かいだんを
果てまで上ることにした
上にのぼる程に
ところどころこわれたヶ所があって
下をのぞき込んだら
いっぱいなみだが落ちた

高さには差があるけれど
ひとはそれぞれ
頂を所有し ....
  面白人生講話
 
 俺は近頃何にも面白いことがないので、仕方なくこの文章を書く。

時折詩らしきものを書くのだが、何しろ暇潰しなので、碌なものはできず、女に生まれて

いりゃぺちゃくち ....
「かたまるな、走れ」って先生の声
ほっとして立ち上がる
さなえちゃんを蹴飛ばしちゃったら
泣いちゃったから

あ、またあの感じ
透明になる感じ
太陽がわたしの体をすけすけにして
なにも ....
詩 って なんだろうね?
君がぼくに訊ねる
ぼくは 脱いだばかりの
クツ下のにおいを無心に嗅いでいて
君の問いに答えられない
君の目とぼくの目とが ゆっくり重なる

たとえば 早朝の ....
あおいあめがふります、
貧しい地上に。
遠くのほうで、鈴を、
鳴らして。


真赤な、村で、眠る、
幾千もの、子供たち、
声を、ふるわす、なみだいろの、あめ



あおい戦争が ....
今日の風は西から湿り気と
憂鬱の温度を運んで
まだ頑ななガクアジサイの毬に
青、を少しずつ与える

日増しに色濃いぼんぼりを灯して
夏空の予感を語るのは
滲む青と翠と


傘の冷た ....
手の震えがひどい日は良く眠れない
プラスチック製の消臭スプレーを握ると
少し安定して
それでも眠れない時は
若者向けの深夜放送を疲れるまで見て
やっと僅かばかりの睡眠を得る
昼間会いに行っ ....
 お前の腹が黒く染まってる
 お口はきれい事
 俺を利用できると思ってる
 俺は怒らないと思ってなめてる
 その言葉の裏にひそむトゲ
 この胸にきしんで刺さる
 痛い
 
 怒るのは簡 ....
君思ふわが名流るる滝つ瀬の
   はやき心をたれか止むらむ

紅の色に夏の葉かくす{ルビ山躑躅=やまつつじ}
   いでやかなしき人をぞみゆる

こころありや宵待草にあさつゆを
   ....
  夕暮れ色の飛行船、
  たくさん空に浮かんでいたけれど
  空と一緒の色だったので
  誰にも気付かれないままでした。

  *

  毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
   ....
人間は思春期を迎える前に、
否が応にも"性"が到来して
再びぐちゃぐちゃになってしまう前に、
一度、完成する。
と言ったのは、
明恵(みょうえ)とかゆう
鎌倉時代の偉い ....
久しぶりに口笛を吹いてみたら口が笛になっていた
何度言葉を発してもフィーフィーとしか音が出なかった
周りの皆は大層大袈裟に哀しんでくれていたが
涙が出ている者は一人も居ないようだった
哀しんで ....
闇の中に光を見いだせるのか




そのしなやかな旋律の調べは


木々のざわめきを語り


小川のせせらぎを歌う


繊細な指先から放たれる色彩


鼓膜を通して描 ....
取り返しのつかないことを
バラバラにすると
最後は
光が残った

次に光を
バラバラにすると
結局は
取り返しのつかないことが残った

ああそういうことか
大きく頷いてみた

 ....
{引用=
きみがとなりにいて、まつげの
触れるくらいとなりにいて それは
おどろくほど退屈で いとおしい
午後で}




きのう、オジギソウが発芽して
日記にそのことは書かなかっ ....
ウチは洋風じゃないから
ベッドなんて無くって
布団で寝てる

ウチは新婚じゃないから
ダブルなんかじゃなくって
二組敷いて寝てる


お天気がいい日には
布団を干すけ ....
地下の機械室で
とつぜん白熊が働くことになった
あの北極の白熊である
会社では白熊も雇わなければならない
そのような法改正があったらしい
私の部下として配属された

初対面のとき
イッ ....
今夜はうさぎのお話をします



その詩人は愛するうさぎのために
十日ものあいだ寝食を忘れ
うさぎに捧げる愛の詩集を書いておりました

みなさんご存知の通り
うさぎは淋しいと死んで ....
この頃先生は子供の全てを把握したいのか
不審人物を排除するだけじゃ足らずに
学校内にテレビカメラを設置
見える物だけが全てではない事実を
大人は忘れてしまったのか
自分の目に映るものだけ ....
11月28日(土)晴れ
人に恋することを「心奪われる」っていうけど
もしもそれが本当ならば
心を失ったぬけ殻が
奪われた心を取り戻そうと探しまわって
結局それが
想う人に逢いたいっていう気 ....
喉が渇いて
二階からおりてきたら
リビングには夫がいて
やっぱりテレビをみていた。
最近、休日はずっと
テレビばかり。
ときどきビールとかコーヒーとか
のみながら。
夫の部屋はないから ....
窓辺の{ルビ日向=ひなた}に置かれた{ルビ壺=つぼ}は 
ざらつく{ルビ表面=おもて}を 
降りそそぐ日にあたためて 
まあるい影を地に伸ばす 

