ノート(青の季)
木立 悟



白猫の耳
草の下の水晶
白猫の耳



切っても切ってもひとふさだけ
長くのびる髪の毛を
目にかざし 陽にかざし
わずかに異なる小さなふるえ小さなふたえそのままで
ひまわりを盗んだっていいのだから



みんな窓のうしろに遠のいて
夜の蒼を置き去りにする
花畑の空洞を
星の筒が通り過ぎる



水に沈む万華鏡に
光は刻む
四の倍数の季節たち



大きな茎の
小さな花の
一本のひまわりを手にして
青空の下の心は軽い
なんの祝福もいらないくらいに



土の熱を
地の青を
泳ぐように歩み
空の坂へと踏みだしてゆく







自由詩 ノート(青の季) Copyright 木立 悟 2004-09-16 22:51:01
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