえてくるし

いつかのくちづけも
深いうみの香りだった

瞳にうつる雲をとらえようとしても
いつのまにかかぜに溶けてしまうから

つねに移ろうもの ....
生きたいとつぶやいて
誰も聞いてはいない
つらいと叫んでみても
塞がれてしまう善者と呼ばれる耳

もう話す気力もベットから起き上がれず
吐く息だけが孤独を慰める
君の願いは
死の恐 ....
パパあれみて
ジャンボがあるいているよ

ねえねえ みてみて
けむりがおててつないででているよ

ようやくことばが使えるようになった息子ははしゃぐ

何時か 
ジャンボが滑走路に ....
わたしは海の月
波間を漂うお月様の影です

仲間があなた達を刺すこともありますが
JAWSほどの脅威でもないので許してやってください

ときどきあなたがたの住む都市という
人工世界を ....
雨上がりのそら
草原に敷かれた鉄路
長大な貨車を曳く機関車が
ゆっくりと風景をよこぎってゆく

産業革命をささえた心臓が
風景のなかで鼓動している

そんないまではめったに在り得ないシ ....
さかなの匂うまちから 黒い袋を抱えて
私は電車の座席にすわっている
黒い袋をおさえて
乗客の視線が私の膝の上に集まっている
おさえても おさえても 黒いゴミ袋が飛び跳ねるのだ
まだ生きている ....
僕にみずみずしいコップ一杯の朝をくれないか
活力に満ちた生みたての卵のような生命を

天のフックから吊るされたマリオネットのように
きょういちにちを微笑んで過ごしたいから
おはよう



僕のベットの隣に君がいる
肉と皮を蒸発させた君がいる
地上に置いていった骨だけの君がいる

ろうそくの炎が揺らめいている
数本の線香のか細い煙が揺らめいている
僕の ....
にゃあんばらやんや
まみゅうまみれんぼやあんあ
しゃしゅうしょすはらみんみん
にょうにょううううう


だめだ、早まってはいけない
落ち着いてそして振 ....
昼下がりの
うすむらさきに藤がひかる
森で
少女は見知らぬ少女と出会った


目を閉じて 見知らぬひとと
わたしの森を過ぎてゆく
風、


心臓の音だけが聞こえるでしょう
唇と ....
中学生になってはじめて学校へ行った日
いくつかの坂道を登り下りし
いくつかの集落を抜けてたどり着く

坂道は辛かったが 
ところどころに桜が花をつけていて
気分は悪くなかった

集落は ....
遥か雑踏を離れて
孤では在りえない存在を確認する

収拾のつかない順序をゆっくりと整理する
いきることは水底をしらない漣

序連で奏でられていた通奏低音は
変化しまどろみ羽化すべき朝を
 ....
拝啓、冷蔵庫様

長い間ご苦労さま
十六年間、寝食を共にした
おまえが逝ってしまい
わたしはとても寂しいよ

突然のお別れだった
何だか、冷えが悪いと思っていたら
冷凍食品が自然解凍 ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の少年- yo-yo自由詩6*15-8-8
花祭り- 梅昆布茶散文(批評 ...715-8-5
【_蝉_三詩_】- 泡沫恋歌自由詩15*15-8-2
「おーい_おーい」- イナエ自由詩15*15-7-31
いつかわすれたうたが- 石瀬琳々自由詩5*15-7-22
電波時計- 梅昆布茶自由詩1515-7-16
サーベルと千歳飴- イナエ自由詩10*15-7-14
風車- 乱太郎自由詩16*15-7-10
雨が降りつづいている- yo-yo自由詩7*15-7-4
シエスタ- ガト自由詩315-7-3
短歌- 乱太郎自由詩10*15-7-1
Heaven- ガト自由詩315-6-25
シークレットガーデン- 石瀬琳々短歌2*15-6-24
挽歌- ……とあ ...自由詩10*15-6-24
ものさし- 夏美かを ...自由詩37*15-6-24
六月- 乱太郎自由詩11*15-6-22
夏草- イナエ自由詩21*15-6-20
- 梅昆布茶自由詩815-6-17
弱者は死ぬしかないのか- 乱太郎自由詩10*15-6-16
おはなししましょ- イナエ自由詩8*15-6-10
海月通信- 梅昆布茶自由詩1615-6-5
ロコモティブ- 梅昆布茶自由詩1215-5-27
黒い袋- 島中 充自由詩5*15-5-26
朝のマリオネット- 梅昆布茶自由詩1415-5-25
平成27年5月13日早朝- ……とあ ...自由詩16*15-5-25
コミュニケーション2115_(四行連詩)- 乱太郎自由詩8*15-5-23
藤のからまる森で- 石瀬琳々自由詩12*15-5-21
戦慄- イナエ自由詩12*15-5-19
桜の散り染める夜に- 梅昆布茶自由詩1915-5-15
【_拝啓、冷蔵庫様_】- 泡沫恋歌自由詩20+*15-5-7

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