今宵十五夜の月を
楽しみにしておりましたのに
朝から硝子窓を濡らす雨は
一向に止む気配を見せません

花器に
手折った数本の芒と一枝の萩を
無造作に入れ
恨めしげに外を眺めており ....
夜の信号
青緑

一台も通らない国道

やがて
赤に変わり
青になり

また赤になり
青になる

誰も通らない


おーい
みんな

死んだのかい ?



 ....
ひきがえるが
みちばたに

ひきつぶされて
ありました。

かんかんでりの
ひのなかで

じぶんの
くった
ものをはきその
はらわたを
はき。

ぜんぶ
じめんに
ほ ....
 にゃんにゃこりんの にゃんにゃこにゃ〜
 にゃんにゃこりんの にゃんにゃこにゃ〜

どこからか鈴の音と 日向が窓辺に
秋祭りだろうか 風にあんずの匂いを乗せて


午後三時 コタロがお ....
今起こす行動は全て未来につながっている
どれだけ今その瞬間を生きようとしても
それは全て未来のためになる
次の一瞬がないとして
誰がこの瞬間を生きようと思えよう

たとえ明日がないとしても ....
空のむこうがわで
むこうずねが痛がったら
ぼくはがまんする
いつもがまんする
泣きたくてもがまんする

すると空のこちらがわで
むこうずねが音叉のように響き
ぼくは涙する
いつも涙す ....
深いねずみ色の雲の上に
薄ネズの雲は所々に白く
さらに遠い高層雲は青く浮かぶ

月の虹は丸く
流れる雲が生き物で無いと示す

止まった呼吸がすっと吐き出され
僕はこの世に帰ってくる
 ....
五線譜に並べた記号に
寄り添って人は
日々の 足跡を
記憶を辿るように 刻んでいく

始まりは 朝方の歌
足音を名づけては
骨格は成長で軋み
鼓動のBPMは 早まってゆく

DNA ....
哀愁の風が白いキャンバスを揺らす
冷たいルビーと無邪気なスカーレットをパレットに置く
イーゼルは回転する地軸にあわせて移動し、
重力波”ξ”に押される歪んだ時空を支える

ペインティングナイ ....
凡庸なきかくのなかで踊りたいそこで鍵盤たたいてエディ

 
継がせない焼け焦げたって譲らない成れの果てよりもうすこし先

 
細胞の悲鳴を裂いて与えられる消えない紅蓮ととろけないチーズ
 ....
11月に入ると
街は雪への準備を始める
明け方凍るような寒さが
布団の中まで忍び寄るとき
窓の外に広がる庭では
チューリップの球根が眠り
その上の土は
ほんの少し盛り上がっている

 ....
パン屋で晩ごはんに
パンを買ってたらさ
雨降ってきて
俺のほかにお客さん三人
雨宿りだ
このパン屋は引っ越してからよく来るようになった
おいしいし
お姉さんがきれいだ ....
幽霊はいないと思うけど
超能力はあるんちゃうかな
こんだけ人がおるんやから
2人くらいは使えるやつ絶対おるて

思考は脳内の電気信号や
それがやで
頭ん中で行きかっている訳やわ
街を飛 ....
ガラスに映る私は
遠い日のあなたそっくりで
げっそりと、疲れ方までそっくりで
慌てて背を正しても、微笑んでみても
その仕草までもがそっくりで


かあさん、げんきですか?


その ....
剥いてしまってください
私のからだを
   のように
剥いて食べてしまってください

甘くて柔らかいって
思ってみてください
切ってみてください
銀の冷たいナイフで

泣いてもいい ....
まっすぐに伸びるために揺れているの


どうか抑え付けないで
神は消えた

明日は我が身か
月が消失点のようだ
描かれた風景は
オルゴール、オルゴォル
ピンの抜けたドラムの内側で
漏れる光を、星だと
僕たちはささやきあったね

モルモットの遊具のように
夜空をまわし
時計の ....
全国版の道路地図
なんだか久しぶり
知らない県の
知らない道をたどってみる

知らない町
遠い町

きっと
毎日をそこで暮らす人がいる
道路沿いに家があって
今日も 今も
生活 ....
真夜中に喉が渇いて目が覚めた
暗闇の中をキッチンに向かって
手探りで歩きながら
父と母のことを考えていた