窓辺の日向に置かれた壺は
「何者か」の手 ....
朝起きて冷蔵庫を開けたら
祖母が入っていた

さみくてさみくてなんだかも
生ぎてぐのがいやんなっちま
なんて言うので
そんなに寒いのなら
もう死んでしまったっていいんじゃない
と思った ....
沈めて
と願ったその刹那
更に深い夜はやってきて
静かな音を立てて流れていく砂時計
目に見えて時が落ちていく

君の指で触れられたうなじが
私の指先までも痺れさせ
それを悟られ ....
最後なので
くだらない話をしましょう
どうだっていい話をしましょう
ニヤニヤしましょう
だって最後だから
深刻になったってしょうがない
泣いたってしょうがない
自己満足したいなら
それ ....
朝起きると、
夫の蟹を食べる。
水のきれいな土地で生まれ育った夫の蟹は、
沢蟹に似た味がして、
なかなかの珍味である。
蟹は大抵、
夫が寝ている間に、
湧 ....
白詰草の花冠
年上のお姉さんに教わった
作り方
今でも覚えている

手に草の露を付けながら
夢中で編む
その姿は
小さな花嫁のようで

強く生きるその花は
だけど、優しく微笑みか ....
窓辺には 
ガラスケースにしまわれた 
誰かの心臓が置かれている 

真夜中の無人の部屋に現れる 
今は亡きピアニストの面影 

奏でられる旋律に 
永い眠りから覚めた心臓は 
脈を ....
まぼろしか白夜の夢に君を抱く 鼓動ひととき重なりて、泣く

時を打つ鐘の音色も{ルビ夜=よ}の色も白くまどろみ繰り返す「恋」

白夜なら大地もぬくもり忘れずにいるから今宵は許しあお ....
ブラウン管に浮かんだ偽物の海を見ていたら
涙が出てきた
涙も海に帰りたくなったのだろう
あれは偽物なんだよと教えてあげたけれど
あとからあとから
俺も私もと押し合いながら零れてくる
それを ....
佐野権太さんのおすすめリスト(5563)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
やさしい怪獣- tonpekep自由詩12*07-5-30
面白人生講話- 生田 稔散文(批評 ...5+*07-5-30
モーツァルト_ピアノソナタ_kv570_より、第一楽章- 美砂未詩・独白5*07-5-29
もいっぺん、童謡からやりなおせたら(第二稿)- 角田寿星自由詩16*07-5-28
てのひらの銀河(ノート)- 青色銀河 ...未詩・独白407-5-28
夏までの波- 銀猫自由詩21*07-5-28
- たもつ自由詩1107-5-28
お前があげたこぶしにくちづけを- 山崎 風 ...自由詩707-5-28
恋夏草(れんげそう)_______■古語の宴参加作品■- Rin K短歌28*07-5-28
幻視顕微鏡- 嘉野千尋自由詩61*07-5-27
心に吹く風/チンコ特集(コメント欄にて)- おすすめリ ...1+*07-5-26
ドナドナ。- もののあ ...自由詩17*07-5-25
盲目のピアニスト- 渡 ひろ ...自由詩10*07-5-25
午後_p.3- ロカニク ...自由詩7*07-5-25
そんなふうにして過ぎていく- 望月 ゆ ...自由詩56*07-5-25
布団考- さち自由詩8*07-5-25
白熊- yo-yo自由詩11*07-5-25
うさぎは幸せだったか〜愛し方について〜- a/t散文(批評 ...6+07-5-25
*詠えるロッカー*- かおる自由詩8*07-5-24
後悔日詩- 麻生ゆり自由詩5*07-5-24
休日- 美砂自由詩11*07-5-24
日向の壺_- 服部 剛自由詩10*07-5-24
悩ましい朝- 吉田ぐん ...自由詩35+07-5-24
kiss_in_blue- さくらほ自由詩12*07-5-24
最後の夜- チアーヌ自由詩407-5-24
「_蟹。_」- PULL.自由詩19+*07-5-24
花冠- 小原あき自由詩19*07-5-24
窓辺の心臓_- 服部 剛自由詩12*07-5-24
白夜- Rin K短歌22*07-5-24
渚にて水の者ゆえ- アマル・ ...自由詩4*07-5-24

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186