芽吹きの季節とはいえ
冷たい風が菜の花を揺らし
川面を颯爽と走る

光が流れていくのを
ただぼんやりと見ていた私は
纏わりついた髪をすき
静かに歩み始める

荷物は案外少なかった
 ....
気づいたら
いろんなひとが
両手で込めて 
差し入れてくれた

おにぎり

箸もつかえないくらいに
元気なくなったとき
たべるといいよ、って

おにぎり

すかすかの ....
無垢なるいのちをみつめる光は
かげることのない心臓だ

だからそのいのちの影は
しずむことなく
みちるばかりで
月の亡霊のように 果てしがない海原をひっぱる

陸地の無い水平線上に ....
いつか見た景色
輝く野原
「君も見たことがあるだろう?」と
耳元で聞こえたような誰かの声
「もう戻らない?」
疑問の声を心の片隅に留めたまま
今日も作業する

星はひとつでも
じっこ ....
喫茶店で読む 
本を閉じて 
顔を上げると 

昨日の散歩中 
ふたり並んで覗く 
川の水面の鴨達に 
袋から餌を蒔いていた 
夫と車椅子の妻が
僕の前の席に座り 
テーブルに置か ....
あたしは

どこにでも
行ける

背中に
羽根だってついてる

足りないのは
あと一歩の勇気だけよ
夢の終わりから

はじまる今日は

いつもその夢をひき

ずって

きみの

夢をみた朝は

なけちゃうの

だけど

ずっと

し、

あわせ
今日も長い夜が来る

眠れたり
眠れなかったり

泡がね

生まれて  消えて  
  生まれて  消えて

命もね

生まれて  消えて
  生まれて  消えて

逆は ....
人が空を飛んでいる
かもめがそれを見ている
見ているのは
いつも人だったのに
いつのまにか
見られる方になっている

生きるものすべてが
言葉なくそれを見ている
僕が今きれいと心で ....
たたと ゆゆく
ののねの なくめめ

どのほが さくるの
つるいよわ ひのやや 
ほしりい ふす けた わ

ね ぎちぎち
け せら みっ
あわ わあい 
あしたのことを
考えていました
今が今でしかないことや
過去が過去でしかないことは
そっと忍び来るあしたにくらべれば
ずっと簡単なこと
あしたはいつも単調 そんな貌で

あなたのこ ....
「15分以上もここで立っているんですか?」

よその見知らぬおばさんが問う。

確かに寒空の下15分以上待ち続けるのは可笑しいかもしれません

「15分以上待ち続けるの?」

返す答え ....
夕焼けの色 頬に下さい



過熱する愛を雪で形造るその身焦がして融けてゆく君

絡み合う糸は指で解けなくて もがけばさらに絡まってゆく

巻き髪を指で遊びくちづける君のおもちゃにな ....
今日は朝から電話対応に追われてしまい
まともに昼食をとっていなかったから
目が回るなぁと思ったら四時十二分
営業車をコンビニの駐車場にすべり込ませ
アップルパイを買おうと思ったんだ

   ....
あなたが美しすぎるから 僕らは狂ってしまう
時間も距離も歪んで 上手に掴めなくなってる

錆びないセンス ステンレス
たまたま言霊 手玉に取って

夢を見てるだけでしょう
わかってて ....
親指はせわしなげに空白の悲鳴を打つので切りました「  」。



 夕べ海で、忘れた指を見つけました。指は
貝になり、海の音を打ち続けていました。わ
たしは ....
公園でパンを
食べていると
Justiceと書かれた
Tシャツを着た
欧米の人に叱られた

大地にパン屑が
こぼれているじゃないかと
顔を真っ赤にした
欧米の人に叱られた

夕方 ....
ポキリと折れた
砂糖の向日葵

命がないから
元からないから
不死身と思っていたけれど

お日様
失い
折れてしまった

雨で溶けても
もう一度

心の熱に溶けても
もう ....
新雪に
軽くステップ
大人気ない?
空を仰いで
ついでに食べよ!


