それでも止めないのは
あの一言のおかげだと思っている


『最期の写真家』


気付いたのは
老夫婦の写真を撮った時だった


仲の良い夫婦で
金婚式の記念にと
シャッターを ....
昼下がり
雲がぼやぼや流れている

ハラピンが道を歩いてきた
ぼーとしながらふらふらしている
俺を見ると
ダッシュでやってきた

汗でふにゃふにゃした原稿用紙を押し付けてきた

読 ....
小さい頃

雪っていうのは神様が落とした

宝石だと信じていた




人が亡くなって
魂が神様のところに逝く

また人間として生まれ変わるとき
人間だったときの記憶は
宝 ....
おかもと君は
わたしの初めての人に
なってもいいと思ってたのに
夢ばかり語って
てんこーして行ってしまった
手紙を書くよと言ったきり
年賀状もこなかった

おかもと君の夢は
とほうも ....
電車が動き出す
もうすぐ地下を抜け
地上にでる
在るはずも無い風景
白い曇り日
多摩あたりに向かう
神社や商店街
見慣れた居酒屋
風の匂い
空気の湿度

ガタン

風景が一つ ....

夕暮れの遠くに霞む
四台のクレーン車は
輪を描くように向かい合って
なんだか
太古の昔に滅んだ恐竜の
弔いをしているように見える


朝に洗濯物を干す母親は
太陽に両腕を広げ ....
母なる大地に降り注ぐ光は

母のように包み込む優しいものでした
今日を 眠る
凍えた 冬枯れ
落とした 夏の日々

ゴツゴツ か細い枝

そして 冬を空想の豊饒で眠る
微動だにしない 

脳神経のフラクタル 木々の骨
ポーズを決めたら 風に答え ....
こころをとうめいにすかして
ちいさなナイフをつきたてて
雪の結晶を食むようにして
くちづけようか

ここはとてもさむくていいところだね
きみの睫毛も凍っていて 
とても可愛らしい

 ....
真実は二次会にある
アンパンマンとばいきんまんも
水戸黄門と悪代官も
きっと誰も知らない所で
「お疲れちゃーん!」とか言って乾杯しているに違いない
演技だからとかじゃなくてマジで。
黄門は ....
お話伺ってもよろしいですか。
いやあ、素晴らしい跳躍でした。
切なさからはかなさへの大ジャンプ。
パーソナルベストも更新しましたね。
最後の直線で希望と絶望、
熱望や羨望が入り乱れる中でも
 ....
けふは ほんとうの
し を  かこうと
おもう いま までのは
みんな うそっぱち さ
へへへ
{ルビ梔子=くちなし}の満開の下へは
決して近寄ってはいけない



『クチナシの木の満開の下』




子が出来ぬ
という理由で離縁された女は
梔子の花しか食べられなくなった ....
君はもてるタイプなのかな

君のいるそのレストランから
少し離れたところで

さっきからずっと
空中戦が展開されている

君は知らん顔
すまして食事中

可愛い声で鳴きながら
戦いは続 ....
この絨毯を、

歩いて行けば、

あなたに逢えるでしょうか。

それとも、晴れ間に邪魔されて。

逢えないのでしょうか。



歩いて、みましょうか。
今日一日を生きることで
精一杯だったので
寒い日だったことは覚えているけれど
空が透き通るような青だったかどうかは
わかりませんでした

今日一日を生きることで
精一杯だったので
温か ....
人がなぜ目を持つのか
明確な答えはない
愛するものを見るためか
憎むべき相手を睨むためか
どちらにせよ人は
目に見えるものに縛られる
本当に大切なものは
目に見えるものではないと知りな ....
水平線が夕日を融かすというので
その仕組みを知りたいと
渡し船を探しに海岸づたいを
西に向かう、それが私たち
綺麗なものばかりを
追いかけてはいけないと
釣り人が忠告したが、僕たちは
綺 ....
脱ぎ捨てた靴下のように
二人分の日常が床に転がったまま
今にも歩き出しそうなのは
きっと逃げ始めた体温のせい
鏡越しに いつのまにか
髪が伸びたあいつに舌を出す
時間なんて残酷で
最後の ....
水素原子と酸素原子だけが
一定の割合で結びついてできた水は
確かに純粋な水であろう
綺麗な水なのかもしれない

