今日もまた
あなたのいない夜が来て
私の裸体に
常夜灯が点々と灯ります

あなたの吹きかける息だけが
ランプの中で揺れている
赤い炎を消すことが
できるのです

一つ一つ
あなた ....
 街が白く染まる
 七色の夢の
 浅い眠りから覚めて
 冬の厚い雲を望む窓越しに
 透明の通り掛かりの人々を眺める
 凍てつく朝に
 心強くもあるほのかな体温 
 芳しき香りのする部屋
 ....
少しでも近くにおりたいんや、と言われたから
何センチくらい?と聞いた
0センチに決まってるやんけ、と君が言うから
キスをした

それはまだふたりが出会って間もないころ
ふたりは夢中にな ....
ここに居てくれるだけでいいよ

そう云ったキミの暖かい手をふりほどいて
こんなにも遠くまで来てしまった

いったい どこへ行きたかったのか

帰り道もわからない
  膨らんだ真っ赤な少女が綻べば真綿の雪に椿がぽとり

  体内で春を待ちきれずに芽吹く血潮に染まった椿のつぼみ

  花びらを散らさぬように雪の上そろりと歩くも染みが点々
 
  赤い紅 ....
あおむけになって寝て
しゃべって笑って
ふっと黙って

あおむけになっているところだけ舟

ひとりぶんの

ちいさな


{引用=
私は目をつむり、水のゆらめきに合わせた動きの ....
私にはあなたを焼き尽くすような強さはない
筆圧が愛の重さを表すというのなら
私の愛は軽薄にして
紙面に刻み付けるほどの価値もないのかもしれない
あなたの書く文字が美しくて
それがあなたの愛の ....
ノロウイルスの流行で 
デイサービスの部屋はすっからかん 
いつもにぎわう30人のお婆ちゃん達も 
いつのまにやら5〜6人 

職員は皆マスクをして 
消毒液にひたしたぼろきれで 
あち ....
一面に広がる{ルビ金色=こんじき}の 
麦畑の上に浮かぶ 
一本の道 

飛び込み台のように 
道の途切れた向こうに浮かぶ 
{ルビ一艘=いっそう}の船 

途切れた道先に 
組んだ ....
つまさきが冷えるので
靴下を買おうと思って
鳥の格好をして表へ出た
別に態とではない
暖かそうな上着を着て
マフラーをきちきちに巻いたら
鳥の格好になってしまったのである
ためしに玄関マ ....
たたかうトナカイさんへ、
サンタにまけないでください。
たたらたあこより。


あとごにちかんですね。
サンタのおうぶおうにまけず、
がんばって。
たあこ。
 ....
蜜柑の皮をむいてのばして
扉を作って
香りを漂わせながら
扉を開ける
消えかけの
飛行機雲

もう
届かない
ハロー、グッバイ
まわる世界
君の手のひら
夕暮れてく空に
まどろんでいても
昨日の続きなんてどこにもない
意識が遠のきそうなほどの
鮮やかなオレンジ
それでもうまく
あの空の青さに ....
ごくたまに、中学生とか高校生に思われることがあります。
はじめはすごくびっくりして、自分が幼いからか、とか、何か人を騙しているような申し訳ない気持ちでいたのですが、だんだん分かってきました。
実年 ....
洋光台から各駅停車の二両目に乗って
寝不足な頭は
昨夜の反省をする朝、七時十六分
このまま終着まで眠りたい

飲みなれない酒を勧めたせいか
君はとっても不機嫌で
なのに君のほんとうを見た ....
 草の葉を噛みながら進んだ
 狡猾な蟐蛾の三日月の下
 浸潤する夜の裳裾とたわむれ
 潮風に臭気をさらして干乾びる
 蛇行する隘路の果てには
 屠られた白き幽愁
  
 高波に洗われるト ....
ねえ、あなた、
あたしの世界は紙でできているのです。
うすっぺらな、もろい、紙、
吹けば飛ぶ、濡れれば融ける、紙、
古くなったらほろり崩れる、紙、
紙、

もちろんあなたも紙でできている ....
窓がうっすらとくもり
秋はいつの間にか冬に変わる
抱き合ったままの僕らは
足の冷たさを暖め合う
まだ少し賑やかさに包まれた
小さな夜の始まり

遠くで猫が泣いている
うちに呼んであげよ ....
昨日の夕方、
仕事帰り、

改札を出て
エスカレーターを降りたら
店がなくなっていた。

自動ドアをベニヤ板がふさいでいた。


昨日の夕方、
地元の駅で、

ライターがきれ ....

どんなに長く電子メールを送信しても
恋人は七文字程度しか
返信してくれないのである
業を煮やしてメールを送信するのを止めると
次の日から
矢文が届くようになった
頬を掠めてすこん
 ....
「螺子を一本抜いておきました。」

きみが夕べ、
夢でそういったので、
あたちの今朝は、
すこち壊れている。

こら笑うな。

「ちんでちまいたい。」
なん ....
{引用=リトル・ミスに出会った}

*********************************************************************


{引用=彼 ....
流星群は行ってしまった
銀の光の尾は思ったほどの残像を残さず
地に這うものと宙空の距離を
夜という名で引き離す

星が流れる
わたしは物語として知っている、
祈りのかたちで
手を胸 ....
霜葉ふむ皮のブーツの小気味よさこのままいつか見知らぬ冬に


窓ガラスくもる吐息にだまりこむ人のしぐさのその残酷さ


冬{ルビ薔薇=そうび}あかい棘さす指先の血のにじむ{ルビ孤悲=こい} ....
北の大地では六花を呼び込む灰色の空が
重く色づいた樹々を
このまんま押し花みたいに
空に繋ぎ止めてしまえば綺麗なのに
芸術家気取りの冷たい風が
ハラハラと色を零していく
どうせなら ....
昨夜に限っては
悪夢にもうなされず
いっときだけ
窓をたたく雨の音を
聞いた気がする
夜の中にあって
感情を露わにしないまま
目覚めたのは幾日ぶりのことだろう
確かに雨は
濡れたアス ....
       1

十二月の眠れる月が、遅れてきた訃報に、
こわばった笑顔を見せて、
倣った白い手で、ぬれた黒髪を
乾いた空に、かきあげる。
見えるものが、切り分けられて――。
伏せられ ....
お空がこおると氷が降るの。
さみしくさむいの。
お星に還るの。

傘を広げて、
「こーるさいん。」
こおったお空には届かない。





こごえるの。
 ....
もう、
くもくもくもくもくもー雲ばっかり!。
お空なんて裏返しちゃえ!!。

お空をくりりん!。
お星さまが恥ずかしそうにお尻を魅せています。




やー ....
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