四行詩六篇
狸亭


老いたるロメオ

命の根源を
回復するためにロメオ
二十四時間を
眠りつづけて浮かぬ顔


麟太郎の幸

『あかるい黄粉餅』
満喫してのち
帰って来た町
秋の日は落ち

 旅に

太陽に
とけあう海に
悠久を求めるために
ぼくは今日旅に

 赤い糸

海の波の音
椰子の梢を吹く風の音
このてのひらにしっかりと
つかんだはずのきみのハート

 日記

年明けて残りあと十四月
神田駅エリゼで押韻の刺激
パリの津久井博美と同席
函館の木村哲也からは葉書

 狸の嘆き

海と空のある息抜き
読書や思索にも飽き
もう目の前には還暦
ふとった腹なでて狸






自由詩 四行詩六篇 Copyright 狸亭 2004-02-10 09:28:28
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