目の前に数時間前からころがっている
赤いヘッドフォンがある。ちいさなヘッドフォン。
僕は見るともなく、それを見ている。実は
見ていないふりをして、実は、そればっかり、気になってしょうがない。
 ....
君が泣くなら
僕は歌おう

僕が泣いてた時
君は歌ってくれたから

君が泣いてる時
僕も泣いてたらどうしよう?

その時は一緒に泣こうか
自分で言うのもなんですが、
私は初対面の相手に与える第一印象が
かなりいいと思います。

清い容貌は初対面の人への推薦状
清い真心は初対面の人への信用状

たしかそんな格言がありましたが ....
住所録に
死者が潜む
この時期

もう
逢えない人たちに
私は
アタリスクを贈る

消せないで
たたずんでいる

やさしい未来
 
 
 
それはまだ僕が
生きることは正しいことと
信じていた頃のお話

彼女が
言いにくそうに僕に言う
あのね
いろんな人が
見えたりするんだ

ここにいない人

あんまりね
意識 ....
小人にみえる
体育館 の
平均台を駆けてゆく
楽しそうだ 娘は

ツィードのジャケットをぬぐ
わたしは
 空から優しい白雪が
 舞い降りる
 穢れを清めるように

 思惑が疑いを呼び
 誤解が人を切り裂く

 みんな仲良くできたらいいのに

 守るべきものがある
 奪おうとするものが ....
針葉の青に誘われて わたしが森に這入ると
ここにも あそこにも 木が立っていて

空からくる陽を 受けとるために
木々は あちらこちらに 枝を伸ばして
地面に影を落としていた

一本の木 ....
どうだいうつくしいだろう
これだけ美しいものを見るからには
お代を貰うよと
シリウスが耳を痛くしようとするけれど
ヘッドフォンで隠す

ギターの音に足音が重なり
寒いけれども ちょっと遠 ....
落とし穴を掘りました
何時か私が落ちたものと
何故だかとてもよく似ています
誰かをここへ突き落としたいのですが
それは酷く思われそうだし落とされる人もカワイソウだし
ここは私を突き落とすべき ....
僕はこの話をする時には
いつもこのエピソードを持ち出すよ。
知ってるかな?
ヤマアラシのジレンマ。

真冬、
外敵から身を守るため体中を針で覆われたヤマアラシ。
寒さで凍える二匹が温まろ ....
結婚して32年、初めて手紙を書きます。

何回かお見合いしたけれど、あなたと結婚するとは思っていませんでした。

私のほうが4歳も年上で、あなたは結婚を約束した人がいましたね。

知ってい ....
文学史に載る作品というのは
一体誰が決めるものなのか私は知りません。
けれどもそれがきっと老人達であるのは
間違いない気がします。

文学史に載る作品に
一体どんな基準があるのか私は知りま ....
僕はペンギンのおなかが気になる
あれはかたいの?
それともやわらかい?

ペンギンがやってきて
僕をみて ほほえんだ
おしてもいい?
ペンギンは駄目だという仕草をして
帰っていった
 ....
飼い慣らされた瞳で
君を見ても満たされないらしくって
すぐ・・・。

飼い慣らされた声で
あなたに嬌声したところで
こっちに寄ってきて、やられて
終り・・・。

何だか淋しくなったわ ....
冷たい風と一緒に
クマが走ってきた

大きな目をまん丸にして
涙がポロポロ

首からさげた手ぬぐいで
目を拭きながら走ってくる

冷たい風が目にしみるんだね
冬眠するの 間に合わな ....
猫が歩き回るけど
ちいちゃんは自分がどこにいるのか
わかります
お母さんが携帯で
「どこにいるの?」
て聞くと
「白い猫の近く」
て元気に答えます
するとお母さんは
「八百屋さんね! ....
何年かぶりに
自転車に乗った


早朝
海岸への坂道を立ち漕ぎする



自転車に乗るのは

本当に

本当に久しぶりだ


きつい登りに
太ももが悲鳴を上げ ....
何が大事といって
クリスマスの燭光ほど大事なものがあろうか
雪の降る朝
ああ 今日は早く帰らなければ と
背広の襟をピシッと揃える家長の意気込みほどの純情が他にあるだろうか
スリップを覚悟で ....
煌星がひとつ
静寂に耐えきれずに
堕ちてくる

