金の舟の名前は、“ハロー”
どこからともなくやってきて
やあ、
手を振って去っていく
一瞬の出来事


金の舟の合言葉、“ハロー”
ぼくらはきっと
つながっていけるさ
ぼく ....
じわりじわりと 人の肩にそっと触れては
血をにじますように
わたしは、雨です。
ともだちは
長い針を射るはやさでおちていき
アスファルトにクラッシュしました
両親はずっとずっと厚い御空のふ ....
 
先生おトイレにいってきます
そう言って
だれもいない廊下を歩いていた

ある教室の前で
あれは冬だったのか
夏だったのか
さだかではないけれども
とにかく寒く
暑かったかもしれ ....
ねぇ、かあさん。わたしの初めての言葉って何?

「赤ちゃんのときの?
ぎゅって握った手を差し出して『うまー』って言ってにこにこって
笑うから、母さん、本当にうれしかった。」

うま?な ....
ひよこを食べる猫がいて
あるときひよこが
噛みついた

それからひよこは
猫を食べたり
ときどき親を
食べたりも
する



ひよこをだます猫がいて
おかげでひよこ ....
夕暮れの町外れの道を散歩する一組の老夫婦
妻は杖突く夫の手を取り転ばぬように支える
寒風の吹く中風邪引かぬよう二人丸々着込み
一歩また一歩と歩を進める

道すがら隣家の庭を眺め南天の ....
 
そらのどこ
とぼくがたずねると
きみは
そらのとこ
とこたえるのだった

だからぼくはまた
そらのどこよ
とたずねてしまうからきみは
そらのとこよ
とこたえつづける
いつま ....
夏の午後 影は濃く
姿勢の正しいあなた
まっすぐにねむる
貝殻のボタン
ひとつ失ったまま

くんと伸ばしたつま先から
夏が逃げてゆく
砂がはらりと落ちる
そして落ち続ける

傾い ....
 
バスが終点に近づくと
乗客はわたしたち家族以外に
誰一人いなかった
息子が車内をみまわして
どうしてみんな座らないの、と
終点に着くまで
そんな不思議なことを
言い続けていた

 ....
空を見上げながら
ずぶずぶと
沈んでいく足元

気づいていない
気づいたら
あたりは真っ暗
ぼくはひとり


悲しんでいる
暇はないよ
よくは見えないけど
空には枝が ....
飛んでく
飛んでいくのは
ぼくではなくて
ビニール袋で
ビニール袋の
ぼくである



風が強いな
それでも飛ばされない
ぼくは強いのか
、いや

ぼくは弱いのだ
 ....
土曜
日曜

ぼくは
ねじ曲げられた
風を
覚悟しなくてはならない

それを
目の当たりにして
気のふれない
強靱なこころを
持たなくてはならない

ほら
十三日の金曜日 ....
 
何故此処には 雪が積もらないのだろう 積もっても 春のように消え 冬のようにまた 積もるのは何故 なんども冬と 春を繰り返す 冬は 過ぎ行く季節 此処に来てわたし 時の早さを思い知る とくに冬  ....
ねえ にゃんこ

私が仕事に行っているあいだ

君はなにをして帰りを待っているにゃ?

お腹がすいたらカリカリを食べ

眠たくなったらお気に入りの場所にゴロンってなって

本当にに ....
夕月は君が
先に見つけた

でも

明日雪が降ることは
きっと教えてあげない

   *

君のいちばんのねがいを
たぶん私は知っている

でも

君のいちばんの ....
 
わたしの背中には
一枚の皿が
ぴったりとくっついていて
たとえば高いところから
低いところへ落ちる時など
少し浮いてしまう

そんな時
わたしはこの世界から
少し離れたところへ ....
あなたのライナスの毛布は
目には見えない形のない
責めることのない想い人
誰にだってある。あってほしい
毛布がわりに
こころからやすらぐもの
かぼちゃ大王を信じているライナス
母性をくす ....
腐葉土の匂いを吸い込んでくすぐったそうに走る少年の汗に濡れた慎み深い爪先は自分の重みがたしかに土を撒き上げてしまうことを恥らっているのか二三歩踏み出すごとにきゅっと小さな親指を丸め込むので伸ばしっぱな .... アンダンテ追いかけて追いかけていても君が見えない陽射しの中で


抱きしめる速度ですれ違う風はセルリアン、君の瞳に映る


炭酸の雨///下弦の月をマドラーで浸しても味なんてないまま
 ....
ぶどうはブドウとよばれてから
葡萄になったのでしょうか
私が生まれてきたとき
やさしくよばれた名のように

もう一度、問うてもいいですか
せみはセミとよばれてから
蝉になったのでしょうか ....
こたつの中で寝息を立てるあなたを今夜蜜柑のように剥いて。

口移しに食べる蜜柑あたたかいあなたの体温を味わう。


乱暴に蜜柑のへそ突き破るあなたの指じっと見 ....
こおり
あたたかい
しらない
あたたかい
わからない
みんなつめたい
ならんでつめたい

あたたかいって
なに.



