雨の中
セカンドバックに
滴がポタリ
そして吸い込む

郵便屋さんの
青いシャツが
水玉模様の痕
緊張している

ナスタチウムが赤と黄色で
咲いている。
この花エディブルフラワ ....
わたしはこの広大な大地の末端にすぎない
空を目指して大きく強くならなければ
いつか刈られてしまう枝葉にすぎない

でも枝が幹となるにつれ
支えるものが増えていって
その重みに耐えきれず
 ....
どうやら朝を迎えたような気がする
朝の日差しに目覚める窓ひとつ無い部屋
暗闇に閉ざされたキューブとでも
例えられそうな この狭い部屋のなかで
確かに感じられるのは
未だ眠りから覚めぬあなたの ....
俺は決してヒーローじゃないから君を胃腸炎から救えやしない


「幻聴もあなたの音楽そうだよね。だから信じていいんじゃないかな」


「もうこれは切り離すしかないですね」競馬が趣味の医者 ....
夢の向こうで鳴り響く銃弾に
赤子は薄く目を開く
帰還したうつつのゆりかごから
父母の心根を想起して
緑の虫との区別をつけて
つけようとしてつかなくて
つかなくて
泣く
母の優しい呼びか ....
お前にそっくりな
ひよこ豆をゆでる

おまえにそっくりな
ちいちゃな鉤鼻と
これまたおまえにそっくりな
ちいちゃなおしりがついている

圧力釜なら早いが
ああ、
それはぜんぶお ....
空気は夏色に染まり
空の青さにも透明が混じると

今年も
『カミナリ玉』
がハシリの時期になった


深緑に走る
黒い稲妻が

球体になって
八百屋に並ぶ

値段は詐欺 ....
雨を待つ君

明日を待つ私

並んで
風に揺れる午後
駅を降りると
なつかしい高島屋のマークが出迎えて
僕のこころはすっかり
あの日歩いた川岸の街並に吸い込まれて

けれども
いくら探しながら歩いても
なつかしい雰囲気のするだけで ....
ある晩
月の灯りをあびて
一匹のカエルが
言論の自由を主張した
そしてほんとうのことを言った

それはほんとうに
ほんとうのことだったのに
ほんとうに
ほんとうのことだったので

 ....
#21

 毎日のように
 悪趣味な犬のイラストが描かれた
 ド派手なネクタイをしてくる男が
 あたしの勤め先にいるねん

 一昨日はブルドッグ
 昨日はポメラニアン
 今日はダック ....
  窓の網目の向こう側


  揺れる緑

  ブランコの白

  減りゆく隙間から

  時間を走る

  自転車の銀


  今日の内側は

  青い空のおかげ ....
「えくぼ」


六月の風にゆれる
さくらの葉っぱ。
よく見たら
ぽつぽつ 穴があいている。
虫に食べられてしまったのだろうか?

穴は どこかの虫の命を みたして
穴は みずみずし ....
暗い窓枠の隅で
夏虫が遠慮がちに
ヂィリヂィリと鳴いていて

OA機器の明かりは
てんでばらばらに部屋へと落ちる

何故か
貴方を思い出したんだ

まだ髪は黒くて
桃色の膨らんだ ....
1、

ある朝起きたら母さんが
顔を剥がしていた。

止めようとしたけど怖かったから、柱の陰に隠れて見てた。

あちこち痒かったから(かいたら芽が出るわけだけれども)「痒い」に集中してお ....
海で眠る


大きい貝は見えない
貝は大きいから見えない
貝は大きいから見えない貝だから
大きい貝だから見えない貝だから見えない


身体ごと


くるりと曲げてしまってしまお ....
犬の耳がわたしを駄目にする
駄目になったわたしは
大きな桃になって歩く
途中遠回りして
家族に小さな菓子を買った
今日はかけっこで一等になった
娘は得意げに話してくれたが
何メートル走か ....
みずうみ、の真ん中にたち、わたしはいっぽんの樹になる。

ふいていく風、わたしの身体をつきぬけ、
 腕をのばすと、せかいのかたむきから、はなたれる。

わたしの枝いっぱいの葉たちをそよがせる ....
今晩も私のご主人様がお話してくれます。

会社で何があったとか、友達がどうだったとか。

私はご主人様の話を聞くのが大好きです。

ご主人様が何を想い、何を感じてこられたか

ご主人様 ....
少年少女たちが つどって
いっせいに 深呼吸をする 
青空に 結節性陰影もなく
きよらかで わたしには
死ぬほどの 毒である
しずくのことは
一輪、
二輪、と数えあげたく
青空ならば頷いてくれるだろうか と
躍らせた髪