差し延べた
救いの手を
そっと抱き寄せる

言葉など
いらない夜だから

開きかけた唇を
そっと塞ぐ
ナマケモノ の
うごき は おそい

ナマケモノ を 思う とき
僕 は 息 を すって はく 回数 が 減る

そして

ナマケモノ の
ココロ を 思う とき
僕 は 窒息 し ....
ぼくのひかりは
うでやはなやせいきを
たくさんのチューブでつながれ
えがおもなみだもことばも
みんなうばわれ
ひたいのほねをほぞんされたまま
やみのなかをさまよっている
やみのなかでたた ....
遠くにいる人を想っている

列車は夜の手のひらをすべるように過ぎてゆく
舞い落ちる雪はその速度に蹴散らされて
散らされた後たいへん静かになり
静かに舞い落ちて
舞い落ちて
落ちて
落ち ....
あなたはきっと
優しい声と、やわらかな睫毛を
いとしいひとに沿わせながら

年金や家のローンのことを話し
子どもが生まれたら
どのメーカーのビデオカメラを買おうかと
冗談まじりに相談した ....
ねこのひげ
のびる
のびる
どんどんのびて
からだじゅう ぐるぐるまき
ぱっとみ
でかいけむし

ねこのひげ
のびなくてよかった
ほんとうによかった
赤と緑が
美しく共存する

いつからかクリスマスのシンボルとして
家々に飾られるようになった
花を守るために
葉が変化したという


赤い花苞


この世界には
今も ....
凍った地面で
ハンドルを誤って
突っ立っているだけの電柱にぶつかり

運良く傷一つ無かったのに
進み方を 踏み込むべき場所を
忘れてしまったので
仕方なく
クラクションを鳴らし続けてい ....
軋む
一歩ごと
軋む
心ごと

逃げ込んだ森は
甘美な瀞が満ち
わたしは愛しい景色を
凍る爪先で犯してゆく


痛む
一言ごと
傷む
一夜ごと

明日を司る月が
昨日 ....
質に入れたはずの女房が
ある日ひょっこり帰ってきた
質流れでもしたのだろうか
おかえりというと
ただいまもいわず
お茶だけ
のひとことで
台所に立ちお湯をわかしはじめる
そのうしろすが ....
今日も遠い北のはずれでは
北風がつくられている


私は妹の手をとって歩きながら
「ごらん、あれが北風だよ」と
すり切れそうな雲の端を指さして言う

すると雲は
少しずつ形を変えなが ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
赤いヘッドフォン- 大小島自由詩2*05-12-28
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嫌な奴は本当に嫌な奴なのか。- 和泉 誠散文(批評 ...1*05-12-27
*住所録*- umineko自由詩4*05-12-27
冬木立- umineko自由詩5*05-12-27
平均台- 米倉瑠学自由詩205-12-27
心に積もるほこり- 炭本 樹 ...自由詩405-12-27
- 馬場 こ ...自由詩1005-12-27
夜を旅する- なな子自由詩2*05-12-27
そっとつきおとす- かぜきり自由詩3*05-12-26
君宛ての手紙- 和泉 誠未詩・独白1*05-12-26
60歳のラブレター- 逢坂桜散文(批評 ...5*05-12-26
「渡る世間は鬼ばかり」はどうして文学史に載らないのか。- 和泉 誠散文(批評 ...5+*05-12-26
ペンギンのおなか- 日朗歩野自由詩1705-12-25
茜さす・・・淋し箱。- 麗魅自由詩105-12-25
冬クマ- 日朗歩野自由詩905-12-24
迷子- 太郎冠者自由詩9*05-12-22
父と自転車と蒼と- 蒸発王自由詩4*05-12-22
仲良きことは- 吉岡孝次自由詩105-12-21
Silent_night- 落合朱美自由詩13*05-12-20
ナマケモノ- 日朗歩野自由詩305-12-20
眠る光- 草野大悟自由詩405-12-20
遠くにいる- ふるる自由詩37*05-12-18
サンダルひっかけておでん屋へ- うめバア自由詩305-12-18
ねこひげ- 日朗歩野自由詩405-12-18
ポインセチア- ベンジャ ...自由詩5*05-12-18
路上の風- 自由詩3*05-12-18
ホワイトアウト- 銀猫自由詩24*05-12-18
春の人工衛星- ZUZU自由詩21+05-12-17
北風の工場- ベンジャ ...自由詩14*05-12-16

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