上空高く飛行機は飛ぶ
二人はその下深くで手を繋ぐ
初夏の匂いがブラウスを抜けると君は言う

子供達は公園の小さな川で身体をつける
アスファルトの様な焦がれた熱を冷ます
僕らは日陰でその{ル ....
 鳴かぬなら 私が鳴こう ほととぎす この子 大きや


まろき頬を
背なにのせて
まどろむ 吾が子


金魚の べべ着て
へご帯
締めて



から ん  ころ ん

赤い つまさき
鼻緒で
すれて
 ....
横っ面を殴ってくれ
失望に安堵したい
その優しさを
嘘だよと言ってくれ
全てが覆された失望に
ああそうかと安堵したい
加減しないで殴ってくれ
夢は見たくない
失望に安堵したい
今日死んだ太陽の
お仕着せな光を反転させて
月が夜を奪う偽物の夜
太陽を復活させる呪文
水晶を微電流で虐めて
僕たちも一緒に
ふるえる

  言葉が聞きたかった
  なのに
  誰 ....
泣いたよ
思い出したら
あっさり出てきたよ
あの時は
全然泣けなかったのに
そしたら一緒に
あの歌も思い出して
思わず歌って
歌詞わかんなくて
結局ラララ
 タラの芽を採りに

 山に入ったら

 先にあさるものがいた

 トリ

 野のトリ




 トリにはかなわない

 トリの歯型のついた

 きずものを手に ....
真夜中にはかなく舞い飛ぶ

黒アゲハは暗闇にとけ込んでいなくなった

夢の見過ぎで狂った世界の

中で僕はまた孤独のままで

君が泣いた涙がはじけて

世界に響き渡った

一つ ....
梅雨の晴れ間を狙って
そっけなく届いた封筒が愛しい

きみが指を強く押し付けたはずの
テープをもどかしく剥がす、剥がす
剥がすと

草色の便箋に並んだ文字が
少し潤んだ懐かしい声に変わ ....
もしも
わたしが




もしも
私がそうだとしても
愛してくれる?

空はこんなに高いのに

緑がゆれて
間から光が挿すのね

私は怒りに溢れているけれど
 ....
「何だって? 半額になる前に
 あのバックを買ったのか?」
「ごめん、彼女の誕生日までに
 値段が下がらなかったんだ」
「おい、半額マニアとしてのプライドは
 どこに行ったんだ?
 買い物 ....
指だけでつながって
あなたはひだりがわを
私はみぎがわをみつめてるの
つまづきそうになったら
ばかにするみたいに笑ったけど
でもつながった指にぎゅっと力が入った
苦しくなったら目も合わせら ....
天井から弾かれた様に落ちる滴
それを受ける輪郭の薄い碗
高い波紋は縁を越えて畳を濡らし
残りは緩い波となって、また静まりかえる

幻想と妄想の別も曖昧になるほど
スコッチを{ルビ呷=あお} ....
あさがくる。
わたしはかがんだ姿勢で、静かに息をのむ。

空からおとされた、その夢から覚めきらず、
湖の底から、
裂けた形をした空を見上げる。
藻にからまり、
わたしは力なく、湖面をあお ....
加瀬さんの実家にイチゴ狩りに行った
シーズンが過ぎると職場の同僚とその家族を呼び
完熟して出荷できなくなったイチゴを取らせてくれるのだ
妻も娘も毎年その行事を楽しみにしている
昨年も一 ....
おっぱいは夜明けの頃がいい
まだ暗い丘を踏みしめていくように
夢と{ルビ現=うつつ}の{ルビ間=あわい}をなぞるように
その危ういしなやかさに頬を預けたい

夜のおっぱいがいいのは言うまでも ....
強がった右手に
透明の微熱を握り締めて
失くしたものが届くのを待っている

帰り際には
いつも 何かが足りない
何一つ
持たずに出かけた
そんな日でさえも


昨日も来た道を
 ....
笑顔は大事です
職場の花たれ
何かおかしいことがあったら
上司にすぐ伺いをたてましょう

あ、 蠅
課長、お家から連れてらっしゃったんですか?
ペット


学習は反復です
教育は ....
本屋で官能小説を難しい顔をして読んでみる
ん、違うとか時々こぼしながら
直接的な表現よりも
唇をなぞるとか
汗ばむとか
息遣いがとか
そんなフレーズに少し気をとられながら

