洗濯機に自分でパンツ入れないでそのあったかさ確かめてから
蜂蜜の垂れるすがたはエロチックなんてくびれの辺りで思う
靴べらからドアが閉まってしまうまで何度私を見るか数えてる
....
かた目をつむってご覧なさい
指先に抱えた透明を
明るさに透かして見えるのは
ある日の空や海だったり
はたまた宇宙のように綺麗でしょう
その水結晶の輝きは
確かにあなたの瞳の薄い ....
その日はとても寒かった
少し前に降った雪が残る
ある日の日曜日
働きづめの自分にとって
朝から寝ていたかった
そんなことをおかまいなしに
父は車を出せと
何やら急いでいるようだった
....
指先のその指先の紡ぐ白
伝えたい言葉が先に消えてゆく
自分の主張を伝える手段として安易に詩を使っちゃいけない、とかなんとか、どっかで見たような気がする。けれど、もちろん「僕」の伝えたいこ ....
お誕生日にも
クリスマスにも
ホワイトデーにも
なーんにもしてくれなかったあなたが
ある日買ってきたのは
室内用のプラネタリウム
わたしは食器洗い器がほしくて
乾燥機がほしくて
全 ....
きみの中に青白い強い炎がある きみがきみ
ひとりで燃やしてきた炎 ほかの誰によっても燃やすことの出来な
い炎 刺すような傷の痛み
再生される記憶 およ ....
前向きな気持ちで歩いてみても
前に進めるとは限らない
希望を捨てずに立ち向かってみても
気持ちが報われるとは限らない
ランキングに並べられた曲には
ポジティブなだけの薄っぺ ....
あんまり綺麗だから。
まねしちゃったね。
けどね、
夜までまねしなくても、
良いんじゃないかな。
迷走した夜明けが今日に辿り着いた
しまい忘れた記憶が日に焼かれ
過去になりきれなければ後悔になる
朱の刻
その頃眠りにつくのがいい
闇と格闘した疲れを明るく癒す ....
夜のように黒いギター
男の心は弦のように震えている
お前を求める狂おしさに
かき鳴らす指は赤い血でにじんだ
男の心は届いているか
男の歌はお前に響いているか
闇のように黒いギター
....
ついに定規は曲がった
まっすぐにしか使われない自分が
悲しくなったという
まっすぐに測れるものなんて
世の中のほんのわずかしかない
そう思ったらしい
もっと柔軟のある生き方を求めて
現実 ....
そのモデルには
頭がなかった
世の中には
頭の中身がないモデルは
たくさんいるのだが
頭がないモデルは
史上はじめてだった
国内外のデザイナーたちは
頭のないモデルを
自らの ....
誰もいない放課後
鼻につくチョークの匂い
校舎裏には誰かの名前
雨風にもう消えかけて
らくがきにも見える名前
ひとつ
あれは
ひたかくしの時間でした
スカートの丈を短くしたり
お ....
僕は、忍者なんだ
結婚4年目にして
ついに明かした真実
君は驚くこともなく
得意のオムレツを上手に返して
私、実は男なの、と言った
2歳になる娘は
一度引き抜いたティッシュを ....
確かにこの街にいた
お口を使って生きていた
わたしのねえちゃん
お口を使うお仕事
テレアポ
アナウンサー
明日の天気をお知らせします
晴れのち曇り
北風強く
ひゅうひゅう ....
たぶん、ここの現役さんのなかで投稿された作品を一番読んでいるのは、ぴ@じゃないのかなと思っています。お名前を勝手に出して申し訳無いのですが、ここでの古参のおひとり、たもつさんが4187ポイント出して ....
時が流れば折り返し
春を教える梅が咲く
匂いを風が染めあげて
空には花の色がつく
春を描けるこの春は
今は今しか紡げるものを
わずかばかりの若草に
蝶がひらひら飛びまわる
草から草 ....
エアー、夏のように
薄い服を着たあなたが
少し口を開けて
世界とつながっている
あなたの唇も手も皺に慣れましたね
前より縮んで
それでもまだ懐かしい
エアー、吸えるものは
たくさん ....
ピクルスはお入れになりますか。
何にといってハンバーガーにでございます。
ハンバーガーを注文されてないと申されましても
そのことがピクルスを入れるかどうかを尋ねることを
妨げるものとは思えませ ....
日差し
西側に深く傾いて
水平線の手前
あの焦燥の中で
握る掌は粘って
開くことを引き止めた
私はその時反対側の手で
スカートの裾
飛沫が掛かるほどに
石を投げ込んで
あかねを表 ....
―RIOJAにて
見渡す限りの葡萄畑を歩いてゆく
そこ此処に きれいな花をつけた木が点在している
アルメンドラ!とおまえが叫んで 駆け寄って
木 ....
ある日曜日
いつものように遅めの朝食をとりながら
新聞を眺めていたら
君が日本代表に招集されていた
確かに最近の君のパフォーマンスには
目を見張るものがあったけれど
(贔屓目になんか見 ....
東京特許許可局
俺はおまえを許可しない
おまえのような早口言葉は到底容認することができない
おまえだけじゃない
赤巻紙青巻紙黄巻紙や新春シャンソンショーにも伝えておけ
ふざけるなって
おま ....
大きくてごつごつした 彼の手
左手にいつもしている時計の他に
ブレスとか
指輪をひとつだけ
飾ってみたいと思った
きっとよく似合う
今日、
ハンドル握った左手に
初めて銀のブレスを ....
この街が奇病に犯され始めたのは
冬が明ける前だった
『蒸発王』
最初の目撃は
髪の毛だったらしいが
全ての症状は同じだった
蒸発する
感 ....
勝手にコピーキャットは
街中に溢れていく商品に
勝手にキャッチコピーをつけていく
それが仕事なのだ
例えば、あの化粧品についた
「マタタビよりも酔わす肌」
というキャッチコピー
あれ ....
擦り切れた指先でなぞる未来も持たず
一瞬の刺激
読み捨てられる雑誌のように
そのために私たちは在るのではない
愛しているという言葉は
搾取するための言葉ではなく
私たちもそれを望んで口にし ....
誰が教えたわけでもなく
指で三つ、をつくる
しいちゃんは
たくさんを
それはささやかなたくさんを
欲しがろうとする
絵本読んで、と
わたしの膝上に乗っかって
ほお擦りするように ....
てのひらに乗った 雪が
溶け出して、僕の
一部になってゆく
降り始めに気がついたのが
どちらだったか
もう忘れてしまった
雪は
これで最後かもしれない、と
最初に言ったのは君の ....
「おかえりなさい」
胸をしめつける
この言葉
「ただいま」
と言えるしあわせ
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