すべてのおすすめ
好きで好きでどうしようもない詩がある。教科書で偶然その詩を見つけた、詩のことなど何も分からない当時十二歳の少年を一発で虜にするような詩だ。中学校の国語の教科書に載るような詩だから、当然 難解な詩句など .... 青空や涙や鉄や靴
そのようなものと
血が繋がっている子


白昼のなかに
いつかのおまえは佇む
姿かたちはみえないのに
挨拶する声が聴こえる


十二月の終わり
終業式を終えた ....
私はやはり、と
言わざるを得ない
やはりあの{ルビ畦道=あぜみち}を
脇目も振らず
私は歩いていたのだと


炎天、真昼、陽炎
夏が侵攻していた
それはいつも匂いから始まる
濃厚な ....
 僕は誰よりもはやく
 今朝を発見したかった
 遮光された窓の外を
 僕の両足だけが駈けてゆく

(街と空は素顔で目覚め
 朝陽からは人々の匂いがします)
何か掴まなければ と
恐れなくてもよいのだ
いつでも繋げるように
私の両手は空いている


嘗て星々に触れたとき
驚きながらも微笑んだ
一秒よりもはやく
私たちは老いてゆくから

 ....
 
 冬には空が降下する
 みんな誰も見てないし
 奪えるものがあるなら
 私から奪って構わない


(雪霧の向こうに浮かぶ
 あれは管制塔の光源だ
 低い轟音を響かせて
 離陸す ....
 
 聖地の方角へ向けて祈る
 巡礼者のような面持ちで
 私は此処に立っていた
 星たちの第五待合室


 そこにある伝言板に
 私が一行書き加えると
 誰かが四行詩で返信する
  ....
皮膚のすぐ下は清冽
流れゆく血が私を
結びつけているのだ
家と人と肉と そして
全ての生きているものたちと


血によって私は
辿り直されることを許す
血によって私は
絶えず内 ....
質の中に量があり
落下の中に流れがある
無数にまとまる一つ
雨と呼ばれるものの名
儀式のように繰り返され
思い出された最初の音
絶えず動きながら
点在する光を導き
生かしてゆく雨の ....
 
 たった一言交わして
 すれ違うだけの人にも
 私を憶えていてほしい
 それは贅沢なことだろうか


 食卓や墓地や廃屋にさえ
 いつも人の面影があった
 私の生まれは人だから
 ....
それは私ではない誰か
窓際の花瓶の水を
新しく換えるのは
いつも気付かぬうちに


橙色の陽が差しこむ
開け放たれた窓から
手を振って身を乗り出す
あれは私ではない誰か


肌 ....
 手が届きそうな低い空を
 逆光に輝く雲が流れる
 私は何か恐ろしかった
 歩く犬の眼が不吉だった


 堤防の道を愛想笑いで
 私は歩いていたと思う
 濁った ....
 
 知らない街で
 洗濯物が揺れている
 風に洗われて
 青空を映しながら


 知らない道に
 鳥の羽根が落ちている
 素通りなど出来なかった
「これは大空の破片なのだ」と
 ....
私が真冬を歩いていると
太陽の童貞が落ちていた
私はそれを慌てて拾う
そして忘れてしまう


私が真昼を磨いていると
青空の処女が堕ちてきた
私はそれを慌てて隠す
そして再び忘れてし ....
「明日、注文していたものが届くの」と
 少女が嬉しそうに笑って言う

 何を? 私は訊く

 すると

 少女は真顔で黙り込む
電線に止まって
人を見下ろす鴉
でさえ貴女の
髪の黒さに憧れる
夜空のように
貴女の黒髪は深く
そして遠い川のように
流れている


無邪気な子供達が
笑いながら
貴女の黒髪を ....
今の日本において「詩人」は既に職業として成立しないと言っても過言ではない。職業として成立しないとは言い換えれば需要がないということだ。

私はかつて詩人が果たしていた役割を(エモーションの供給)今 ....
嬉々として初夏の陽気を真似てまで我が玉肌を見たいか春よ いま全てを弔うために
一つの歌が降りてくる
それは風にのって柔らかく
全ては安心して死んで良い


そして私は一粒の悲しみを
小さな微笑と淡い幸せとを
火にかけて燃やすだろう
遺され ....
私に風が吹いたので
草が揺れ 花が揺れた
蝶がはばたいたので
私が揺れ 風が吹いた


今が流されてしまった
私は尋ねてまわる
知らない場所から
知らない場所へと


風が通り ....
人がいないと
グラウンドは淋しそうだ
ただ広さを主張するばかりで
しかしその声は誰にも届かない


私が足を踏み入れると
グラウンドの広さが私を取り囲む
全てが遠ざかっていくので
私 ....
夜の海が私を欲しがっている
或いは一つになれるだろうかと
踏み出した足に私は困惑する
そのとき私は生きている


そしていつも自らの中に
私は小さな一つの海を持っている
寄せては返すこ ....
私の前に渇いた冬が横たわり
私は枯れた花に叱られていた
道には鳥が落とした羽根があり
私はそれを拾って空へ投げる


冬空は何か物悲しいと言い
私は何が物悲しいかと訊く
ただ確信をもっ ....
砂木さんの和泉 輪さんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
■批評祭参加作品■_アンファンス・フィニ- 和泉 輪散文(批評 ...1407-1-4
想い出から- 和泉 輪自由詩10*06-12-27
侵攻する夏_(2005.8.3)- 和泉 輪自由詩1605-8-3
朝_(2005.6.5)- 和泉 輪自由詩13*05-6-5
ソネット(触れている)_(2005.5.15)- 和泉 輪自由詩2505-5-15
揮発_(2005.1.16)- 和泉 輪自由詩1705-2-6
待合室にて_(2004.11.22)- 和泉 輪自由詩1804-11-23
血_(2004.10.29)- 和泉 輪自由詩1904-10-29
返詩_雨_(2004.10.12)- 和泉 輪自由詩1404-10-14
人_(2004.9.25)- 和泉 輪自由詩2904-9-25
日々_(2004.9.7)- 和泉 輪自由詩1404-9-11
盲目_(2004.7.6)- 和泉 輪自由詩1204-7-6
知らない街_(2003.7.18)- 和泉 輪自由詩2304-6-19
結婚_(2004.2.16)- 和泉 輪自由詩1504-6-13
注文- 和泉 輪未詩・独白1304-6-3
黒髪- 和泉 輪自由詩1204-5-16
職業としての詩人- 和泉 輪散文(批評 ...1704-5-13
半袖- 和泉 輪短歌1004-4-11
ソネット(弔い)- 和泉 輪自由詩804-3-7
- 和泉 輪自由詩704-2-6
グラウンド- 和泉 輪自由詩1204-1-30
遺灰- 和泉 輪自由詩1304-1-25
冬空と羽根- 和泉 輪自由詩804-1-20

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する