この世は

不完全なところだ

だが、不完全なものを

うつくしいと思えるこころを

ぼくらは持っている
かろやかに
自転車を漕いでいた風は
あの日、突然
吹くことを断ち切られ
いまは
病院のベッドで
蛹となって
眠っている


息することさえできなくて
ときおり
顔を歪め、真っ赤 ....
帰宅する途中
コーンスープの匂いがする
家の前を通りかかる
中から男女の諍いの声が聞こえてくる
少年が一人
玄関の外に立っている
ドアにもたれてただうつむいている
どうかあの少年が
私 ....
互いの心に根をはって
咲いてくる花がある

咲いた花なら散るのが定め
散った花びら互いに撒いて
毒の花でも祝福を

悲しいときには涙を注いで
楽しいときにも涙を注いで
間引いた葉っぱ ....
さあ先着順でございます。
論理的に言えば、早くしないと失くなります。
せっかく理屈から昇華したばかりの
使い捨ての理念だってそうです。
やっとそれらしさを具現したばかりの
あの渇ききった文明 ....
部屋の中は蒸し暑い
狭いベランダに出て
物干し竿と手すりを利用し
布を張り
テーブルと椅子を出して
小さいおうちができました

レモンの鉢植え
ホウセンカ
ハナスベリヒユ
あと、分 ....
植物園まで
はちの子を送っていく
バスは回ってこないから
自転車でまいあさ運んでやる
自由ぐらい自分で守れと
けさ見た夢の話をしながら
ペダルをこいで坂道を登る
はっぱの裏に書いてあるこ ....
いもうとは
もうすっかり大人になって
今ではもう三人も子どもがいる
少女だったいもうとは
母になって
まるでロボットのように
家事をこなし続けている

リビングの隅の
古くさいカセッ ....
君がチョコの包み紙で折った鶴が
私の部屋にいて
羽を休めている
君に置いてきぼりにされて
これからどこに飛んでゆこうかと考えている

触れて離れて
覚醒の夜風は君を連れ去る


 ....
庭先のチューリップに
午后のお茶を
通り雨が 注いでゆく

わたしは
ふたりで おそろいにしようと 云っていた
チューリップの形の ピンクと水色の マグカップを想い出している
砺波の チ ....
りんりん、と
風鈴が鳴る

目蓋の裏に
広がる風景

日本家屋の
優しい縁側

そうめんに
氷を浮かべて

酢の入った
ところてんは
食欲を誘う

かき氷
甘い匂いと ....
ひどい肩こりと不安から朝の4時とか5時に目を覚ましてしまうことが最近多く、本日も、久々の休みなのにたぶん4時くらいに目が覚め、サロンパスを貼り、布団に入って仕事のことで悩んだり腹が立ったりで眠れず、そ ....  心より一切の欲消え去りて青き紅葉の葉は揺れており

 水無月に外郎を求め与えてし母の眼鏡の顔浮かびくる

 さえずりの混じりて聞こゆ玄関の机に田山花袋を読む
あなたを打たせて取りたい
雨の降るデイゲームで

三振はいらないから
たったひとつの直球で
あなたを打たせて取りたい

できれば一回表の先頭打者がいい
雨でそれっきり
試合が終わって ....
自分の趣味で申し訳ないのだけれど、女性の書く詩が好きだ。
女性詩、あるいは女性性を持った詩、とも呼ばれるそれらは、
目に見えているのに決して触れられないもののような気がする。



贖 ....
水温は体を刺していくので、子供たちは明るく冷めて唇の色を変える
心配などないなんて嘘だけれど子供こそこの水温に耐えるのだと
平泳ぎのストロークは長く自由形を越して空をとんでいく
ばた足しかできな ....
目の前で
ひらりと舞い上がって
足跡は空高く飛んでいった

あのひとの足跡も
ひらりと舞い上がった
慌てて両手でつかまえて
背中に隠したけれど私はすべてを知った

行き ....
スーパーマーケットの入口で
マンゴウを手にした瞬間、
子宮が微かに痙攣したのを
見逃すことができなかった
雨の、せいかもしれない
外からは背すじを正すような
水しぶきが響いている


