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カブトムシの眼はきれいだ
黒い真珠のようだ
あるいは透明な膜でつつんだ
何かの宝石のようだ
(動かなくなっても)
まるでずっと何処かを
見つめているみたいだ
動かなくなる ....
{引用=わかってる
魂を教えることはできない
そもそも
魂を教えることはしない
精神論で支えられる部分は
言葉から受ける印象ほど広くない
それでも
教えるというところに
ひ ....
つめを噛む
黙っていてものびてくる
そのつめを噛む
噛み切ったぎざぎざの切り口を頬にあて
自らを削ぐように滑らせるとき
痛みとともに描かれる白い線には
まるで罪などないのだ ....
夏のはじまりは
いつも雨
何処からともなくきこえてくる
海のうた
(セイレーン)
還る場所をさがすように旅をする
あの波の繰り返しのように響いてくる
記憶のような満ちひきに名 ....
蟻と会話をする少女といっても
それほど不思議な出来事ではない
むしろ日常の一部に自然と吸い込まれて
その自然ということにしっくりとくるのだった
その少女はサッカー部のマネージャーで
....
もうずいぶんとむかし
あなたはたしか
「砂漠のなかで金の粒をさがすようね」と言った
僕はそれはちょっと違うんじゃないかと言いそこねた
きれいな空をそのままうつしたような海の
ちょうど ....
どうしょうもなく渇いてしまえば
身軽になるものだというように
からから笑いながら波打ち際の
空き缶の口元を叩く
浜辺の砂
※
昨日までわたくしは海の中におりました
かつては地 ....
ピンクのクレヨンで太陽を描いた
みさちゃんが先生に怒られてるのをみて泣いた
だってみさちゃんはピンクで太陽を描きたくて
それを怒るのは可愛そうだと思ったし
ぼくが赤のクレヨンで描いた太陽よ ....
きれいな空があることを
忘れたくなかった
雨が降るのを
真下から見上げて
見上げた空がきれいであることを
確かめたかった
降りそそぐ雨が瞳からあふれても
それを ....
シーラカンスという名前は
ギリシア語で「中空の背骨」という意味で
原始的なそのつくりは弱々しく
外見のゴツゴツした印象からは想像できない
けれど普通の魚と比べて多いヒレは
しっかりと ....
高校二年で剣道三段のその生徒は
「30cmの棒があれば先生を倒せますよ」と
とても冷静な顔で言う
なのでシャーペンより長いものは
できるだけ持たせてはいけないと思っている
僕は六年前 ....
オレンジの雲をかじる
甘酸っぱい空気を冷やして飲んだ
気流が発生する前の
静かに流れる朝は鳥の声に押されて
ようやく白い地を染める
地球の回転は空の綱引き
勝ち負けのない勝負は ....
今年はじめての風邪をひいて
布団の中でまるまっていたいのに
僕は先生なんて呼ばれたりしているので
待っている子供たちのために教室へ行く
ところで
そこの教室の窓はとても大きい
僕が ....
ああ わかってる
どうせ僕には君たちの言葉なんてわからない
飛べもしない翼で空を指さす
それが何を意味しているのかなんて
僕にはわかるはずもないんだ
「飛びたい」と訴えているよう ....
迷走した夜明けが今日に辿り着いた
しまい忘れた記憶が日に焼かれ
過去になりきれなければ後悔になる
(朱の刻)
その頃眠りにつくのがいい
いろんな唄も聞こえるだろう
そ ....
すべての生きものに終わりがあるように
今日という日が暮れてゆく
プラスチックの透明感が
美しいと感じられない
空っぽのペットボトルを
赤く染まった空に透かし
屈折す ....
いずれは誰にでも
やってくる終わりのときを
誰が教えてくれるわけでもないけれど
それはまるで
人生という山に積もる雪が
まさにその季節に向けて
静かに融けてゆくように
....
一人になって
ふと疲れを感じる昼下がり
もう数えていないのと
ぽつり呟くあなたを
抱きしめたら壊してしまいそうです
指先で宙に描く願い事
それが何だかわかりませ ....
幾多の苦難を
一つ一つ思い出に変えながら
今日も夜空には過去が浮かび
月影は淋しさをなぞるように
きれいな円を描いている
たとえば
「さよなら」の四文字を
どの星にあてはめれ ....
