(暗転)

して突然明るくなった部屋には
一体の死体
もちろん部屋には内側から鍵が掛かっており
完全密室殺人事件

窓枠の中の夜空には
取って付けた様な満月
(なぜ夜なのだ)
 ....
ぼくの命のともし火が消えるとき
ぼくはぼくの身体を南極の雪と氷の世界にうずめたい
あの長たらしい弔いの儀式に
窮屈な棺のなかでつきあわされるなんて、まっぴら
あげくには数千度の炎にやかれるなん ....
これって本物なの?

私の問いかけに彼は口元を僅かに歪ませながら首を振った

遊びに来ないかとでも誘われたのだろうか
今となっては定かではないのだけど

大手町あたりで待ち合わせ丸の内線 ....
なきながら翼広げる影のあり雲間にもえる鳥のまぼろし


胸破り飛ぼうとするか呼子鳥光を背負いこだま待つ空


その薔薇を朱に染め抜いてわが小鳥囀る歌よ棘も忘れて


夏至の夜火を飼い ....
避暑の家の涼しげな夏草の茂み
その影もまた深い碧に沈み、
淡く邪気ない木漏れ日が窓辺を揺らしていた
暗い六月の雨をしっかりと含んだ土の濃さが匂いたち、
やがて腐敗へとつづく露骨な大地のプロセス ....
みんな、この瞬間を待っていたんだよね

アナウンスに促され彼がリンクへ登場すれば
黄色い歓声とともにスタンドのあちこちでロシア国旗が打ち振られ

う〜む、ここって日本だよね

高田馬場で ....
ゆらめいて
いくつもの色がゆらめいて
地上に暮らす僕は
少し先の陽炎に
夏を見る

そうしているうちにも
流れてゆくすべてが
今日を何処かへ運んでしまうので

僕は何か大切なものを ....
そのまま
動かないで下さい

手にした花を慈しむ
その横顔をまだ見ていたい

そのまま
どうかそのままで

緑の木々に佇む姿
風になびく柔らかい髪

それはまるで一枚の絵のよう ....
真っ白な紙をたくさん束ねた
大きな自由帳をもらった
どんな色を使ってもいいけれど
必ず自分で決めなさいと言われた

罫線もマス目も何もない
分厚い自由帳をもらった
どこへ持っていって ....
耳を立てて
虹の匂いを嗅いでいる
そのとき
雲を背負って
ぼくらの原始人が現われる


原始人はときどき血痰を吐く
ひそかに獣を食ったのかもしれない
あるいは体の中に獣がいるのかもし ....
かんかんかんかん
かんかんかんかん
赤い光の警報機
降りる遮断機の
その先は
急行電車が
飛んで行く。

かんかん手を振る
二歳の子
電車を見ながら笑っている
夕日はとっくに夢の ....
 なき虫であっても
 なく虫ではなく

 よわ虫であっても
 つよがる虫なのである

 にがり虫に似た
 にがい顔で
 本の虫は点とり虫というが
 てんとう虫はほんらいお ....
買ったばかりの缶コーヒーを
首筋に押し当てながら
見上げる空

千切れた記憶の尻尾が
光りまみれになって
流れていく

街路樹から降り注ぐ蝉の声が
身体をすり抜けようとするから
何処かが痛い

流れ ....
い、痛くないの?

男のひとの満足げな顔って決して嫌いではないのだけど

京急立合川駅って普通電車だと運転免許試験場のある鮫洲駅からひと駅
競馬の好きな方なら大井競馬場への最寄駅で通り良いか ....
わたしは眠る
何処に

毎夜訪れる生贄の儀式
わたしは焼かれて
再生させられているのかもしれない
夢を往復するために
いや
目覚めこそ幻覚
わたしは起きている感触 ....
君の鎖骨の裏側から
湧き出る清らかな水は
僕の思い上がった左手には
少し冷たかった

君の脾臓のほとりで
青白くひらめく魚は
僕の遠視ぎみの右目には
少し痛かった

お願いだか ....
きっと世界は
音と手を取り合って結ばれている
僕の中で
聞こえてくるのは静けさ

初めて世界に触れたとき
教えてくれたのは無数の音の生まれ変わり
そのときから
僕は独りを知った
 ....
 淡雪は炎のように降りつもりきみの素肌の灼熱を知る



 凍蝶の滑り落ちゆく黒髪にかかる吐息は結晶化して



 性愛の天を凌いで伸びる蔓 凌霄花は空にまみれ ....
本当のかなしみを知るひとは
かなしみのあり様をあれこれと邪推せず
涙で濡れた手のひらにあたたかな眼差しを重ねてくれる



本当のかなしみを知るひとは
ひとの過ちをあれこれと論ったりせず ....
 
横断幕を掲げて狐の団体が行進する
サクラマの山を下って
ミソグスの河を越えて
ブヒタナの街で尻尾を振って立ち上がる

嘖嘖 即即 黙黙

僕はヨシコと昼食の約束があるので
空に向 ....
崖っぷちに建つ古びれた館のまえで、サイボーグの首なし馬車を降りた。
死神博士の案内でオーロラの門をくぐったとき、人魂ならぬ様々な色形のプラズマライトが宙を舞い、そして仄かに灯って私の足元を照らした。 ....
バケツをひっくり返したようなって言われても
ピンとくるわけじない

ひところ軒先で騒がしかったツバメの巣はいつの間にやら静かになっていて
育ち盛りと餌を催促してた雛たちは
ハーメルンの笛の音 ....
夏の朝
水蒸気の味

浜木綿の花が
手を繋いで作った
輪っかから

ヤマトシジミ
ヨロヨロ
飛び立つ

夏の雲
薄荷の匂い

忘れかけていた
青臭い記憶が
鼻先で弾けて

夢遊病者の影
ジワジワ
溶 ....
雨上がり

つい油断をしていた

はっ と気づいたときには
何とも無防備にも程があることか

足元に
空が落ちて来ていた

私は見て見ぬふりして
横を通って来たけれど

あのあと
ちゃんと自分で帰れた ....
あなたのくちびるから海がこぼれる
塩からい水が胸を濡らすから
わたしは溺れないように息をする
そっと息をする


空の高みが恋しいと指先をのばし
両手を広げてみるけれど
あなたの海が追 ....
おはよう
君の声が聞こえただけで
こんなに朝は踊るよ
眩しいのは
陽射しが口笛吹いているから
朝露垂れて木琴を叩く

こんにちは
君の笑顔と弾んだ君の声
僕はおかげで嬉しくなって ....
君の車が
私の家に近づく
雨のドライブ

ルーフを叩く雨が
金属の音を響かせて
雨の激しさをしらせている

信号は赤
君が無言のまま咥える煙草
かちりと音がした後の
一息目のため息に
はっとしたように ....
ダイエット目的にはじめたジョギングだったはずなのに
夢はホノルルマラソンなんて張り切っている

フルマラソンって42.195kmも走るんだよね

あの子の精神構造ってどうなっているんだろう
 ....
オルゴールの音が止んだ
世界は 静寂と暗闇で満たされた

行き場を失った悲しみは
僕の中で ぐるぐると巡る

『あの高い塔に登ろう』

君が好きだった
この街の景色を
もう一度見よ ....
開け放たれた窓からは
初夏の高台から望む
雨上がりの小さな街が一望出来る。

マッチ箱のような小さな家には
色とりどりの屋根が
張り絵のように
斜面にへばり付いている。

空は真っ青 ....
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