君がまだ言葉をうまくしゃべれなかった頃
青空を指差しては「キー!」と叫んでいた

最初は何のことかわからなかったけれど
君の指差す方向にはいつも
飛行機が気持ちよく青空を滑って行って

 ....
泣きたくて 泣けなくて
母に手紙を書いた夜
滲むことさえ出来ずに
笑顔の文字が並んだ


  「変わらずに元気です
  新しい服を買いました
  今度の休みに帰る
  その時に着て行 ....
桃色のソラ

終わる季節

風の香り


夏を告げる

青い風がほら

海を渡った
毎日ともに働く人が 
あれやって 
これやって 
と 
目の前に仕事をばらまくので 

わらったふりで 
腰を{ルビ屈=かが}めて 
せっせ せっせ と 
ひろってく 

そのう ....
去年は、フェンスの内側から、

桜を見ていた。

今年は、フェンスの外から。

たった一年で、なにもかも変わった。

「この桜さえもなつかしく思い出す」

去年書いた文章。
 ....
魚になって泳いでみたら
ちいさなあの子がすくってくれた
あんまり優しくするもんだから
優しくガラスにキスをした。

小鳥になってちゅんちゅんしたら
おっきなあの手で優しく抱いた
あんまり ....
たくさんのさよならを
散り敷いた桜の花びらのように踏みしめて
僕は行く
何に呼ばれて
僕は行くのか

からっぽになった
僕のからだは
何色の絵の具を
入れたらいいのかな

もしこ ....
女の子なんだからタバコやめた方がいいよって言うけど
あんたの方こそやめた方がいいよ
ただでさえ男は寿命が短いんだから

子供つくって家族やってる未来も
縁側でお茶すすってる未来も
全然遠す ....
終焉の華やぎを纏い
空いっぱいに広がる桜の隙間を
北風が逃げてゆく
見上げれば天晴の青は淡く
春を深く含んでいる

息を吹き返した芝生の向こうでは
まだ親指姫の誕生しないチューリップの固 ....
タイムの花が咲いてる
私の知らないうちに

がっかりしてても
しょんぼりしてても

同じように時は過ぎ
また花は咲くんだね
君から奪ったギャルソンのコート
とてつもなくカッコいい
真っ黒でサイズも僕にピッタシ
ソレを着ちゃったら
僕は君のよーにお洒落になれたよーな気になってしまうんだ

君から奪ったギャルソンの ....
いま
{ルビ仄=ほの}明かりの部屋がとても寒くて
ぼくは
コカ・コーラの気が抜けてゆく潮騒の中で
花が開いていくのをじっと見ている
足が冷たく
息の僅かな白さの中に
ちいさな子供だった頃 ....
「楽しいイベントの中にも
悲しい出来事が含まれている
順調に進んでいるように思えても
簡単に振り出しに戻ってしまう

悲しいイベントの中にも
楽しい出来事が含まれている
一回 ....
「三百円のお返しでございます、ありがとうございました」

しまった。

おつりを財布の中にしまう前に、財布をバッグの中にしまってしまった。

「要領が悪いわねえ」なんて、店員さんに思われた ....
きのう吹いたつめたい風が
あれは冗談とほほえんで
春の粒子を散りばめたなら
さくら通りは魔法のアーチ

鳥がね
枝を渡って
ほら
花びらたちが

くるくると
  ....
あなたへの想いを響く音にして
閉じ込めた心の猫目石
口付けて震わす閃光の弦
石に刻みつけたのは
ガンジス川の砂の数
それほど遠い過去世のこと
二人の日々
誓いの言葉

清音に震わす心 ....
ひとりぼっちに
ならないように
鳴くことをおぼえた
あの日

どこまでも届けと
生まれてくる、こえ
書き付けられた
記憶ではなく
いま、あふれだす、こえ

ことばは、忘れないため ....
「スカンジナビアってどこ?」 
と言いながら
あなたは新聞をめくる
外は 
風が吹いていて

きのうの雷はちりとなり
ふりそそいでいる


わたしは
「知らない」と
面倒そ ....
子猫が一匹死にました
罪なき子猫よ
おまへの為に詩を書かう



公園の駐車場に、三匹の子猫が居付くやうになったのは一ト月ほど前
母猫の姿はなく、生後まもなく捨てられたのに違ひない
 ....
イクラ丼が食べたい
キヨシマツモトは突然に言う
案の定僕のポケットには
北へ向かうチケットが二枚ある
キヨシマツモトでは本日も医薬品が大安売りで
僕はまったくの文系だけれど
キヨシマツモト ....
歌う川

