洗濯物も、庭のお花も皆喜ぶ
お日様大事
お日様ばかりじゃ可哀相
草木は枯れてしまうでしょう
雨を降らせる雨雲大事
雨雲ばかりじゃ可哀相
雨雲追いやる風さん大事
風さんばかりじゃ可愛い花も ....
  幸福を抱きとめて静止するあなたは、蕾のすがた
  胸に手をあててわずかにうつむくその、
  長い祈りにも似た、沈黙


  春を知る朝の、淡い喜び
  風が冷たくても、
   ....
始まりの声に耳をすませば
それは静かでも力強いことに気づく

あなたは
不確かな未来を希望にからめて
堅く結んだ約束を口ずさむ
こぼれたいくつかは落下して砕け散っても
受け止めたいく ....
仄暗い公園のベンチで
みかんの皮を食べろと言われている老人が
喜んでと言って頬張っていたのは新聞紙
これでいいですかとにこにこしながら
鳩の目で少年たちを睨みつける

ぽおっぽっぽっぽ ぽ ....
あのね、母さんこの犬ね
父さんも母さんもいないのよ
1人ぼっちで暮らしているの

あのね、母さんこの猫ね
足を怪我してうごけない

小さな子犬や、仔猫たち
みんな母さん見つかって
ち ....
バス停のベンチに
毎日のように
座り続ける男がいるんだ

超然と背筋を伸ばし
ただ一点だけを見つめ
来るはずのないバスを
ひたすら待っている

廃線になった
路線バスのベンチで
 ....
明るい娘たちだ

美知子が寝込んだ今日も
夕食を作り、洗濯をし
ピアノに行って
キャッキャと笑って
ぐっすり眠っている

小学六年の薫は
ふくらみはじめた胸を
ホイホイとかかえて笑 ....
ね マナちゃん 今日はいっぱいおひさまがいるよ

母はわたしの名前を間違えたのだ 公然と 間違えたんだ
肩を抱くと 猫と同じにおい がする


今日の朝ごはんは 半分くらい食べたんだよ
 ....
立ち並ぶビル群の幽霊
ビル風が吹き抜けると
敷かれゆく風の線路の上
滑らかに空中列車は行き交う

乗客は皆視線を落とし
日常に見つからぬ出口を
携帯電話の画面に封じ込める

 「 ....
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって       

あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
からだが どうん、まばたきしたときの
あのせかいが まっぷたつ から、ゆうぐれて
頭から 地球の中心に ぐん、と押されると
わたし、いつも きまって あやまってしまう
ごめんなさい、ごめんなさ ....
あまりに懇願されるので
試しに小指を与えてみた
男は急いで口に運び
コクリと飲み込むと
生あたたかい求愛がわたしに届く
唾液に光った男の喉をうっとりと通りぬける
わたしの小指

満たさ ....
                  「メリーゴーラウンド」 1

  トマト

四角いトマトを
作るようなものなのかもね

パイプ椅子からひょいと降り立って
彼女は器用に微笑んだ
制 ....
360度のステップのど真ん中で 僕が
一歩もステップを踏み出せないとき
やっぱり地図は持ってなかったけれど
上品な下ネタに付き合ってくれたきみ

僕が落ち込んでいると朝早くからパン種をこね始 ....
アフリカでうまれたはずが
からつけたまま
シベリアにあるき
こおりをわたって
このしまにたどりついた。

にまんねん
おどろくほどみじかいあいだに
このしまのじゅうにんたちは
虚飾を ....
これでも
巡査は、けっこう忙しいのだ。

<私の飼ってる夢が逃げました>
とか
<私の影を落としました>
とか
訳の分からない相談受けたり

<あのカタツムリは汚職をしてます>
と ....
あなたは、
簡素な手順でわたしの胸倉を開き
匂い立つ土足
こればっかりは慣れないものです
その度に鮮やかに毟られる


あなたと遭難したい
篭って
香しき動揺が眼に見える位置で
わ ....
海からは程遠いこの部屋で
僕はパン生地をこねる
できるかぎり薄くひらたくのばす
それを焼くための釜がないこの部屋で


彼方の水面
君は手をかざしていた

何が見える?
「何も ....
せっかく東京に来たのだから
上野駅に行ってみた。
ホームレスの仲間に入れてもらおうと
ダンボール箱を持って。

とにかく東京に来たのだから
山谷に入ってみた。
リュックを担いで、ジョギン ....
いつも
やわらかく
笑っている。

ひとの
わがままを
いっぱい
包み込んで。

ぷろみねんすに
灼かれながら。



泣いていいんだよ。

怒っていいんだ。

蟻 ....