では美味しいのか
答えは否であろう
純粋な水ほど美味しくない

ならば ....
恋をしなさい

理性抜きの
今日の運勢悪かったから
明日とカミサマに

あたしからPEACE!
一晩中齧り続けていたんだろう
プラスチックの値札にたくさんつけられた
君の歯型

僕は茹でたカニをリュックにつめながら
君に謝る言葉を考えてる

遠く列の先では
レジ係の人が自分の仕事 ....
母さんの作ってくれた焼そばには
キャベツばかりがあふれていた

いう詩を描こうとして

母が
焼そばを
作ってくれたことなどないと
唐突に気付く

コウちゃんはというと
正確に ....
胸に火を灯す、だと
まだ暗いので
こう言おう

俺は胸にお前を灯している
お前に灯されている
彼は
勝つためだけに生まれ
勝つことだけしか許されなかった

勝つ論理しか与えられなかった彼にとって
勝ちとは
強いとは
定義や疑問をもつことすら許されなかった
彼は
勝ち続けること ....
とりとめもない、セックスのはなし

セックスは、好きでもないけれど
たぶん、嫌いでもないのよね、と
彼女は昨日見た映画の感想でもいうような口ぶりで



?

あなたとセックスした ....
滴が。
朝の、


窓枠を二つに分けるようにして落ちていく。
今も手を伸ばせば壊れてしまいそうな足跡。
遠くなっていく風景写真をいつも隣に置いている。
あの日、行方知れずの人が今も笑いか ....
はがきをかってきてください
かわむこうのおみせにたちよって
はがきをいちまいかってきてください
呪文のような声がして
我に返る

誰もいなくなった
午後の大通りには
牛車がのろ ....
これといって意味はないけれど
コーヒーカップを買いました
ただ買っただけなので
無駄遣いでしたが
人と話がしたくなりました

これといって意味はないけれど
車で県内を一周しました
ただ ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
最期の写真家- 蒸発王自由詩8*07-1-16
雲はぼやぼや- ふるる自由詩14+*07-1-16
雪の記憶- 愛心自由詩14*07-1-16
おかもと君の夢- ふぁんバ ...自由詩35+*07-1-16
泣く子は誰だ- プル式自由詩8*07-1-16
祈りに関する情景- 吉田ぐん ...自由詩19+07-1-16
陽光〜ひかり〜- 朱華携帯写真+ ...2*07-1-16
木々の秘密- アハウ自由詩307-1-16
エスキモー- moof ...自由詩407-1-16
二次会の世界- 新守山ダ ...自由詩14*07-1-16
インタビュアー・エレジー- ブルース ...自由詩307-1-15
そろもん(釈明の話)- みつべえ自由詩307-1-15
クチナシの木の満開の下- 蒸発王自由詩11*07-1-15
可愛いメジロ- weed & s ...携帯写真+ ...2*07-1-15
雲色絨毯。- 狠志携帯写真+ ...607-1-15
精一杯の一日なので- ぽえむ君自由詩10*07-1-15
星屑の記憶- アマル・ ...自由詩607-1-15
野良犬は果実の名など知ることもなく- たりぽん ...自由詩12*07-1-15
裸足で帰ろっか- Rin.自由詩19*07-1-14
純粋な文章ほど美味しくない- ぽえむ君自由詩15*07-1-14
君らしく- haru携帯写真+ ...6*07-1-14
明日にPEACE- 愛心携帯写真+ ...7*07-1-14
制度(スーパーマーケット)- たもつ自由詩707-1-14
おたふくソースをいっぱいかけて- umineko自由詩7*07-1-14
ひとふしの火屋(ほや)- 吉岡孝次自由詩407-1-14
常勝することよりも上昇したかった- ぽえむ君自由詩8*07-1-14
とりとめもない、セックスのはなし- 砦希(ユ ...自由詩807-1-14
あの日、行方知れずの- 霜天自由詩1207-1-14
あしたのかぜのむこうがわ- あおば自由詩21*07-1-13
これといって意味はないけれど- ぽえむ君自由詩10*07-1-13

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