最後の窓景色
それは冬だった
初雪が降っていてガラスに露が付いていた
無意識で指で文字を描く

「いってきます。」

落書き塗れのノートや塗り潰した教科書
机の上で埃を被っ ....
夏の終わりの河原は
餌付けされて、もはや野生とは呼べない鴨たちの
小競り合いを眺める人、も まばらで
あなたは
鴨と
餌をまくジャージ姿の老人を眺めて
微笑んでいた
すこし曲がったそ ....
わたしの あたまを
からから まわすと
なないろの たまが
さいげんもなく でますが
ぜんぶ はずれです
クラゲは無色を誇って
透明に酔って

クラゲは青色から逃げようと
存在に決着がつけられなくて

大海原の一角で
青から逃避しようと
上昇志向をあらわにします。

生命の原型のよ ....
明かりの消えた教室で、
ひとりふたりと、
席につく。

学籍のないぼくたちは、
幽霊みたいにゆらいでて、
いつも不安で不安定。

黒板のかすれた数式は、 ....
巡りあわせの歯車の
ひとつ欠けてしまった噛みあわせ
それでも
偶然は何事もなかったかのように過ぎて行くので
わたくしは あんぐりと みていました

あの方の書き残した言葉が挟まったまま
 ....
秋の日差しに照らされた
小さい花をただ見つめ
薄くて淡いその姿
はかない生を手で撫でる

やさしい土を踏み歩き
草の匂いか風が吹く
今だけ香るその世界
心とともに響きあう

空を流 ....
太陽となりて君に熔ける
太陽となりて君に混ざる

荒がうな

爆ぜるな

太陽となりて君に焼かれる

それはとても熱く
それはとても狂おしい

あぁ今日は雨が匂う
太陽にはなれない
Is that a banana?
No,it isn't.It's a gorilla.

あれはバナナですか?
いいえ あれはゴリラです。

俗にいう一人の少年が英語を見限った瞬間を
 ....
葡萄の葉陰に{ルビ抱=いだ}かれて
青い果実のひとふさは
日ごと重くなりました

花びらのかわりに
熟れた種子をいっぱいにして
向日葵は皆うなだれました

高い空
すうと流れる
赤 ....
今日、ひょっこりアイツが死んだ

クラスでお調子者でリーダー気取りの奴だ
いつも馬鹿なことばっかりしていた
だから、いつか何かあると思っていたが
いくらなんでも死んでしまうとは思わなか ....
どこへおいきやすの。
ほらあんた、
あんたですがな。
どこへおいきやすのか、
ちゃんとゆうてみなはれ。
ゆえへんのか、
ゆえへんのはどのくちや、
このくち ....
(ヴァンサン)


窓の外に君の姿が見える
やわらかい草を裸の足裏で踏みしめて
君はこれから川へ泳ぎに行くという
もう透き通った水は冷たいというのに
君は白い歯を見せて
{ルビ銀葉=ぎ ....
まだ青き紅葉の枝に止まり来る
秋はまだかと茶色い蜻蛉
夏らしい暑さも過ぎた昼下がり
石に腰かけ秋が流れる

その風に誘われたのかまた空へ
どこへ行くのか茶色い蜻蛉
吸われゆく雲の形は秋の ....
私のノートには白い文字で
フラットに似た記号ばかり並んでる

決して声に出してはいけない約束が
一番目に載ってたはずなのに
白すぎるせいで見えない

知らないで言葉にしてしまうと
「ん ....
小学校のとき
のど渇くと
でひこんちに
よく寄った

でひこんちは
通学路の途中にあって
そこ通る鼻垂らしどもの
学校とじぶんちをつなぐ
給水ポイントみたいな感じで
オアシスみたい ....
かけっこの
2/3のちからづよさで
だいちをけって
みぎみぎひだりひだり
みぎみぎひだりひだり
うれしいときにはこんなふうに
すてっぷをきざんでまえにすすみます

きょうがっこうで
 ....
ごめん
あと五分だけ。。
なんてセリフ
想像したこともないよね

君の寝顔
無敵の寝顔
( 青年と初老の母は、
( 寺の小さい庭へと入っていった。 


小石の砂利を敷いた庭に 
細枝と葉影は揺れて 

木作りの小屋に坐る 
首を{ルビ斬=き}られた観音像 
優しい手に ....
波や風は待つものなのよ、と
長い髪を旋律で
砂浜の反射が切り抜いて
細めた視線の届く先に
僕の胸は高鳴る
星座盤の小さな窓から見たように
君のことを知ったかぶりしていた
そんな気がすると ....
理屈と 屁理屈のあいだの 屁のような境目から
真っ赤な彼岸花の 真っ黒な瞳が ちら と こちらを向いたので
他愛ない八月の噂話など もう どうでもよいのです
薄く紅を引いたあなたは 日傘で上手に ....
タヌキのことならまかせてください。

