時には詐欺師が人を欺くように
わたしはあなたを欺きたい
飲めぬ程に苦い毒薬であっても
この世に喩えようも無い甘美さを
死を迎える程耐え難い苦痛であっても
五臓六腑に熱い何かが駆け巡り

 ....
 女はベッドの上から手を伸ばしてカップを取り、そこに少し残った紅茶を一口すすった。ぬるくやや渋みが沈殿していた。終わりの頃は何でもこんな味がするものかも、と思いついたが、そう思うことは現実を作り出しそ ....  目の前に曲がった道が開けていた

 僕は曲がった道をゆっくり曲がる

 曲がって 曲がって

 まだ 曲がる

 そのうち

 そうかと気がついた

 僕は丸い円の道を歩き続 ....
ハチミツを唇にぬって
甘い光沢に太陽は踊る
回る羅針盤は君達の円舞
まだ短い黒髪と背丈に
そのステップは地球(ここ)を教えてくれた
この庭の空の下
その時折の遠い目は未来を見て ....
手帳の中で森は
もう少しだけ明るかったろうと
右手の温もりを
むせかえる羊歯の
暗闇からたぐってみる

   いつか満たされると思い
   満たされたがっていた
   月が
   ま ....
{引用=
雨は左に向かって降っていた
空虚になっていくかかと
「全国駅弁フェア」のチラシ}

ああ、スーパーのカートで
一度でいいからすっとばしたい
新幹線や飛行機とデットレース
しま ....
緑色の石の夢は
古代へと続く
羊歯を分けて踏み出せば
緑色の湖がある
裸の男が水を浴びている
男が白い歯を見せる
この道を行くと俺の洞窟がある
家族が待っている
おまえは帰れと言う
 ....
生きてさえあれば
悲しむことだってできる
君の涙をそっと弾いて
星にだってしてあげられる

生きてさえあれば
将来だって泣けるんだ
それがどんなに悲しむべきことでも
消えてなくなること ....
願わくは花の下にて春死なん
そういったのは、誰だっけ?

私もあなたの言葉にならい
桜の花咲く木の下の
ベンチに長々と横たわって
桜の花を真下から
眺めてみることにしました
まだ白い夕 ....
空高く舞い上がる雲雀達は
暖かな太陽と軽やかに睦み合い
春の訪れを高らかに歌う
その小さな翼に 愛し合う喜びを乗せて

その歌声に揺り起こされた花々は
爽やかな風の吹く新緑のしとねで
朝 ....
空でばらけたピアノ音
ひとつの音からさみどりの雨たち
愛したその指で描かれた
もう会えない


朝色が鎖骨の赤をカモフラージュする
蜂蜜酒に光
フローリングに落ちた黄金色
染まる猫の ....
色彩々の
螺旋を描いて
くちびるを震わす風に
ほころぶ花びら
さえずる鳥は枝高く

春のうららに
「なべて世は事もなし」


※「なべて世は事もなし」の部分
上田敏の訳詩を引用し ....
道に迷って途方に暮れて
そんな自分が哀れで
みすぼらしく思えたの

しゃがみこんで
うずくまって
いっそ
この血まみれの足が
地面と同化するまで
ここでじっとしていようかしら

 ....
私は歌人

自分というものは
他人がいてはじめて
わかるもの

今日は折りよく

朝の散歩をしていましたら
詩人に出会いました

毎日毎日
朝に散歩をしては
多くの人やものと ....
「『たたかう』んだよ。」
生まれて初めてRPGゲームというものをやった私に
見るに見かねた兄はそういった。
ブラウン管に広がる広大な異世界を前に
右も左もわからない私は
兄の言うがままにカー ....
 今みたいな、こんなピンと張った緊張感がある時こそ、何か書けばいいのだろうけど、僕は馬鹿なので、ただ何もせず、この時期が過ぎるのをじっと待ってしまう。
 過ぎ去ってしまえばもう忘れて,ただ浮かれ ....
                           (喪失の物語)


とうの昔に
すっかり涙が枯れてしまって以来
悲しいことがあるたび目の奥を耐えがたい痛みが襲い
彼女は辛い毎日を ....
「お土産は、何がいい?」と
聞かれたものですから
私、何とはなしに
「らっきょう」と答えたの


お父様とお母様が夕食後に奏でる
小気味良い音が好きなのです
ぽり ぽり ぽりり
 ....
ぼくは詩人

美しいものを感じる気持ちは
誰もが同じ
たとえ自分の世界が違っても

今日もまた

朝の散歩をしていると
歌人と数学者に出会いました

歌人は数学者に
短歌を数学 ....
「つまらない。」

と思えるほど
慣れたものだ

あとは
今度の花見にかけてみよう

「あのね、金がなくて
 ほんとに 髪を切りに行けないのよ。」

新鮮なものは
とれたての鯖 ....
天国から追い出された人たちは
天国に戻るためならなんでもする
んだってさ

でもそうかもしれない
わたしだってなんでもするかもしれない
この平和な天国から追い出されてしまったら
何十人
 ....
花曇りの空に舞う胡蝶の
その透きとおった翅を 
欲しいと思う 

やわらかく笑う 
ということを覚えたのは 
いつの頃だったろう 

新しいピンヒールが
足に馴染まなくて 
ア ....
アルコールのキッスじゃあ、
このせかいもしびれたまんま、
しちゃうよ

そろそろ終わろうよう、
ねえ、
そろそろあんたは終わりだよ
って、

言ったでしょ

あれもこれもぜーんぶ ....
平日の昼間は外に出られません
ご近所の目が気になるから
面接は15時からと言われても
昼間にスーツ姿で家を出るところを見られたら
井戸端会議でどんなネタにされるかわからないので
朝のうちに家 ....
お気に入りのファッション雑誌を買ってきた
特製コーヒーココアを台所から持ってきて
いけないとわかっていても
ベッドに寝そべりながらマグカップを傾ける

少しあわ立った薄茶色の液体が
きれい ....
八時、駅に
  そういえば昨日はずいぶん言葉を素粒子に引き渡したな、
そう思った後、紛れてゆく私の煙
冷蔵庫の開く重低音
ただいま、


ソーリー、と軽やかにマルキューを見上げる外人さん ....
昼時。どうしてもギョーザが食べたくなって入ったラーメン屋にギョーザがない。
仕方なくラーメンを啜る。なんとなくチャーシューをつける。
熱々のスープはいいダシが出ている。縮れ麺も悪くない。バラからと ....
遥か高みには
まだ、冬が居座るらしいが、今日の空は
新しい季節の名前を冠せられた
無色の風がひそやかに通り過ぎ
木々を一斉に芽吹かせる

遮るもの一つ無く
高みに向けて突き抜けた

 ....
飛び上がった身体は
地面から順に世界を捨てていったのだ
アキレス腱からハムストロングにかけては
やはり加速が強いが尻では一端躊躇する
背中はすべてを覚悟していただろう
椎間板の辺りか胎盤のま ....
シンデレラの夢
灰にまみれ
笑っていた
不細工な形

夜中二時過ぎて
夢が覚めた
終りの無い
理不尽の宴

さあ狂いましょう
踊りましょう
体忘れ
二人きりで

黒靴の少女
夜のワルツ
秘められた
 ....
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