わたしは 常時(いつ)も香っていてあげよう
発酵した 上質のワインのように
ふわふわ ぷかぷか
君たちの家に 漂っていてあげよう
「わたし」を嗅ぐだけで 毎日君たちが
ああ やっと帰って来た ....
「強い子だから大丈夫だよね」


言われるたび弱さを隠すようになった

それは強さなのかな?
あの頃は
生まれたばかりの気分でいたけれど
あの頃の僕は
生まれてさえいなかったのだと
思う

もしかすると
こんな僕も
未だ知らないところで同じように
恥ずかしそうに
解ける ....
あなたにメールをおくったあとは
ねこのさかな
ぼくのけいたい

ぎゅっとにぎってつかれちゃう
から
ゆかにおく

しばらくしたら
ぼくはせいざ
けいたいに むかって
のぞきこんで ....
低い雲が覆い隠す
放牧場のある丘には
みっつの風車が立っている
ぎゅおん、ぎゅおんと
海にむかって唸って
いるはずの刻
{ルビ霞=かすみ}のように薄い雲が
まわっている時間を
見えなく ....
今朝のおまえの目が
あんまり緑だから
どうしたって聞くと
やっぱり風邪だ

普段体調がいい時は
緑に茶色が散っている
水の底に見たブナ林のような
おまえの目

それが濃い緑に張 ....
知らない雨が通り過ぎて
心音だけが聞こえる部屋に
やっぱり私は取り残されている、のかもしれない

何かが去って
その声が聞こえて
足音が混ざり合って
雨の
ぱたんぱたんと
庭に置き去 ....
さあ 風よ どうぞ 吹いて来て下さいな
あの懐かしき日の夕べの面差しのまま
少し寂れた けれども優しい雰囲気と
そして たおやかでしとやかな その仕草で
わたしの両肩に止まって見て下さいな
 ....
ゼロからの徒歩
                           {引用=「ちょっと休憩」}
かき混ぜるスプン
スープはさめた
温めなおしはいかが

ミンと名づけた靴
スイと名づけた ....
今黎明のさなか

我PCに向かいて

タイプする一編の詩

雲は厚く街を包み

いずれ雨になり

小川の幅も広くなり

水鳥は浮かび

鵜は水に潜り

鷺は川面を歩く
 ....
男を好きになる度に
彼女の体から火薬の匂いがするの


情熱はジリジリと 
へその下から入り込んできて
体中を燃やして行くのよ
 だから いつも
骨の焼ける匂いのする
彼女の手を ....
ばったり くまにあいました

くまがあんまり
まっくろいので
ぼくは
なんどもなんども
「めをぎゅっとつぶってあけてみる」
ということをくりかえしました

くまは
どこまでもまっく ....
 晴れた日には
 
 心に色を塗ろう

 想うがままに


 青空の色

 何重にも塗り重ねて

 空の色に近付ける


 光を散りばめるように

 君の唇を

  ....
同じ

長い、長い道を
ひとり 歩くと
延々と 長く 退屈に感じるのに

ふたりだと
楽しく 早く 辿り着く

なぜ?

ふたりで 歩き始めると 決めた


あのとき あな ....
わたしの中に棲む鬼が
すっかりいなくなったわけではないだろうに
心はずいぶんと穏やかで
すべてが夢であるかのような気さえするのです


病院の自動扉を抜けると同時に
曇天から吹き下ろされた風が
湿 ....
風をつかもうとして
草をちぎってしまった
てのひらが

鳥を呼ぼうとして
こんちくしょうと叫ぶ
声が

心のかたちを確かめたくて
君のからだを抱きしめた
腕が

今夜もずれてい ....
わたしとしては早く終わって欲しいのに
あなたはまるで厳粛な儀式に望む
いんちきくさい司祭のような面持ちで
わたしのかたちを確めてみたり
わたしの知らないかたちで動こうとする
ふだんと違う表情 ....
海鳴りは遥か遠くでさざめいて 
波間に浮かぶ言霊たちは 
いちばん美しい響きを求めて 
たがいに手を伸ばしあう 

砂浜に打ち上げられた巻き貝は 
もはや亡骸となり果てて 
右の耳に ....
舗装された過ぎた道路は西に伸びる
隠された向日葵の種は
次はいつ芽吹けばよいのかと
首をかしげ
夏は立ち尽くしている
都会育ちの猫は
酷い体臭を払い除けながら
夜を寝床として
彼の恋人 ....
 手のひらに乗るように小さな赤ちゃん

 まだまだ立って歩けましぇん
 まだまだオムツをはずせましぇん
 まだまだお口がきけましぇん

 そうです
 あなたは生まれてきたばかり
  ....
このせかいで
あなたに あなただからあえてよかった
そう いえるべき おもいあえるあいてを
さがしもとめることが いきること だと
そっと いいきかせてみる

まえのめりに へこたれ くず ....
机の人がいた
脚がついてた
幽体離脱の
練習の真っ最中だった
汗をかいて
それでも手を振ると
余っている方の
手を振ってくれた

(2006.6.19)
世界中の風を収集すると
古い書物から頁が捲られてゆく
幾つもの考えは
風の形になる

ベドウィンのテントに吹く風
サーミのテントに吹く風
敦煌の砂に吹く風

風を折るように
また祈 ....
あぁ いつか
「君の可愛いトコが好き」
そうあなたが言ったから

皺になっても
白髪になっても
可愛いトコだけは失くさないでおこう って
心に決めてたのに

可愛いトコって
なんだ ....
ぼくは木の中に入っている
木の川を探すためだ

ときどき木の外から
娘がこんこんとノックする

お父さん、
川は見つかったの。
と声がする

う〜ん、水が流れる音 ....
薄青色の透明な空に
白い大きな鯨の尻尾
鯨は自由で気まぐれだから
日が昇りきる頃にはもう
どこかの国に泳いで行くんだ
でも優しい鯨のことだから
また会いに来てくれるだろう
僕の吐いた煙を ....
君の目が 向こうを見るその隙に そっと贈ろう{ルビ無音=くちぱく}の「好き」 #31

 言葉は
 無力ではない

 あなたの
 言葉が
 無力なのだ



#32

 今日は
 どこにも行く気がしないし
 なんにもしたくないから
 携帯電話の電 ....
風呂に入るとなめくじがいた
たいていの人はここでキャーあるいはギャーとなって
塩か砂糖か胡椒か何かを持ってきて
ヤツを殺しにかかるのだろうが
俺は別段気にならないし
こんな生き物でも殺すのは ....
立ち位置を、探している。
いつまでも見つからない、
足の踏み場を。 

もしくは、
消えてしまった君の幻を
抱きしめる、
世界の中心を。 

人波の川が流れゆく
この街の中で、 
 ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
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