寂しい一人 ....
「狐つき」

こん と ないてはなりませぬ
こえをあげては なりませぬ
とられたくない だいじなものは
かくしておかねば なりませぬ

くらいよみちは こわいけど
ふきさすかぜは つら ....
夕焼けはすべてを染めるのだ、と あなたは言った                                                         夕闇はすべてを覆うのだ、と あなたは言っ .... 瞼の裏に
ゴロゴロがある

閉じてみる

小さな円を
眼球で

ゴロゴロが動く

痛みはない

そこにない
ゴロゴロらしい

タバコに火をつけてない

咥えたまま
 ....
矢車草が咲いた
どこに行くのか
よく判らない
この道の辺に咲いた

青い小さな草は
私の歩みにしたがって
くるくると
風を孕んで
ゆらゆらとゆれる

お前の白い太腿は
この
 ....
夜明けの街を
一台のインクジェットプリンターが
走り抜けていく

どこからか受信した文字のようなものを
ありったけの紙に印刷しながら
おそらくそれは全力で
疾走していく

雨上がりな ....
にわか雨は窓ガラスを叩く激しさで
海辺の汐臭さをわたしの部屋まで連れて来た
波音のひたひた寄せるテーブルで
いつか拾った貝殻の擦れる音色がする
ハンガーにかけたわたしの白いブラウス
温もりの ....
ぼくは詩を書きたい

人は安堵を求めるために
漂い彷徨う

今日もまた

朝の散歩をしていると
詩に出会いました

丘の上に
ひっそりと石に刻まれた
一編の詩

 人は安堵 ....
ビーカーに水を入れ
アルコールランプを点けた
みるみる沸いた

何が実験だ
湯を沸かしているだけじゃないか
そう思った理科の時間

それからだって
今日だって
数え切れないほど
 ....
若葉が元気良く
伸びようとしている
何にも知らずに飛び出す。
その生命力の強さ

朝露を浴びて
光線に輝いて
安心を抱いて
声を唸らせて

純粋な心
正直な気持ち
素直な少年
 ....
衝動買いしたあたらしい
さくら色のミュールは
今日もぽつねんとお留守番
靴箱で雨音を聞いている

いつものズックを取り出して
水たまりもひとっとび
バスぎりぎりまで朝寝坊

 ....
寂しい亡骸を一人抱いて

浜辺を歩いて一回忌

君よりも一つ多くの夏を知り

君のいない夏をまた一つ多く知った
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初夏の匂い- 海月自由詩5*06-5-30
鳴かぬなら- 山崎 風 ...川柳10*06-5-30
この子_大きや- まほし自由詩10*06-5-30
そして- /N自由詩506-5-30
矢文、我に放て- たりぽん ...自由詩12*06-5-29
ラララ- 茜幸美自由詩2*06-5-29
トリにはかなわんよ- 杉菜 晃自由詩4*06-5-29
スクランブル交差点- こめ自由詩906-5-29
トパーズと六月- 銀猫自由詩12*06-5-29
といっても私は狂っているわけではない- 初代ドリ ...自由詩8*06-5-28
半額マニア- イオン自由詩2*06-5-28
なけなしの愛してる- 茜幸美自由詩1*06-5-28
滴と器- 美味自由詩3*06-5-28
朝がくる- 光冨郁也自由詩15*06-5-28
僕たちは声を押し殺して手をつなぐ- たもつ自由詩14*06-5-28
おっぱい- 大覚アキ ...自由詩9*06-5-28
これから- 自由詩5*06-5-28
退職- 山内緋呂 ...自由詩21*06-5-28
一人遊び- 暗闇れも ...自由詩3*06-5-28
狐月夜の物語_(三つの狐つきのうた)- 降旗 り ...自由詩17*06-5-27
明暗- smorzando携帯写真+ ...3*06-5-27
喫煙所- よーかん自由詩4*06-5-27
矢車草が咲いた- 黒田康之自由詩606-5-27
夜明けの疾走- たもつ自由詩1006-5-27
E_minor_7th(きざし)- 恋月 ぴ ...自由詩45*06-5-27
ぽえむ君−流浪−- ぽえむ君自由詩6*06-5-27
見る/観る- cyuma自由詩406-5-26
若葉- ペポパン ...自由詩3*06-5-26
*あたらしい武器*- かおる自由詩10*06-5-26
ドギー- 完食未詩・独白506-5-25

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