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ひとりよりもきっと 
ふたりきりのほうがいい 
ふたりきりよりもきっと 
ふたりの間を結んで 
黄色いはなうたを 
空に奏でる 
小さい、小さい 
手のひらがあるといい 
旅人は{ルビ叢=くさむら}に埋れて 
横たわり  
いちめんの空に 
浮雲の群を見ていた 

それぞれに{ルビ流離=さすら}う雲は 
違った形の膨らみで 
西から東へ流れゆく 

自 ....
 今から30年以上前に高田馬場で朗読会を
していた上手宰さんは僕が尊敬する詩人で、
4月の「ぽえとりー劇場」は世代を越えて詩
を共有する雰囲気になったのが、とても嬉し
いことだった。そして、長 ....
思えば今迄数えきれぬほど 
脱いでは洗い 
洗っては干し 
畳んで仕舞う 
引き出しから取り出しては 
毎朝少々気分を変えて 
鏡の前で服を着る 

昇っては沈む 
太陽の数ほどに  ....
この世の中の 
99ぱーせんとは 
まったく可笑しな冗談でできている 
のであ〜る 

からして 

かつて古の先人が 
「目には目をっ・・・!」 
と言ったように 

吾輩は  ....
新宿駅のホームで 
母親が呼んだ駅員は 
先っぽがクワ型の棒で 
線路から何かをつまみあげた 

猫の死体か何か?と 
恐れおののき見ていたが 
つまみあげたのは 
桜色の靴だった 
 ....
喫茶店で読む 
本を閉じて 
顔を上げると 

昨日の散歩中 
ふたり並んで覗く 
川の水面の鴨達に 
袋から餌を蒔いていた 
夫と車椅子の妻が
僕の前の席に座り 
テーブルに置か ....
雪のつもった日のバスは 
渋滞でみんな遅刻のはずなのに 
なぜかこころやさしい 

雪化粧の街を窓外に眺める 
人々をぎっしり乗せた
バスのなか 
ネクタイのよれたおじさんが 
あんパ ....
背の小さい盲目の少女が 
ノッポな友達と腕を組み 
うれしそうに通り過ぎた 

コートのポケットに 
両手を突っ込んだぼくは 
耳に入れたイヤフォンから 
Bump of chicken ....
甘っちょろい顔をしてたら 
隙を突かれる世の中なので 
日々の仕事に入ってゆくと 
{ルビ般若=はんにゃ}の仮面をわたしは被る 

青いイルミネーションの並木道を 
恋人達が手を繋いで歩く ....
今は亡き作家が
生前過ごした祈りの家を目指し 
地下鉄の風が吹き抜ける 
階段を地上へ上る 

煉瓦の壁に掛かる白い看板に 
一行の言葉が浮かび上がっていた 

「 Be yourse ....
ましろい壁に伏せた顔を 
100数えて振り向くと 
そこは360°静まり返った 
今日という日の地平だった 

いつのまにか鬼になっていたぼくは 
今から探さなきゃならない 

閉ざさ ....
亡き人を偲び 
酒の机を囲むと何故か 

予想外におまけな 
一本のビールや 

皆の和に 
入りたそうな誰かの為に  
余分なグラスが運ばれる 

皿に盛られたつまみはどれも 
 ....
{ルビ霞=かすみ}のかかる朝 
交差点を横切る車の窓に 
雲間から射す 
日が光った 

( 冬の澄んだ路上に浮かぶ 
( かたまった光の残照 

次の瞬間 
「通りゃんせ」の唄は流 ....
江ノ電の窓辺に{ルビ凭=もた}れ 
冷たい緑茶を飲みながら 
ぼうっと海を見ていた 

突然下から小さい手が伸びてきて 
「かんぱ〜い」 
若い母の膝元から 
無邪気な娘がオレンジジュー ....
視界に入った 
地面の上の
{ルビ蟷螂=かまきり}に 
思わず急ブレーキを握り 
ペダルを止める 

足元に 
身じろぎもせず
老兵のように 
土色に身を溶かした 
秋の蟷螂 
 ....
昼寝から目を覚まし 
休憩室から職場への 
一本道を歩いていると 

路面に置かれたひとつの石は 
忘れられてもなぜかまあるく 
不思議とぼくを励ました 
{ルビ雀=すずめ}の親子が列になり 
1・2・3・・・ 
路上のひなたに
小さい影が跳ねている 
藍色のカーテンを
閉め切った部屋で 
スタンドの灯りに
照らされた机に向かい 
すれ違うこともないだろう 
百年後の誰かに手紙を書いた 

万年筆を机に置いて 
深夜の散歩に出かけると ....
わたしという 
一人の凡夫は 
目には見えない
風の絹糸で 
見上げた夜空に星々の巡る 
あの 
銀河のメリーゴーランドと 
繋がっている 
「親父はがんもどきだね」 
「お前は豆だよ」 