午後
湖まで
二万歩を歩く
ふたりで歩く
途中
息づかいが消え
ふり返ると
青桐の葉を持って
笑っている。


タバコを買いに
五階をくだる
ふたりでくだる
途中
 ....
シャラシャラと
シャラシャラと
それはおちてゆくのです。

シャラシャラ
シャラシャラ
うす水色に。

うずたかくつまれた
はかばから
それはおちてゆくのです。

それぞれのお ....
ずっと
風をさがして
生きてきた

たとえば
こんな
よく晴れた日には
釣り竿を担いで
山に行くのがいい

頂に着くと
{ルビ草原=くさはら}に寝ころんで
釣り糸を垂れるのがい ....
しゃぼん玉が生まれた時
たくさんの仲間がまわりにあふれていた
陽の光はまぶしく
見るものすべてが新鮮だった
子供たちの手が伸びてきて
仲間のいくつかがぱちんと弾けた
悲しかったけれど
 ....
歴史はよぉ,こねーな乱暴狼藉が生み出すんでにゃーでよぉ

五十六人目と,自らをそう名乗る藤吉郎が言う
泥だらけの顔で,目だけをぎらぎらと血走らせ,
長い旗指物を持ってのそりと立つ
見渡す ....
やがて魔法は解けるだろう                                                         
強力粉をいれても                      ....
春一番が吹いて                                 
次の日 二番が吹いて                                     
日をおって 次つぎ ....
どこで弁当をひろげよう
昼ちかく たどりついた街の
日なたという日なたは
こども連れの若い主婦たちと
近所の猫どもで占められ
太陽の塔のしたの
とっておきの日だまりには
ホームレスがひと ....
あ ちょっと                                 
そこの                                     
なにやらごたいそうな        ....
今日ハナミズキの花が見えたよ                                                                  
もはやぼくの内側に          ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
大事なもの- ひろよ自由詩3*05-4-18
木蓮/長い祈りから- 嘉野千尋自由詩12*05-3-31
四月になればあなたは- ベンジャ ...自由詩22*05-3-28
仄暗い公園で- ベンジャ ...自由詩33*05-2-12
11匹のお母さん- ひろよ自由詩2*05-1-30
虹を掘る- 草野大悟自由詩405-1-10
太陽の有給休暇- 草野大悟自由詩6*05-1-2
窓と庭と病室- 吉原 麻自由詩8*04-12-27
空中列車- 服部 剛自由詩25*04-10-3
真空フラスコとティンカー・ベル- umineko自由詩45*04-9-20
ごらん、ゆうぐれる- みい自由詩68*04-8-16
美しき日々- 石畑由紀 ...自由詩3204-8-12
トマト- アンテ自由詩8*04-8-5
いつも_いつも- MonKuri自由詩4*04-7-17
風の魚- 草野大悟自由詩4*04-7-8
巡査- 草野大悟自由詩4*04-6-30
立春- 嘉村奈緒未詩・独白38*04-6-28
僕がパンをこねている場所- MonKuri自由詩13*04-6-27
風のイルカ- 草野大悟自由詩3*04-6-20
ガラスの太陽- 草野大悟自由詩3*04-6-15
風の残り香- 草野大悟自由詩604-5-28
風のかけら- 草野大悟自由詩2*04-5-21
風を釣る- 草野大悟自由詩7*04-5-18
限界- アンテ自由詩14*04-5-5
桶狭間にて,_五十六人目の藤吉郎- do_pi_can未詩・独白604-3-17
やがて魔法は解けるだろう- よねたみ ...自由詩804-2-2
春一番が吹いて- よねたみ ...自由詩604-2-2
どこで弁当を- よねたみ ...自由詩604-2-1
あ_ちょっと- よねたみ ...自由詩704-2-1
ハナミズキ- よねたみ ...自由詩504-1-31

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