          ――十一の変奏曲
{引用=


川は
歌う
膨大な水の旅客を乗せて
すべての山と谷を後に残して
流れながら
歌う




祈る人は ....
吹雪舞ふ街並暗くなりゆきて
車の尾灯赤く際立つ


娘の買いしロシヤ民謡の低き声に
ほれぼれと聞く灯を消す部屋に


隣家に毎日来る左官屋の
両肩に今日 サロンパスあり


ま ....
それもスタート地点で何もないのにけつまずく。
一緒に走っていた人はどうやらみんなちゃんとスタートを切ったらしい。
みんなの背中がみるみるうちに遠ざかっていく。
ほどけてもいない靴紐をなおす。
 ....
空は悩んでいた
そのときそのときで
表情がころころ変わり

僕は
知らなかったわけではない
それでも
ただ眺めることしか
できることがなくて

空は泣いていた
大地に抱かれたくて ....
昨日の夜は部屋も静かな寝息をたてて
星だってずっと遠くに見えるか見えないかくらいだったみたい

眠る前のめまい
足の先から順々に音を失くしてく
無色に染まる
たいせつ
カーテンのうすみど ....
水を、欲している
のどの ずっと奥のほうで
さかなが泳いでいる



季節が融けはじめていることに
気づいたときには もう
わたしのなかの海は 浄化され
沈殿していた過去があふれ出て ....
枯れちゃったのかな
なんて思いながら

それでも毎日
お水をあげてた

去年バーゲンで買った
小さな盆栽

生きてたんだね
赤い芽が可愛い
幼い頃からいつも一緒でした

わたしとあなたは

いつしか

あなたの右の指に花が咲くようになり
わたしの左の頬に花が咲くようになり

わたしたちは
その花を愛でたり食べたりするよ ....
私の好きな
マツバウンラン

冷たい風に
揺れている

ちょっと寒いね

でも
春なんだよね

きょうは
少し
いやなことがあった

でも
君に会えたから

もう
平気になれる
カラッと揚がってごきげんの
エビフライにも意地があります。
ピンと伸ばした背筋なんて
エビの本分ではありません。
ごきげんなのは所詮、愛嬌です。
無意識のうちにキツネ色を望んでいたなんて
 ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「キー!」- 未有花自由詩18*07-4-6
手_紙- さち自由詩19*07-4-6
風薫る- 優飛自由詩3*07-4-6
畑の道にうつむく人_- 服部 剛自由詩18*07-4-6
去年の桜と今年の桜- 逢坂桜携帯写真+ ...8*07-4-6
スケッチブック- プル式自由詩15*07-4-5
DIVE- とうどう ...自由詩16*07-4-5
チェリーガール- リヅ携帯写真+ ...8*07-4-5
擦れ合うゆびさきで- 銀猫自由詩15*07-4-5
タイム- weed & s ...携帯写真+ ...4*07-4-5
君から奪ったギャルソンのコート- うおくき ...自由詩3*07-4-5
花冷え- 水町綜助自由詩35*07-4-5
人生ゲーム- 1486 106自由詩9*07-4-5
しまいわすれたおつり- 壺内モモ ...未詩・独白9*07-4-5
陽だまりらせん- ささやま ...自由詩13*07-4-5
宇宙の塵の数ほどの想いあなたに馳せし夜- アマル・ ...自由詩5*07-4-5
ひとりぼっちに、ならないように- たりぽん ...自由詩16*07-4-4
午後の花- はな 自由詩15*07-4-4
子猫のおとむらひ- 三州生桑未詩・独白4*07-4-4
北へ- たもつ自由詩507-4-4
連作「歌う川」より_その4- 岡部淳太 ...自由詩3*07-4-4
6P_「短歌2」より_〜塩田より京都へうつる時_昭和三十四年 ...- むさこ短歌16*07-4-4
また転ぶ- weed & s ...未詩・独白1*07-4-4
もうひとつの空- 乱太郎未詩・独白12*07-4-4
ふらっと- 夕凪ここ ...自由詩1007-4-4
回遊、わたしのなかの、- 望月 ゆ ...自由詩58*07-4-4
あ、生きてたんだね- weed & s ...携帯写真+ ...2*07-4-4
- ふるる自由詩20*07-4-3
マツバウンラン- weed & s ...携帯写真+ ...2*07-4-3
エビフライのタブー- ブルース ...自由詩1*07-4-3

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