「母ちゃんはさといもだね」
「いいやじゃがいもだ」 

「婆ちゃんはもはや梅干」 
「それはそうだな」 

ぱりっとした衣に
じゅ ....
車椅子に座る 
小さいお婆ちゃんを 
前から抱きかかえる  

少し曲がった 
「 人 」という字そのものに 
なれた気がする 

ごめんなさい、ごめんなさい 
と繰り返すので
な ....
幼稚園生の頃 
憧れの若い保母さんと 
いっしょに風呂に入った 
夢を見た 

20年ぶりに 
同窓会で訪れた幼稚園の庭 
 
不思議なほどに 
あの頃よりも 
狭かった 

 ....
古い日記の頁を{ルビ捲=めく}ると 
遠い昨日へ 
葬られた{ルビ女=ひと}の名前 

( 霞の向こうに立つ、その人影 ) 

左手首に巻いていた 
あの日の腕時計は 
いつのまに、{ ....
犀川の 
芝生の土手に腰を下ろし 
静かな流れをみつめていた 

午後の日のきらめく水面には 
空気が入ってふくらんだ 
ビニール袋が浮いていた 

近くで
ぴちゃりと魚が 
跳ね ....
風ノ葉 

こころには 
埋まることなきすき間あり 
葉の揺る茶屋に 
独り佇む 



椀 

{ルビ空=から}の{ルビ椀=わん}
ひかりのにじむ 
底のまるみに 

 ....
風船の顔をした 
君の彼氏が 
口先ばかりの愛を囁くので 
「 死にたくなった 」と 
君は深夜のメールをぼくに送る 

驚いて、瞳もぱっちり覚めたので 
深夜の散歩で月を仰いで 
川 ....
 {ルビ赤煉瓦=あかれんが}の橋を渡る 
 傘を差した婦人がうっすらと 
 遠ざかる面影映る 
 Cafeの窓 

 四角いテーブルの前には 
 文学館で偶然会った詩友が 
 詩について ....
窓辺の{ルビ日向=ひなた}に置かれた{ルビ壺=つぼ}は 
ざらつく{ルビ表面=おもて}を 
降りそそぐ日にあたためて 
まあるい影を地に伸ばす 

窓辺の日向に置かれた壺は
「何者か」の手 ....
窓辺には 
ガラスケースにしまわれた 
誰かの心臓が置かれている 

真夜中の無人の部屋に現れる 
今は亡きピアニストの面影 

奏でられる旋律に 
永い眠りから覚めた心臓は 
脈を ....
佐野権太さんの服部 剛さんおすすめリスト(105)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
小さい手_- 服部 剛自由詩410-1-1
ペネタの雲_- 服部 剛自由詩909-6-5
愛の詩人・上手宰と「冊」の詩人からの伝言- 服部 剛散文(批評 ...209-5-29
正午の太陽__〜ベランダの夢〜_- 服部 剛自由詩308-11-27
はっとりんを探せ。_- 服部 剛自由詩508-11-1
桜色の靴- 服部 剛自由詩508-3-1
夫婦の食卓_- 服部 剛自由詩408-2-24
雪の日のバス_- 服部 剛自由詩508-2-4
冬の星_- 服部 剛自由詩307-12-27
イヴの夜_〜こころの馬屋〜_- 服部 剛自由詩3*07-12-25
クリスマスの夜_- 服部 剛自由詩1*07-12-25
かくれんぼ_- 服部 剛自由詩6*07-12-20
グラスの影_- 服部 剛自由詩607-12-17
しろいひと- 服部 剛自由詩707-12-15
ウルトラマンの人形_ー江ノ電にてー_- 服部 剛自由詩7*07-11-8
秋の蟷螂_- 服部 剛自由詩3*07-11-8
- 服部 剛自由詩707-11-6
親子の影_- 服部 剛自由詩3*07-11-6
宛名の無い手紙_- 服部 剛自由詩6*07-11-5
風の絹糸_- 服部 剛自由詩707-11-4
串かつの夜_- 服部 剛自由詩7*07-10-24
「_人_」_- 服部 剛自由詩18*07-7-18
初恋のひと_- 服部 剛自由詩3*07-6-25
浜辺の女_- 服部 剛自由詩10*07-6-25
犀川_- 服部 剛自由詩18*07-6-12
〜金沢小品集〜__- 服部 剛短歌12*07-6-12
不思議な交際_- 服部 剛自由詩14*07-6-4
鏡ノ国_〜港の見える丘公園にて〜_- 服部 剛自由詩1007-5-30
日向の壺_- 服部 剛自由詩10*07-5-24
窓辺の心臓_- 服部 剛自由詩12*07-5-24

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