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冷たさで奥歯のキンとする痛み
あなたのひたいのしわ
氷を吹きだしそうになる
もっといろんなしわを
そばで見ることができたら
あたしはいつもこうして涙目で笑っていられるのに

傾いた陽から ....
雪雲を連れてきそうなつよい風
いっそそのまま私をさらって欲しかった

12月の厚着をほどく
髪に触れた唇
隠してる想い
わたしを見つけて欲しくて
願いをこめて目を閉じる瞬間


わ ....
大きめの呼吸をスーツの内側に用意して
品川改札から人の波にとびこんだら
高層ビルという名の大きな魚の口に吸い込まれていく
ちいさな私たちは、たぶんプランクトン
生産したり分解したりの役割の中で ....
地球がもう少し傾いてたら
この斜め振りな雨に濡れることはなかったかもしれない。


寝ぐせとも天パとも云えぬような頭からは
まっすぐな言葉は生まれない、かもしれないから




今 ....
黒板の粉が
午後の日差しの中で踊ってた
あたしもその消された文字の一粒で
キラキラと笑っていたんだ

ブラウスの隙間から
風がこぼれないように
37℃の痛みを飾って
眼鏡越しに見える世 ....
六月の湿度が肩に降りつもる
いつかの唇のように柔らかくあたたかく
黒髪にからみついた結晶
はじけて香る 夕立

銀色の坂の向こう
ちいさな教会の鐘の音がする
ふいに横切る上りの急行
 ....
桜の咲かない四月が終わろうとしている。

 風の強い朝、ひんやりとする外気に体がきゅっとこわばる。先月買ったばかりの白いトレンチコートの前を抑え点滅を始めた交差点を足早にわたる。
 ふと見上げれ ....
傘のほね
しずく垂れるさきっぽ
ぼうっと煙るような空を
みていた

置き忘れた想い
片手いっぱい
こぼさないように抱えたまま

見つからない答えを
いつまで待つの
むらさきの花が ....
書き留めない言葉はまるで
午前4時に聞く雨音
軒先をつたい終えた一粒のしずくは
もう元にはもどらない

心臓からきっと少し離れたところで
痛んでいる感情
あなたの心拍数に合わせているのに ....
1 髪を切らなかった日

失恋しても髪は切らないよ
と言ったあたしに
失恋したら髪を切るよ
とあなたは言った

手をつなぐことを覚え始めた
あの頃

そして
あなたが髪を切った時 ....
あなたの髪に触れるしずくは
花びらのように
キラキラと咲いて散っていく

あたしもそんなふうに綺麗に映ればいい

住み慣れたはずの町が
やけに他人行儀に感じた
折れた傘が
歩道の脇に ....
いつもの時間に仕事を終えて
いつもの足取りで駅へと向かう
信号が青になるタイミングも昨日と同じで
駅の階段の一段目を踏み込む足もやっぱり右足だ

いつも8輌目の真ん中に乗る
東西線への乗り ....
いくつものカーブを慣れたように
空港まで走るバス
世界をさえぎるような山に囲まれ
小さな集落を過ぎれば
また同じ景色が流れる

赤い絵の具をこぼしたような山
人はそれを美しいと言う
低 ....
バスの発車する音が聞こえた
15時02分
西日に染まる時間
カーテンにくるまって見送っていた 
ビルの向こう

机の上に広がった書類
領収書も
重要なメモも
紛れ込ませている
そう ....
金魚のいなくなった水槽
水だけが循環している

もともと
おしゃべりな生き物ではなかったけど
少しだけ部屋が静かになった気がするのは
名を呼びかける
右上がりの私の声

青く発光する ....
佐野権太さんのku-miさんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
境界- ku-mi自由詩2*09-8-9
北風と太陽- ku-mi自由詩508-12-21
デトリタス- ku-mi自由詩7*08-5-13
かもしれない事情- ku-mi自由詩11*08-5-3
透明だけど、在る- ku-mi自由詩11*07-11-11
六月の湿度- ku-mi自由詩17*07-6-13
春に降る雨- ku-mi散文(批評 ...3*07-4-27
あじさい- ku-mi自由詩23*07-3-28
午前4時に- ku-mi自由詩12*07-3-17
移行する時間- ku-mi自由詩9*07-2-19
置いてきた傘- ku-mi自由詩16*07-1-18
2番線ホームの- ku-mi自由詩12*06-12-24
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香水- ku-mi自由詩8*06-11-4
濃度のない水- ku-mi自由詩12*06-8-21

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