やさしい そのて
さわらせて
やさしい 、こと ....
切れ切れの落ち葉は切ない
道の脇に沈みこんで
自分がどこから来てどこに行くのか
道行く人にかさかさと問いかける
けれど誰もその葉が何の葉であるかを知らない

女は三輪車に乗る子どもを道で遊 ....
 フリルの付いたピンクのシャツを
 柔らかく着こなして
 エナメルのヒールで
 床をコツコツと鳴らす
 とても簡単な技術を
 素直に身につけられないあたしは
 結婚相談所のコンピューターか ....
洗えるお母さん
あたためますかお母さん
出会い頭にお母さん
やわらかめお母さん
おふざけが過ぎますなお母さん
スナイパーお母さん
ちょい悪お母さん
改革お母さん
ねっとりもっちりお母さ ....
病院にも
節分がきた

仮装する看護士さん、
喜んで豆を投げる私たち。

鬼は外!福はうち!

床に散らばる豆は
入り乱れ
踏みつぶされ。

手にした福豆を
そっと口にすると
ほんのり香ばしく
優しい ....
不意に、もうひとり帰ってくる気がする


母は家にいて
私も家にいて
弟が帰ってきて
もうひとり弟が帰ってきて
それから父親が帰ってきて


机に張り付いて私は耳を澄ま ....
甲子園に行くためには名投手が必要である
バッテリーの才能がずば抜けていれば
守備や打撃にさして強みが無くても勝ち残っていける
二人の青年が呉琉紺駄高校に入学し、万年予選敗退だった野球部で
その ....
懺悔をしたいのです
普段は書く事もない漢字ですね
ペン一本で世界を変えてきた私の
言うことですから信じないで下さい
けれどもこれまで嘘をついて来たことを
皆さんに懺悔したいのです

ほん ....
ふたりで羊羹に入ろう
思い立って三軒目のコンビニで見つけた
消しゴムふたつぶんくらいの小さな羊羹を
にゅるっと皿の上に出す

安物でいいのかと聞くと
羊羹ならば構わないと言い
ゼリーでは ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鉛の船_/_金の舟、ハロー- ゆうと自由詩3*09-2-19
雨の子(1)- 唐草フウ自由詩6*09-2-19
おといれ- 小川 葉自由詩709-2-19
うま- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...15*09-2-19
ひよこ- 千波 一 ...自由詩8*09-2-18
一本の縄となり- 川口 掌自由詩3*09-2-18
そらのとこ- 小川 葉自由詩1009-2-18
貝殻のボタン- ふるる自由詩27*09-2-18
light_the_light- 小川 葉自由詩6*09-2-15
u_rei- ゆうと自由詩1*09-2-15
存在証明- ゆうと自由詩5*09-2-14
拘縮のかぜ- 草野大悟自由詩2*09-2-14
冬時計- 小川 葉自由詩109-2-11
ねえ_にゃんこ。- ゆきちゃ ...自由詩8*09-2-11
paLadox- Rin.自由詩19*09-2-11
- 小川 葉自由詩209-2-11
ライナス- 唐草フウ自由詩6*09-2-10
駆ける少年- 鈴沖 雄 ...自由詩3*09-2-8
さよならのためのリダイアル- Rin.短歌18+*09-2-8
決意- たりぽん ...自由詩9*09-2-7
「_でも蜜柑を包む手はいつだって五つに裂ける。_」- PULL.短歌6*09-2-6
- 唐草フウ自由詩8*09-2-6
葉女- 木屋 亞 ...自由詩3*09-2-6
市場価値- 伊那 果自由詩109-2-5
お母さん百態- ふるる自由詩8*09-2-5
節分- 風音携帯写真+ ...409-2-3
もうひとり帰ってくる気がする- 因子自由詩20*09-2-2
透明宣言- 木屋 亞 ...自由詩3*09-2-2
創書日和【嘘】_告白- 大村 浩 ...自由詩9*09-2-1
羊羹- 自由詩809-2-1

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