不自由なペンが
真っ白い紙の上を暴れるとき
あなたは
見たこともない景色を見るだろう

インクを調整しやすい
それだけのひと
わたしは
それだけのひとになった

利かないものは ....
さよならの中に余っている
わずかな約束の匂いは落ちていく
雨はバチバチと乱反射して
奥歯の痛みがじんわり酸い
外界のこだまは身体より明日へ


ずっと探していたのに
もう通り過ぎる ....
『詩を書いてるんだ』
そう言って彼は私に詩を見せた『家に帰ってじっくり読むね』と言ったものの、感想が送れない


内側を見せてくれたはずが、というかだからこそ、簡単に返事ができずにいる
実家に帰ると
母は今の母で
わたしが思っているお母さんとは違う
いろいろあったもんね
川の形だって水の流れで変わるんだもんね

でもわたしの頭のなかのお母さんはやっぱりいつも不幸で
あた ....
水族館が好きだった
おおきな魚が好きだった
わたしはまだちいさくて
背伸びして水槽に額をくっつけた
ガラスは冷たかった
わたしの目を奪う
彼の名前をわたしは知らなかった

ピラルクーが ....
ぶつけたいけど
外側のリングは光ることに疲れて、きえてしまった。
何か言いたくて
思いはぐしゃぐしゃに
胸ばかりドンドンして
眠れなくなる

湿ったバラードにはなりたくない
そんな一心 ....
正しい答えを選ばなければ
君は名前を失うだろう
詩を書こうなんていうのだから
さぞかし自信があるんだろう?

ここは平らなマムシの背骨で
掃き清められた黒い山脈
水の流れる音ばかりが
 ....
わたしのいない
裏庭に
あなたはたたずみ
目をふせている
どうしようもなく
空は青く
植えた梅が
白く 一輪、

いのりは光によみがえり
幽かにささやく
くちびるは繰り返す
け ....
一度きりあった
あの年の冬日和の空を
見上げた
雪深い底では私が眠っていた
春を待ちながら
かたい殻でおおった種子だった。
銀世界の予感の中心で
熱く流動する硝子のように夢を見ていた。
 ....
たわむれに
   花の音
      風の色
   君のまなざし
      この胸に滲むよ
   からみあう
あやとりのように
   指と指
      結界して
   たわむれに ....
乱視の月を
綺麗に見てみたいから
眼鏡をかけて
見上げた蒼い夜空
望遠鏡でさらに探る
月って
こういうものなんだ
なんだか
そこまでしてはいけない気がして
いつも乱視のままでいいやっ ....
透き通った青の天井見つめて、
寒空の下
薄いボロボロの服を着て、
その子は寝ている。
大きく目を見開いてその子は眠っている。

チェマダンの往来の真ん中で、
一人のコッチョビが眠 ....
ガモラーゼがやってきた
予言された通りやってきた
上弦の月夜霧が晴れたらやってきた
ガモラーゼがやってきた

足音が聞こえ私は飛び起きた
窓から顔を出すとガモラーゼはすぐそこだった
ニキ ....
フレデリカ、日々は
青い円筒のかたちをしている
耳栓をきつくしめて
きみのための水泳をつづける





硬質なつめたい水面にはじかれるのはよわいこころだ、よわいこころだときみが ....
mustの集団ヒステリーが
さびしい冬には 堪えるから
こたつ があったかい
西も東も今も昔も
全部忘れたいなあ
閉めきった六畳一間に身を潜めて
ほどよい温さに
とろんと 分からなくなっ ....
あなたがあたしの
ほっぺたかくちびるを
だまってさわるのは合図

あなたがあたしの
ふくらみやへこみを
さすさすするのは合図

あなたがあたしの
顔のとても近くで
ねたふりをするの ....
紅葉があんまり紅いから
メールを送ってみたんです
紅葉があんまり紅いから
安心するんじゃないだろかって
紅葉があんまり紅いから
やさしくなってみようかなって