 ....
{引用=



     しうしう、と

沈黙する。 アシッドに。
並んでいる  夜が逃げる、
山羊の、惰性と  六月。
 女の乳房を噛む弦、
  GとFを繰り返す
    挑発 ....
左右されることのない
どんな青とも
向き合えるような雲

その雲はやがて
上下されることのない
ようにもなり

強く弱く笑ったまま
飛んでいく

そんな夢になりたかった
そう長 ....
秋のりんご園では
赤に染まったりんごが
元気にりんりん実っていて

枝は垂れ下がり
重たい実
それに丁度よい枝

葉は光をつかもうと手を伸ばした
あのままの形
その向こうに広がる
 ....
そこには
王様も
お妃様も
王子様も
お姫様も
いなくて

ただ
雲が生まれ
ただ
雲が消えていく

平和かどうか
それすらも
どうでもいいこと
掃き清められた玄関先に打ち水しませんか?

天井にファンをつけても
南国特有の怠惰な湿った雰囲気は味わえない

そう、
空調で管理された夏が
置き去りにしてしまった夏もある

蝉時雨 ....
【おとなのための童話】

あなたは、スキマは好きですか。たとえば、大切な人とのスキマはどうですか。     

あるところに ひとくみの 恋人どうしがおりました。
ふたりは おたがいの間に生 ....
・2007-04-14

このごろは平和が白く見えますね

錠剤の錠という字に諭される

東ハトは菓子屋なんだよなあ中田

百円で三分動きますけれど

尻尾にはピアスを開ける予定で ....
お前の母さんだよと恐竜が言う

地下室の扉はひんやりしている

地下室の天井から縄が一本降りている

恐竜が肩を抱き、母さんに会いに行こうと言う

恐竜の皮膚はざらざらしている

 ....
某は 老人ホームに住む 認知症の老女である
よく虚空を見つめて笑うが その先になにがあるかは まだ教えたくない

某には 主人が居る 
他の家族は 来たことが無い
某には 主人しか居ない
 ....
足す

僕の部屋に君を足す

僕の心に君を足す



気持ちが和む

いつまでも二人平和に暮らせますようにと願う



引く

気持ちが引いていく
 ....
雨音は冷やかな旋律を奏で
五線譜に無数に付いた蕾は
一瞬、水晶となり地表に還る

傘は持たないのだと
わらって言い切るきみの肩は
今頃震えていまいか
そう告げればまた
きみはわらって
 ....
 {ルビ赤煉瓦=あかれんが}の橋を渡る 
 傘を差した婦人がうっすらと 
 遠ざかる面影映る 
 Cafeの窓 

 四角いテーブルの前には 
 文学館で偶然会った詩友が 
 詩について ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
幸福- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...707-6-4
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粘度- たもつ自由詩1307-6-2
紅い薔薇- アマル・ ...自由詩5*07-6-2
先着順の世界- ブルース ...自由詩407-6-2
ベランダ- ふるる自由詩11*07-6-1
植物園まで- 若原光彦未詩・独白10*07-6-1
いもうとワルツ- 大覚アキ ...自由詩407-6-1
くちづけ- さくらほ自由詩9*07-6-1
チューリップのマグCUP- Lucy.M.千 ...自由詩507-6-1
涼しい過ごしかた- 小原あき自由詩13*07-6-1
浅田真央- 七味とう ...未詩・独白10*07-6-1
水無月の朝- 生田 稔短歌9*07-6-1
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かやのなか- いとう散文(批評 ...18*07-6-1
むらさき- yoyo自由詩5*07-6-1
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yubisaki- はらだま ...自由詩16*07-5-31
彎曲がる夢- ロカニク ...自由詩707-5-31
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雑句(2007-04-14、2007-05-27)- 若原光彦川柳1107-5-31
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算数は難しい4- むむ自由詩707-5-30
六月の調べ- 銀猫自由詩25*07-5-30
鏡ノ国_〜港の見える丘公園にて〜_- 服部 剛自由詩1007-5-30

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