真昼の月の通い路と
銀色乗せた浅瀬の流れは
中空で いま
十字を結ぶ

か ....
「君はNT(ニュータイプ)かもしれんぞなもし」

誰が言っていたかも忘れた
この怪しげな言葉を信じて、はや十年
僕は、自分がNTだと確信した
NT、はつまり、新人類
人類の中でもさらに進化 ....
 子供の頃から
 一人だと感じていた

 見栄を張り合う親の中で育ち
 親の顔色をうががって過ごした幼少時代
 
 心を通わす友達もいなくて
 弟 妹を虐めて
 心の憂さを晴らして ....
黒に染まる夜は
怖い
闇にある光は大好きで
暗闇の中に
蛍をばらまいて
自分の夢を数えている

お寺の鐘は
友達に
バイバイを言えという合図
妙に寂しくなる
そんな鐘がなる6時を ....
まぶたを突き抜けるような明るさに
耐え切れずに目を開けた
先に起きたらしいあなたは窓際にいて
煙草のけむりをほそく吐き出しながら 
晴れたな、と少しうれしそうにつぶやく

目を向けた窓には ....
いたいとき くやしいとき
かなしいときの なみだを
のこらず 如雨露にうけて
ともだちの 庭という庭で
しあわせの 花を育てます
  
 
●関連作品
ガーデニングの話→ http:/ ....
自殺した 友の魂が
あちらこちらで まだ 蠢いている
その


喰ってでも 生きていかねばならぬ
この
修羅


青天が
両手を広げたまま
立ちすくんでいる

どうし ....
粛然として初夏は重なり
カーテンを引く
夏の重さは水面を広げる
わたしたちは口止めをされている
沖の方では服を脱ぐようにして
海の肌が見える
わたしはあなたが好きだっていうことを
莫迦み ....
じっとして
息をひそめていればよかった
そしたら
なにもかもが感極まったままで
なにもかもが仏尊としたままで
かるがるにスキップ
輝かしいばかりの海原
だったろうに

鞄なんかも ....
ただひとり 生き延びた僕に、
残された海。
激しく、荒れ狂った夜は 引き潮に連れ去られ、
空と海とをわかつべく 曖昧な区切りは
さも穏やかに微笑んでいる。

磯際を覗くと、ウミスズメたちが ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
梅雨- ペポパン ...自由詩8*06-6-16
太陽の下- でこ自由詩506-6-16
Morning_Blue- 恋月 ぴ ...自由詩17*06-6-16
組曲- たたたろ ...短歌6*06-6-16
_- 朔良自由詩3*06-6-16
ひよこ豆- 水在らあ ...自由詩20*06-6-16
カミナリ玉- 蒸発王自由詩9*06-6-15
待ち合わせ- LEO携帯写真+ ...18*06-6-15
ふたごパラドックス- AB(な ...未詩・独白306-6-15
言論の自由- しゃしゃ ...自由詩1006-6-14
フラグメンツ(リプライズ)_#21〜30- 大覚アキ ...自由詩406-6-14
『日差し色』- シュガー ...自由詩6*06-6-14
なにもないうた。- まほし自由詩48*06-6-14
記憶遊び- 明日葉自由詩4*06-6-13
その頃- ミゼット自由詩5*06-6-13
大きい貝- ふるる自由詩14*06-6-13
境目- たもつ未詩・独白8*06-6-13
みずうみの樹- 光冨郁也自由詩806-6-13
月下美人- 蛙の子自由詩206-6-13
そろもん(ラジオ体操の話)- みつべえ自由詩606-6-12
桜残照- 千波 一 ...自由詩19*06-6-12
オールドタイプとは違うのだよ- 美味自由詩2*06-6-12
肩にかかる重み_希望に変えて- 山崎 風 ...自由詩5*06-6-12
少年コーラ- ゆうさく自由詩5*06-6-11
匂い- 万里自由詩706-6-11
そろもん(ガーデナーの話)- みつべえ自由詩406-6-11
生きてから_死ね- 第2の地 ...自由詩906-6-11
カーテンを引く- tonpekep自由詩11*06-6-11
茅屋- ミネ自由詩106-6-11
Sirens_☆- atsuchan69自由詩7*06-6-11

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186