良く撮れた
 ....
きれいなお化粧を落として
むらさき色の涙が
純白のはなびらを呪うように
ぽつぽつと流れていく
「檸檬をかじったり
桃を剥いたりするような
みずみずしさはだめなの
くちびるにハチミ ....
もっと話を聞かせてくれませんか

そうしたら、
あたしは、言葉のあいまに置かれた
なだらかな読点【、】に背をもたせ、
気まぐれに口をつぐむあなたの 数知れぬ句点【。】の
小さなその ....
ここには点灯した
叫びと蛍が浮遊しているから
指をちぎる
さわりませんように
あなたにこの文字を見られないように

舌を噛んだまま
呼ぶ
から
そうですよね、
身を破り散りたいほど ....
風になって
笛の音階をたどる
わた雲を飛ばしたり
しゃぼん玉を吹いたり
ストローは麦わら
吸いこめば体の芯が暖色に染まる
祖母のジュース
渋柿も老いた手の魔術によって
とろとろに熟成さ ....

石の
私を
知っている
この道中を 転がるねむりにつくまで
一瞬の銀河を

青いトンボ玉の影は透けて
石と添い寝をする。こんにちは、
樹木の芽の
吹き出る
空気が澄み
口を ....
あまりにもどこも真っ白な
いちめんの雪
道のない道をあなたとふたりで歩いた
あめゆじゅとてちてけんじゃ…
あなたは呪文のようにつぶやきながら
私がすくった雪のかたまりを口に入れた
もしもミ ....
 「みなさんに明日が来ることは奇跡です。それを知っているだけで、日常は幸せなことだらけで溢れています。」
これは「余命1か月の花嫁」のドキュメンタリーの中で出てきた言葉だ。
この言 ....
妻が ショートステイで病院に行って三日目
風呂上がりにひとり ビールをのみながら
幼なじみの山に沈もうとしている夕陽を
パンジーやビオラやパキラやテーブルヤシたちと一緒に眺めている


窓 ....
デクノボウとよばれて

デクノボウになって



ぽかんと
つっ立って




普遍の海から「ソレ」を汲み上げる



筒状のナニカにナリタイ
夏のそらばかりが 身をせめる
南風の吠ゆる 島の岬に
母のかたみの 赤い櫛で
髪を梳く 

罪を乞うでなく
罰をあがなう 身にもあらず

まばゆく うれしそうに
紺碧色に待つ 海 ....
その後のこの期

夢のなかで
私はまだ
逃げも隠れも
している



この期に
およんで
い ....
梅雨明ける片側に傾いているしかないんだね朝のシーソー

野球帽はすに被ってきみは行く夏炎天の田んぼの道を

風多き場所より早く秋が来てまだ夏の日の街をかなしむ

水門はただ待っている秋の日 ....
いつだって
哀しみからもれてくるだろう
一輪のやわらぎを
あたえたくて
それがどんなものか言えなくて
わたしのくちびるは
ことばをなくしていても
温度はあって

空から
ひかりがこ ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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ピラルクーがゆく- 蠍星自由詩7*09-12-1
見つけるひまで- 唐草フウ自由詩4*09-12-1
ここは平らなマムシの背骨- 瀬崎 虎 ...自由詩309-12-1
邂逅_(かいこう)- こしごえ自由詩2*09-12-1
- こしごえ自由詩2*09-12-1
流_連- 塔野夏子自由詩3*09-11-29
らんし- 蒼木りん自由詩509-11-27
花つばめ- Shaka自由詩609-11-27
ある夜に- 智哉自由詩109-11-27
だいすきなフレデリカ- ねことら自由詩909-11-26
ひとりごたつ- やまぽん自由詩209-11-26
すいこまれる- はちはち ...自由詩7*09-11-24
紅葉があんまり紅いから- 笠原 ち ...携帯写真+ ...10+09-11-24
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インサイド- 唐草フウ自由詩5*09-11-20
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八〜十月の短歌- kaeru短歌409-11-3
_- 唐草フウ自由詩7*09-11-3

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