すべてのおすすめ
僕が夜食のブタメンに湯を注いでいると
君は、子供の携帯からメールをよこす
「きょうのはなびはきれいだったよ。おかあさんとみました。」
ひとり暮らしのマンションから
夜空はつながっている ....
猛禽の切り取る曲線を雲に重ねてみると
南風の通り道がみえるだろ?
無粋な飛行機雲が一直線に
線香の燃えかすみたいに消えていく
なんべんもね、手をかざしたんだ
日差しが眩しかったからね
ふい ....
僕が本を閉じたときに
誰かが新しい頁をめくるでしょう
僕がまぶたを伏せるときに
目覚める朝もあるでしょう
僕がこぶしを握るときに
手のひらを開いて母を求める
新しい命がきっとあるの ....
骨のような夏が街におりてくる
空はまぶしすぎて暗示しない
目を細めて輪郭や影を
確かな物にしようとしているだけで
湿った風は川からあがってくる潮の香りがする
どこか遠いところまでいつ ....
半世紀も祈り続けて
鳩が太っていく
公園の木は
故郷から引き離された子供のように
ぽつん、ぽつんと育って
生きていこうとする力に
種類なんか無くて
他人の生き様を非難できない
太っ ....
ぶどうはブドウとよばれてから
葡萄になったのでしょうか
私が生まれてきたとき
やさしくよばれた名のように
もう一度、問うてもいいですか
せみはセミとよばれてから
蝉になったのでしょうか ....
雪霧の向こう、鳥取放牧場で
三連風車のまわる気配がしている
でも、それは僕の呼吸とは関係ない
せかいを信じるためには
僕は小さすぎて、小さすぎる世界に
食われた鳩の羽毛のような
雪 ....
鳥取の冬雲が北風に迷っています
今日は大潮だというのに月が
複雑にからまっているのです
私の言葉は上手でしょうか
そんなことよりも伝えたいことの、
たとえば月の輪郭を
なぞる指 ....
押し入れの奥からスパイセット
何十年も忘れていた宝物
指先から煙を出したり
会員バッチがあったり
どこがスパイなんだか
水に消える紙に
鉛筆で名前が書かれていた
小学校2年で引っ越す ....
町田はタマネギだ
幼稚園の年少組だった私は
引っ越す前日になって
狭い庭の片隅に
茎を伸ばしはじめて食べ損ねた
タマネギを埋めたから
改札を抜けると
思い出の場所など
思い出せもし ....
今夜の月は
半分しかないのに
風力発電の三枚羽根に
砕かれている
居場所がなくて
ぐるぐると、さまようものも
照らし出されれば美しいのだろう
今日も祈っている
風車越しに月を掴もう ....
雨の温度が秋であれば
降りしきる時が吹かせる
あの風が好きだ
小雨であれば
プリントアウトした君からのメールを
焚き火にくべよう。
消去するときは軽々しい一瞬だったけど
剥がして ....
砂に埋もれ
沈みそうに生きて
手の届く範囲の幸せを
ただただ全うする
あたりまえに生きることが
どうして
美しくないと
思っていたのだろう
みんなの中に居るか
「だれ ....
木漏れ日を、流星だと言う
夜空だけのものではないよと
青空に引く、軌跡を追い
それはいつのまにか笑顔に重なる
視線
漏れ出した輝きは燃え尽きる星じゃない
鍵盤を叩いたときにできる段差が ....
世界が生まれて消えるまで
それをはかる時ならばいらない
、どこまでいっても自分
それを刻む鼓動の美しい機械に
{ルビ内燃機関=エンジン}
{ルビ回転速度計=タコメーター ....
ひどく深い山奥に
その百貨店は建っていた
百貨店といっても実際にはよろずやで
それでも、食料品から最新のテレビまで
なんでも売っているのだ
ダムが出来ると
集落のすぐしたまで水面になる ....
月、外側にある言葉 照らされて空にある
蒼夜の路地裏で僕は 影を必要としている
月光は誰を求めるか
太陽、秘めた声
心灼きながら
生まれ続ける
聞いて、聞いて、
....
今日は朝から電話対応に追われてしまい
まともに昼食をとっていなかったから
目が回るなぁと思ったら四時十二分
営業車をコンビニの駐車場にすべり込ませ
アップルパイを買おうと思ったんだ
....
(水槽から飛び出した金魚の体温)
煤けたような暗がりで
瞳が開いていく
洞窟の中をずっと迷っているような
コオロギの摺り足
夜には手が届かない
指先が触れる闇の境界線、それは
ひんや ....
{引用=
僕が都合の良い魚になって
遡上するならあなたへ、と
}
キューブを完成させる方法
かしこく、方程式どおりに回すのか
バラバラにして組み立て直すのか
完成し ....