ふと動物園に行きたくなったので
ふらっと電車に乗り込んで
ふらりと向かった
「水曜日は休園日です」
がっくりしてまたガタゴト
帰りの電車に揺られる
電車の中に居る人を眺 ....
ゆきゆきて花びら落つ
されど
世はさむざむと語るも虚し
日差しさやかなることを願い
枝先に残るつぼみに
その時を問う
また一片の行方を見やれば
地を春色に染め
伏 ....
ああ 今日は
なんて美しい音色だ
風はすこしばかり強すぎるけれど
これは春なのだから仕方ない
それよりそこかしこで
草も木もみんな楽器みたいに
お互いをこすりあわせている
風が吹 ....
(美しく生まれたかったと
思ったこともありました)
ある日
一羽のチョウが迷い込んできて
羽を持って生まれてきた生き物は
そんなふうに飛ぶのが
当然なのだというように
ゆら ....
「積み木」(1)
積み木積んで積んだ高さに驚いて
積み木積めば積むほど寂しくて
(きっかけなんてゆうものは
ほんのささいなものだから
一番下のどれか一個引き抜けば
....
かた目をつむってご覧なさい
指先に抱えた透明を
明るさに透かして見えるのは
ある日の空や海だったり
はたまた宇宙のように綺麗でしょう
その水結晶の輝きは
確かにあなたの瞳の薄い ....
迷走した夜明けが今日に辿り着いた
しまい忘れた記憶が日に焼かれ
過去になりきれなければ後悔になる
朱の刻
その頃眠りにつくのがいい
闇と格闘した疲れを明るく癒す ....
海はこんなに広いのに
もう何でも知っているような顔をしてる
マンボウ
君はいつもゆっくり泳いでいて
ぼーっとしているようでも
その瞳はやさしい
君のように泳げたらと
とき ....
薄曇の昼下がり
住宅街の静けさは重苦しい
声をからして叫んでも
余計に淋しくなるからやめておこう
無表情に時を告げる時計
窓の外には音もなく揺れる小枝
こんな日でも世界は動 ....
胎児のような寝相も
遠い記憶のせいだとか
僕はひざを抱えて眠る
それが一番楽な姿勢なんだよ
間接がすっきりおさまって
頭からつま先までが一つになる
そう 一個の人間にな ....
降りつづく雨は涙であるという
土をさらい根をあらわにして
僕の虚勢を暴いてゆく
両手を広げれば
僕はまるで木のようであるのに
こんなにも簡単に倒れてしまう
水溜まりには
強が ....
佐野権太さんのベンジャミンさんおすすめリスト
(66)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
「カブトムシ」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
09-7-7
「魂の授業」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
09-6-23
「つめを噛むのをやめなさい」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
09-6-3
「夏のはじまり」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
09-5-24
「蟻と会話をする少女のお話」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
09-4-28
「やさしい唄をきかせてください」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
09-4-21
「砂の記憶」
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
08-7-25
「模索する太陽_(みさちゃんとぼくの色)」
-
ベンジャ ...
自由詩
16+*
08-5-31
「空と大地のあいだで」
-
ベンジャ ...
自由詩
14*
08-5-7
「シーラカンスは胎生なんだ」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-4-9
「バンブーソード」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
08-3-25
「明け方の月はよく笑う」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
08-3-21
「空を見たいと思うとき」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
08-3-19
「動物園のペンギン」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
07-6-18
「朱の刻」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-6-13
「黄昏る」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
07-6-9
名残雪
-
ベンジャ ...
自由詩
8
07-4-29
「今日生まれたあなたへ」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-4-14
「月影」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
07-4-13
「動物園」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
07-4-6
「春」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-3-23
たとえば歌をうたうように
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
07-3-14
「チョウ」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
07-3-9
「積み木」_(5作品)
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
07-3-2
「ビー玉」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-2-28
「毎日が違う目覚めなら」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
07-2-27
「おしえてマンボウ」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
07-2-22
「だって僕はここにいる」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
07-2-20
「からだの記憶」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
07-2-17
「そんな生き方」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
07-2-14
1
2
3
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