他のことは何一つ分かりません。
どうやって生きていって、
どうやって死んでいくのか
なんてことはもちろんのこと、
どういう思考がどういう行動と
巧く ....
カタツムリは
どうしてあんなに大きなラツパを
引き摺つて歩くやうになつたのだらう

身に余るラツパの大きさに
閉口してゐるのはよく見かけるが
いまだそのラツパが吹き鳴らされたの ....
燃える指くちびる含み恋をする
    サルビアそれは紅い吐息に


ひそやかな風にするどき心こそ
    コスモスふるう恋の歓び


咲き誇り頰よせたその黒百合に
   ....
(かじって
 すてて)


レタスを洗って
いたい
今日はずっと
レタスを洗って
一枚一枚
丁寧に
拭いて
いたい
今日はずっと


知るのがいやで
本当はもう ....
午前一時二十分 
列車の連結部近くの狭い一角 
床に腰を下ろした青年は 
震えるドアに凭れて眠る 

( 手すりに{ルビ柄=え}を引っ掛けて
( 吊り下がるビニール傘の振り子 

真夜 ....
君が正しかった
涼しい顔で言い放つ声は
激しく震えていて
あたしは
泣いてしまうしか術が無かった

どうしてもっと早くから
前を見ることをやめなかったのだろう
あたしはいつまでも独 ....
あなたはカメレオンではありません。
この一文からは何の信憑性も
感じることができないかもしれませんが、
あなたはカメレオンではありません。

ところでご存知のとおり、
カメレオンは周囲とま ....
 
 
各停は乗りません

急行しか乗りません

エスカレーターも
立ち止まりません


いそいでますから。




ネットは光です

メエルよりデンワです

 ....
ベッドの上で
二人向き合って
レモンを切った
そのナイフに
お前を映して
見ていた


ベッドの上で
二人向き合って
レモンを切った
そのナイフに
映ったお前は
 ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
言葉旅- 海月自由詩3*06-9-11
焼き付ける- 松嶋慶子自由詩12*06-9-10
そろもん(福引きの話)- みつべえ自由詩706-9-9
クラゲは青の向こうへ- ブルース ...自由詩406-9-9
「_放課後の回遊魚。_」- PULL.自由詩15+*06-9-9
あ〜ぶらかたぶら- ひより自由詩7*06-9-9
ひたすら秋をしみじみと- ぽえむ君自由詩7*06-9-9
希望の朝だ- プル式携帯写真+ ...13*06-9-9
センチメンタルレッスン- ヌヌヌ自由詩2606-9-9
カラコロクル- 紫翠自由詩12*06-9-8
今日、ひょっこり- 海月自由詩5*06-9-8
「_おいない。_」- PULL.自由詩14*06-9-8
ヴァンサン、夏の終わり- 石瀬琳々自由詩13*06-9-8
茶色い蜻蛉- ぽえむ君自由詩10*06-9-8
音楽- 夕凪ここ ...自由詩11*06-9-8
ざ_ふぉーてぃーん_あにまる〜でひことでひこんちとときどきチ ...- 土田自由詩306-9-8
きょうがっこうで- 230自由詩2*06-9-6
猫寝てばかり- 日朗歩野携帯写真+ ...1506-9-6
「母子像」- 服部 剛自由詩7*06-9-6
岬にて、星を見る- たりぽん ...自由詩1706-9-6
晩夏- イグチユ ...自由詩506-9-6
タヌキのことなら- ブルース ...自由詩506-9-5
♪_♪_カタツムリ_♪_♪_- 杉菜 晃未詩・独白8*06-9-5
花言葉Ⅱ- 石瀬琳々短歌12*06-9-5
レタス- 水在らあ ...自由詩33+*06-9-5
夜行列車_- 服部 剛未詩・独白6*06-9-5
ソーダ- 田島オス ...自由詩3*06-9-5
本当のカメレオン- ブルース ...自由詩206-9-4
『いそぐ男』- 橘のの自由詩5*06-9-4
レモン- 水在らあ ...自由詩31*06-9-4

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