キッチンから窓の外が見える
小高い山の放牧場には三機の風力発電機があって
巨大な三つ葉の風車が
/ゆっくりでもなく、はやくでもなく/回っている
この街に近づく冬はい ....
ピアノのあしは楽器を支えているのか
それとも音楽を支えているのか
ギターをかき鳴らす仕草は
そのあしに似て、共鳴する独り言
マイクを持って空を指したとき
ひとはただのマイクスタンドでしか ....
夜明けとともに
失ってしまう事におびえて
冬の星座がのぼる前にと
眠りにつくふたりには
体温だけが必要で
かたむいていく、その先に
今日の終わりは信じないのです
夜がきます
恐ろし ....
雨に吸い取られるように
街から見上げると
あしもとの同心円は
忘れてしまう
私ではないあちこちを中心に
広がる波紋の重なりで
まちは夏の終わりに濡れて
遠い港の潮臭いしぶきまで
思い起 ....
電話番号占いって知ってる?
って唐突の質問
教えてよっていえば
じゃあここに番号入れてと
携帯を差し出すあなた
結果はどう?って訊いたら
明日運命のひとから電話があります、だって。
....
流れていくのは
いつも昔のもので
西でギラリと
湾を満たすものは
せめて夕日に
清らかに染まろうとする
夜の寒さなど
思うこともなくながめていた
港を出て行く
貨物船の短いマス ....
広島への出張なんて
もう馴れたと思ってたけど
今日は新幹線の
閉まる自動ドアが恨めしい
これから会議だっていうのに
君の涙の理由ばかり
そればかりが気がかり
帰り道、駅までの路地 ....
{ルビ劔箭=つるぎや}神社からの
細い参道の坂道が好きだった
不思議な人体図がかけられた漢方薬局
古ぼけた占いの館
必ず救われる新興宗教の教会
日本で3番目に大きいという大仏
確かめようの ....
蝉の羽根は綺麗だね
落葉樹が真冬に
枝に張った
シャボンの虹色だ
大人になりたかったかい
ほんとうはずっと
いごこちの良いこの樹の根元で
ずっとずっと、すごしたかったろう
....
ぬくもりだけを信じると
深呼吸できない、抱擁
信じて強くなれる
糸電話の決意
遠くでも近くでもない場所から
わざと小声でささやく
から、やさしい距離
保ち続けて
メールのない夜 ....
佐野権太さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト
(109)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
はなびたいかいのよる
-
たりぽん ...
自由詩
6
09-8-10
かげのけいれい
-
たりぽん ...
自由詩
7*
09-8-5
僕が本を閉じたときに
-
たりぽん ...
自由詩
10
09-6-22
残照
-
たりぽん ...
自由詩
13
09-6-15
駅・紙屋町
-
たりぽん ...
自由詩
12*
09-4-26
決意
-
たりぽん ...
自由詩
9*
09-2-7
鳥風、梨風、空風
-
たりぽん ...
自由詩
6*
09-1-15
月の輪郭、風の影
-
たりぽん ...
自由詩
19*
08-12-22
スパイ
-
たりぽん ...
自由詩
15*
08-11-28
駅・町田
-
たりぽん ...
自由詩
6*
08-10-31
胸の前で祈るように携帯を
-
たりぽん ...
自由詩
22*
08-9-27
眠りたい、雨の日は
-
たりぽん ...
自由詩
17*
08-9-21
よわき星雲への
-
たりぽん ...
自由詩
18*
08-9-7
真昼の軌跡、描いて
-
たりぽん ...
自由詩
12
08-6-26
Tourbillon_Escapement
-
たりぽん ...
自由詩
7*
08-6-18
あのポスト_(_2008_)
-
たりぽん ...
自由詩
18*
08-5-24
月空の夜光虫
-
たりぽん ...
自由詩
7
08-2-29
チョコレートパイ
-
たりぽん ...
自由詩
6
08-2-22
残闇、抱きしめるときの
-
たりぽん ...
自由詩
10*
07-12-28
薄明(嘘つき)
-
たりぽん ...
自由詩
11
07-12-12
かぜのいれもの、のなかで
-
たりぽん ...
自由詩
11*
07-11-21
そう結局は深夜ひとりで眠る、それだけのこと
-
たりぽん ...
自由詩
26*
07-11-5
ブレス、夜明けと
-
たりぽん ...
自由詩
14*
07-10-30
フランクリン・シンドローム
-
たりぽん ...
自由詩
16*
07-8-30
魔法じゃなくて
-
たりぽん ...
自由詩
11*
07-8-29
駅・大阪港
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-6-30
麗ちゃんで「7番」
-
たりぽん ...
自由詩
8*
07-6-9
駅・石切
-
たりぽん ...
自由詩
13*
07-5-10
シャボンの羽根で
-
たりぽん ...
自由詩
12
07-5-6
月への糸電話
-
たりぽん ...
自由詩
11
07-4-19
1
2
3
4
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