ノート(まぶしい日)
木立 悟


ずっとずっと まわりで
小さな音が鳴り止まない
バスから降りて バスに乗る
またバスから降りて またバスに乗る
いつのまにか隣に
歌がふたつ 座っている



小さな支えを失って
空は遠くへ落ちたので
別の空がやって来て
からだに鳥と雲を貼り付けてから
太陽のための穴を捜してぐるぐるまわり
どうしても見つからずにわんわん泣く



風が風を飛ばすあいだも
とてもゆるやかな混ぜこぜの歌が
ぱらぱらしゃらしゃら歩いている
風から逃れた風に招かれ
屋上の洗濯物が一斉にはばたいて
大きな建物から先に飛び立ってゆく
まだ泣き止まない別の空の
別の青さに飛び立ってゆく




自由詩 ノート(まぶしい日) Copyright 木立 悟 2004-01-24 08:49:11
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