押入に夕闇はつと隠れてる
    「もういいかい」と「まあだだよ」とで


庭先にブランコだけがゆれていて
    昼のサイレン明日はとおく


陽のひかり障子にさせば心痛み
    ....
        1

寒さが沸騰する河岸に、沿って、あなたの病棟は佇む。
粉々に砕けた硝子で、鏤めている実像が、
剃刀のような冷たい乳房のうえに置かれる、
吊るされた楽園。
顔のない太陽は ....
浜に打ち上げられたクジラは
良く見えなくて
そこだけ先に行けなくて
みんなよけて行く

サクリファイスは悲しい響き
どうしてその意味が
犠牲なのか

犠牲
儀式

教会の古い扉 ....
蒼い空に貼り付いている木の葉と
舞い散るとりどりの色を眺めていると
あの時の涙の味をほろ苦く思い出す

人の気持ちは葉っぱのよう
一年で様々に変化していくものなのに
あのとき言えなかっ ....
私たちはふだん

地球の反対に住んでいるので


会うには 大陸や 時間や お金や

たくさんのものを越えなくてはなりません


仕方ないので


手っ取り早く待ち合わせ
 ....
朝と歌う鳥達と目覚めを奏で
沈んだまま浮いてこれない ガラス細工を
丁寧に 丁寧に 探す
そこが 原点であり真実であるから

朝を歌う鳥達は高い空へと舞い上がり
弧を描きながらもまっすぐに ....
森を抜けて。ふたりで大好きな
ちょっとしたぬかるみに座っている。
湖がそこにあって。
おしりが少し、ぐちゃってなって、
説明のつかない気持ちよさ。

水面に映ったきみの顔ばかり見て ....
お隣の洗濯物も
そのお隣の洗濯物も
そのまたお隣の洗濯物も
ふんわり今日は乾くだろうと
あったかい陽射しに
目を細めずにはいられない
冬だというのに
春の匂いがするのは
あなたの
洗 ....
中目黒。
都会なんか大嫌いで
ましてや渋谷から二駅のこんな駅で
あんたと暮らすこと夢みてたなんて
ほんと論外。

この5年でこんなに苦くなった。
『思い出は美化される』
あの法則はどこ ....
 俺は一人だった
 親兄弟は俺を見捨て
 友達は卑屈になった俺を疎い
 甲斐性もない俺に付いてくる女はいなかった

 一人繁華街をうろつき
 ぽん引き相手にケンカをしかけ
 街を横切る河 ....


 今、僕の手元には、「{ルビ思推=しゆう}」 落合朱美 という{ルビ凛=りん}とした縦書きの
文字が記された一冊の詩集が置かれている。朱色一色の表紙には、
白い輪郭で描かれた一輪の薔薇の ....
きっちりきっちり巻いたのに
はなれてみると優しく見える毛糸だま
早く終わらせたくて必死だったのに
もう少しで終わりと思うと
何故か腕に鍵が掛かる

はやくはやく巻き終えて
マフラーと手袋 ....
あのクエスチョンマークのような雲は
描いたの
ひみつのゆびが

あの子の涙は
ぬぐったの
ひみつのゆびが

涙でちょっとしょっぱくなったから
海で洗ったら
もっとしょっぱくなった
 ....
 僕が現代詩フォーラムという詩のサイトと出逢い、自作の詩を載
せ始め様々な人の詩を読むようになってから三年の月日が過ぎた。 
自分の詩作について言えばまだ課題はあるが、只、間違いなく言え
ること ....
季節はもう冬支度なのに
たんぽぽの綿毛になるんだと
あなたは言った
過ぎ去った日々を惜しむかのように
ひとびとは
大きな樅の木の下に集いだす
そんな季節に
たんぽぽの綿毛になるんだと
 ....
パスワードに言い寄られて
逃げ出したのが
IDで
イスラエルが占領している地方で
Uターンしてきて
大きなぼた餅を嬉しそうにほおばるのだ

