「おかえりなさい」


     胸をしめつける


     この言葉


     「ただいま」
     と言えるしあわせ
 すべてが無に帰ろうと一方通行している
 俺は震えて世界の端にぶら下がっている
 
 いつか見た
 そして凍えた思い出は
 風に乗って北から流れてくる
 自分であり続けることの難しさを
 ....
たとえば
晴天で
海沿い
海岸線
僕はモーターサイクルで
あなたは一艘の舟
並行して走る
僕は大陸を飛び跳ねるが
海原に出られない
あなたは七つの海を越えられるが
陸では乾いてしま ....
通りゃんせ 通りゃんせ

ほそ道に咲く梅が香に
思い出づるは幼き日
祖母に引かれて踏み初めし
天神道の梅まつり

通りゃんせ 通りゃんせ

赤き兵児帯祖母が手で
結びて咲かす梅 ....
昨日までの鬱屈を
雨が洗い流したのか

カーテンを開けると
底抜けの空のあおさが
広がっていた

一週間の汚れを
一緒くたに
洗濯機にぶち込んで

ガラガラ回しながら

 ....
海はこんなに広いのに
もう何でも知っているような顔をしてる

マンボウ
君はいつもゆっくり泳いでいて
ぼーっとしているようでも
その瞳はやさしい

君のように泳げたらと
とき ....
おへそに つめをたてて
ぎゅっと押す
ざらざらとはみ出してゆくのは 宵の空
じいんとしていて
冷たい

暖色の
とうめいのふくろのなかに
とけては完結 してゆく
線路の上 やねの ....
今日の朝の空は
雲一つない澄み切った黄色だった
青はどうやら品切れらしい
緑も余っていたらしく
どちらにしようかと悩んだあげく
黄色にしたと農夫は答えていた
いつ青になるのかと聞いたところ ....
社会の授業で
何も考えることなく
黒板の文字を
そのまま写していたあの頃

ページを変えなくてはならなくなって
めくったまではいいけれど
ふと何も書かなくなった
理由は何もないけれど
 ....
どんなに熱い想いも
やがては冷めていく

けれどそれは
失ってしまうのではない

心の奥深く
沈んでいくのだ

私にだけ
聞こえてくる音楽

ほら
こんなにも高く
池袋とか新宿とか
そんな
詩みたいにきれいな響きを持った名前の街は
おれたちの暮らす街にはないので
とりあえずできることといえば
コンビニの前にたむろしている若者にビクビクしながら
そいつ ....
僕が詩を詠むのと同じ頻度で 君はメロディーを刻むだろう
そうして 月曜日に僕はノートを持って
君の家に行こう 君の家は
小高い丘の上にあったね、絵本のような完全さで。

僕が読み上げると
 ....
みんなエアギターを弾け!
いやギターじゃなくてもいいから各自エア○○をやれ!
エアでやりたいことをやれ!
やれないこともやってしまえ!
俺はエア全てやるぞ
エアメルセデスに乗って
エア最高 ....
薄色の文引き結ぶ梅が枝に
  あはれこよひも花の咲くらむ


花に積むはかなき雪の消えしとき
  心づくしの香ぞ立ちにける


東風吹かば北野にかへる白梅の
  ごとにかなしきひとよ ....
走ることは
ほんのすこし
歩くより早いだけで
大地に触れる回数は
結局少なくなってしまう
走るということは
触れないということか

月はやっぱり見えなくなる

世界から消えようとす ....
まばゆいまばゆい光です。まばゆいだけの光です。
いいんです。気にかけないでください。
気にかけたところで
私は地球を七週半している最中です。
いいんです。思い出さないでください。
思い出した ....
せまくたっていい
台所が小さくても
押入れがなくても
ただ
日当たりさえよければ

階段をのぼって
街を見晴らし
あなたとふたり
夕焼けを見られたら
それで

なんにも持ってい ....
触れたところから崩れていく
もろいビスケットの空
投げた言葉も跳ね返らない
石畳を、転がるように

冬を塗りつぶしながら
配達夫が窓をこじあけていく
のびあがっては、きりきりに締め上げる ....
生まれて初めて
献血をした
400mlだ。
歯磨き粉が切れていたので、
先に献血した人がもらってきた
歯磨き粉が
欲しいなと思っただけではない。

愛は
与えること
そう学んだと思 ....
お父さんは僕のこと
水谷豊に似てるって言う

でも僕は
亀に似ているような気がする
薄曇の昼下がり

住宅街の静けさは重苦しい
声をからして叫んでも
余計に淋しくなるからやめておこう

無表情に時を告げる時計
窓の外には音もなく揺れる小枝
こんな日でも世界は動 ....
針のあなに
糸をとおす
磨硝子からにじむ
光のあわい
しずけさ
のおくのほうから声がする

……わはわをたまわる)

柔軟にしなう
わたしの呼吸をなぞるのは
失われた かなしみ
 ....
郵便受けを屑篭にする三文広告
枯れ葉だったらいいのにな
枯れ葉だったらいいのにな
虫の声といっしょに、
君の手紙があればいい。
1 髪を切らなかった日

失恋しても髪は切らないよ
と言ったあたしに
失恋したら髪を切るよ
とあなたは言った

手をつなぐことを覚え始めた
あの頃

そして
あなたが髪を切った時 ....
あの頃は誰もが夢を見てた
遠い未来に憧れて
恋に恋していた
だけど今ひとりきり
支えてくれる人もないまま
ただ後ろを振り返らないように
前を向いて歩くだけ
やさしさにかえりたい
素直な ....
彼女は言った、もし
親知らずを抜いてしまっても
今までと変わらず愛してくれる?
僕は答える、もちろん
それに必要とあれば
代わりにとびっきり頑丈な義歯を
プレゼントするよ、もし
その時に ....
夜に開いた
隙間を
埋めるように
雨の旋律が
耳に届いて
孤独にいる者の
遊び相手と成りはしないだろうか
滴の奏でる音が
たった一人の為の
優しさとなって
降り注いで
あなたは雨 ....
帰省の列車の中で
こんな夢を見た


『蜻蛉の夢』


満月の夜
月下美人のつぼみの下で
細身の女性が横たわっている


彼女の肌は
食べ物が喉を通ったら
透けてしまうくら ....
せかいの おわりに
きみとだけは いっしょに
いたくないと いわれたら
がんばって
せかいを すくう
咳をしたらたまたま側にいた
隣の課のえむさんが
フルーツのど飴をくれた
えむさんがフルーツのど飴を好きだなんて
初めて知った

えむさんは僕より十歳くらい下の女の子だけど
背は僕より十セ ....
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