雪が降る
「きれい」と感じる
心が戻る
君を許せて
自分も愛せて


白銀は
明日も示さず
語らな ....
ひとは指折り数える

その日の訪れを確かなものにしようと
指を折り
心に刻み込む
自らの身体に刻み込む

いつの日か死は必ず訪れることを知っている
それでも
死に往く日まで知ろうとす ....
噴水のそばでは
アビリティーが無効になります
仕事の話はやめましょう
大声で電話しながら歩いている人
あなたの内側を掃除したい


 2004年11月23日制作の上記「噴水の話」から、昨 ....
最後の海まで 水平線まで
砂漠の広さなみの浜に足跡をつけてゆく
要所要所 風が吹いて 海がどこにあるのか
どちらへ歩けばいいのか
それでもわたしは  最後の海に着くまでに
 ....
クレーン車のフック空荷で巻き上げられ冬の日暮れの月に届きぬ 玉葱の味噌汁に
なみだを一滴入れてみたものの
塩加減は少しも変わらず
だれも悲しくなりませんでした

風の強い庭先に鳴く野良猫に
思いつきで名前を呼んでみました
ずざ、と塀を駆け上がる音 ....
正気を失いながら、それでも
わたしたちは、生まれてしまうのだろう
何度も、何度も、
そしてほんとうは
一度だって、死んだことはなかったのだと
臨終のそのときに、知るのだろう



  ....
ホームセンターで
出会ったやかんが
思ったよりも
紳士だったので
結婚した

その時代
ホームセンターなんて
あったの
母に聞くと
母は結婚写真を
持ってきた

やかん売り ....
1.「ナオタへ」

{引用=すこやかなよるに
知らないこと を
ふたりで 机にならべた
フライ返しで
ナオタは
ひとつずつ
ひっくり返した
ナオタは
ゆびがやわらかくて ....
川の流れのすぐ後を
少し遅れて
時が流れている

もう聞こえない
あの人の声のように
過ぎてしまった時が
少しずつ遠ざかっていく

水面を割り
魚が跳ねる
私に時を返すため ....
君の胸が時を刻む
窓の外の冬空は
白い雲が流れてとどまらない

君がいるのに
哀しみが凍みてくる
静かに待とう
もうすぐやってくる夕暮れに
一瞬でも優しい色に染められるよう
まるで
白と黒だけの世界で

僕らは
どう生きていけば
いいのだろう

自問自答しながら
雪が降り積もるのを見てる

真っ白に
塗りつぶされていく
この繭の中の世界で
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春風- こゆり自由詩24*08-2-26
おにぎり- 唐草フウ自由詩10*08-2-25
心臓- こしごえ自由詩6*08-2-25
星祭り- シュガー ...自由詩6*08-2-25
夫婦の食卓_- 服部 剛自由詩408-2-24
どこへでも行こう- 風音携帯写真+ ...3*08-2-23
*夢の終わりから、ずっと*- かおる自由詩5*08-2-23
泡のように傷つくことを恐れて- シュガー ...自由詩4*08-2-23
人の正しさ- 小川 葉自由詩108-2-22
みゅう_めい- 砂木自由詩5*08-2-22
考えていました- soft_machine自由詩16*08-2-22
バスを待ちながら- 相羽 柚 ...自由詩4+*08-2-22
夕焼けの色_頬にください- さくらほ短歌11*08-2-22
チョコレートパイ- たりぽん ...自由詩608-2-22
ベクトルは_いつも_幸せに向けて- 北大路京 ...自由詩25*08-2-20
「_左手と、切り分けられた三十一文字の指と文体遊戯。_」- PULL.自由詩3*08-2-19
世界について- ニカコイ自由詩24*08-2-19
砂糖の向日葵が折れた冬- シュガー ...自由詩6*08-2-18
優しい雪に感謝- シュガー ...短歌3*08-2-18
数えるひと- 恋月 ぴ ...自由詩28*08-2-17
●そろもん(あとがき)- みつべえ散文(批評 ...4608-2-17
最後の海- 唐草フウ自由詩7*08-2-17
- A-29短歌4*08-2-16
さくら予報- 銀猫自由詩15*08-2-16
さしすせそ、- 望月 ゆ ...自由詩37*08-2-16
癇癪ガール- 小川 葉自由詩3*08-2-16
方舟- はな 自由詩1708-2-15
川の音- 小川 葉自由詩308-2-15
哀しみ- さくらほ自由詩7*08-2-15
モノトーン- 風音携帯写真+ ...2*08-2-15

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