父と母には
そろそろ死んでもらいたい
彼らのことを
とても愛しているから
 ....
◇雁

ビルの間を

雁が渡る

窓からいくら叫んでも

届かない

天上の

賑はひをもつて



◇火口湖



火口湖に

白鳥がひとつ

燃えて ....
尾羽を風に吹かれて
鶴はどこまで歩いて行くのだらう
追ひ風に逆毛になつてゐるだけ
見栄えのいいものではない


貴婦人がふくらむスカートの裾を
気にする風情で
遠ざかつてい ....
今は昔、をとこありけり。
いとあやしき箱の詩歌の会にしげく通ふ。
投げ打ちたる文、すなはち返し給う局ありけり。
誰にか会はむと入りしかども、いらへなかり
ければ、つれづれなることを語るうちに、 ....
どっちかと言えばっ
濁点ばかりの人生だっから
たっまにはギャロっプでもしてさっ
ぶっ飛びながら次のコーナーを
曲がってみたいなっ
ねっ
そっしたら
きっと
グっジョブって
あいの ....
手を上げろ。さあ手を上げるんだ。
おとなしくこの袋にこの支店にある
ありったけの倫理を入れろ。一つ残らずだぞ。
おっとお姉さん、緊急ブザーを押しても無駄だ。
回線はすべて切断した。
防犯カメ ....
すずめばちが
私の鼻の頭をかすめてすぐに
黒い影になって
薄くなって
細い軌跡を残して
小さな河原の巣に帰る

すずめばちの
しなやかな軌跡をかすめてすぐに
自転車のタイヤの擦過音が ....
つきの誘いにうみは揺れ
えいえんのわかれが
ちぎられてゆく

みずのかがみに映るのは
浮かびのひかりか
しずみのそこか
こたえをつかめぬまま
円い波だけが
のこされて
ここ ....
人それぞれに歩みは異なり
知ってか知らずか
寄り添い或いは遠ざかり
ときには
いずれが頭であるのかを迷いながら
もしくは迷われながら
人それぞれに
異なる歩みは終わらない

かくして ....
「おとうさんかってにいかないでよう」

そうだね
きみのおとうさんは かってだ

きみのおとうさんは きみの知らないところで かってにあそび
きみのおとうさんと きみのおかあさんは きみの ....
金属バットの表面でなぞる
裏面でスライダーを弾く音

 船端で聞いたどよめきは
 確かなものであったのだが
 護送船団が沈められて以来
 運ぶものが居なくなり
 声を聞くとも ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨降り十五夜- LEO自由詩23*06-10-7
〈おーい〉- 蒼木りん未詩・独白706-10-7
ヒキガエルガミチバタニ- もしゅ未詩・独白1*06-10-6
おタマヶ池- 千月 話 ...自由詩12*06-10-6
「今を生きる」哲学- アキラ自由詩2*06-10-6
むこうずね- しゃしゃ ...自由詩506-10-6
青い鯨が空を泳ぐ- プル式自由詩8*06-10-6
41、メロディー_【めろでぃー】- 雨宮 之 ...自由詩2*06-10-6
ЁЙЭЖЯбК- atsuchan69自由詩3*06-10-6
ないやいやい- たたたろ ...短歌5*06-10-6
ふたりの秘密- チアーヌ自由詩4*06-10-6
雨宿り- 水在らあ ...自由詩31*06-10-6
信号- いまいま ...未詩・独白7*06-10-6
とっても出せやしない手紙- 松嶋慶子自由詩5*06-10-6
主人がオオアリクイに殺されて一年が過ぎました- ふるる自由詩15*06-10-6
ふらふら- 瑠音携帯写真+ ...606-10-6
豆腐の角を曲がったところ- プル式未詩・独白4*06-10-6
いちばん_遠い夜- たりぽん ...自由詩13*06-10-5
戻る必要のない旅- 日朗歩野自由詩906-10-5
メメント・モリ- 大覚アキ ...自由詩406-10-5
雁__火口湖__山肌__他_・・・- 杉菜 晃自由詩12*06-10-5
奇跡のやうに- 杉菜 晃自由詩8*06-10-5
古典詩ほうらむ(第二段)- ぽえむ君未詩・独白9*06-10-5
*っ*- かおる自由詩10*06-10-5
ありったけの倫理を- ブルース ...自由詩3*06-10-5
あこがれ- なまねこ自由詩406-10-5
水没ハーモニー- 千波 一 ...自由詩19*06-10-5
蛇行- 千波 一 ...自由詩17*06-10-4
きみのおとうさん- 一般詩人未詩・独白5*06-10-4
水面を知らない- あおば未詩・独白6+*06-10-4

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186