古くさい道草を
油絵の具で描いてから
デジ ....
大切にしていた小鳩を
私がそっと取り上げて
早く大きくなりなさいと
あなたの耳に囁きかける

男の子なら
強い猟師になるべきだと
お父様もおっしゃいました
お父様は自由に空を駆け回る
 ....
気が付くと 
地球はもう 46億年の日々を送っていた



見渡せば僕は
何不自由なく学校に通え
今日も父が 愛車を磨いていた

John Lennon は想像することの大切さを ....
旅先で

であったあなたに

ひとめぼれ

ましろなあなた

やらかな感触

ためらうなんて

言ってられない

あれからずっと

そばにいる

ましろなあなた

ふくふくだいすき
セミの抜け殻を
たくさん集めて帰った
何となく
母にほめてもらえる気がした
母はパズルのピースが足りない
と探していた
父は受話器を握り
そこをなんとかお願いします
そう繰り返 ....
失うほどに愛してしまうのよ
このまま君と
さよならまでの
カウントダウン

じゅー、きゅー、

違った、
愛するほどに失うのね
当たり前とかいうのにやられるんだわ
カウントダウン
 ....
所謂、出会い系の掲示板で知り合った
あなたは、豆とプリンが好きですとだけ書いてあり
僕は何気なしにメールを書いた
所謂、メル友の全盛時代だったのだろう
メグライアンとトムハンクスの映 ....
家具屋さんに忍び込もう
家具屋さんで暮らそう
昼間はソファで本を読みながら
目の前を通り過ぎるカップルを眺めよう
これから幸せになる予定ですか?
それならばエキスをちょっと
分けてください ....
電車が大都市のビル群を

抜け出すと同時に

車内に閃光が走った

乗客はすわ核爆発と

その場に伏せ 

椅子の陰に身を隠した



しかし十人ほどは

 ....
鼻水が氷注のように固まる薬1錠下さい。

眼球が飛び出すくらいきつく沁みる目薬2瓶下さい。

呼吸困難に陥るくらい花粉を通さないマスク3枚下さい。

私が花粉によって一日に涙を ....
何も
聞こえないふりをした

何も
見えないふりをした

周波数が合わない
自分だけじゃないだろう

頭の中のノイズ
消したくて
カーラジオのボリュームあげる


優しすぎる歌声に
そんな頃もあったね ....
人魚姫に会いに行きました
淀んだ空の下
冷たい雪を両手に伴い
そういえば
冷たい風も吹いていました
最寄りの駅から1キ ....
風の音とともに影の色は消え去り、
晴れた空の上を飛行機の音が鳴り響く、
口癖のように聴こえる夢の楽園、
抽象画の懐かしい響き、
おお つまらないむかしの戯言、
残骸はやかましく騒ぎ立て、
 ....
必然だろうが偶然でも出会う運命だったんだ

そして. 哀しいけれどいずれ別れの時が来る

大丈夫. さよならってとても優しい挨拶なの

だってさよならの社章がいっぱいだって事は
 ....
誰も通らない道端の
枯れ葉が揺れるその場所は
風が自由に向きを変え
空へと戻る交差点

風と風とが巡り会い
互いの全てを確かめて
冷たい空気に温もり添えて

どこからともなく寒いねと ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
押入の夕闇- 石瀬琳々短歌17*06-11-24
永遠のむこうにある空__デッサン- 前田ふむ ...自由詩25*06-11-24
サクリファイス- ふるる自由詩15*06-11-24
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原点のガラス細工(見崎_光さんとの合作)- ぽえむ君自由詩11*06-11-23
湖畔- たたたろ ...自由詩7*06-11-23
so_feel_good- LEO自由詩26*06-11-23
中目黒の馬鹿女- ごまたれ自由詩21*06-11-23
祝、人間- 山崎 風 ...自由詩1106-11-23
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まだ、夏かと。- 長谷伸太自由詩606-11-22
ひみつのゆび- ふるる自由詩16*06-11-22
詩人・一期一会_〜序章・誰も知らない一本の大樹について_〜_- 服部 剛散文(批評 ...19*06-11-22
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