すべてのおすすめ
サイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んで行く」を聴くたびに
南米インディオのフォルクローレである「花祭り」を連想する
ケーナのここちよい響きにつつまれた僕にとっては幸せな楽曲である

スペ ....
 テーブルの上に、あした買ってきたりんごを置いてあると言う。
 もちろん、そんなもの私には見えない。母だけが見ることのできるりんごだった。

 今朝も雨が降っていた。桜の季節はいつも雨に邪魔され ....
私はかつて[緑病]と呼ぶべき奇妙な病気に罹ったことがある。
それは十八歳くらいの時で、高校を卒業して初めて社会人となって働き始めた頃のことだった。
なぜか緑色に魅かれて、服も靴もバッグも帽子も身に ....
民俗学者折口信夫が唱えた学説は「折口学」と呼ばれますが、わたしはその折口学の信奉者なのです。

といってもその信奉の歴史はごく浅くて、わたしが折口学と出逢ったのは二年ほど前のことでした。それは折口 ....
詩のしくみについて

まず、詩と、死のちがいについて。
息苦しくなる。妙に胸が痛くなる。そうして間もなく心肺停止状態に陥り死ぬ。理由はさほど問題ではない。心不全ということで一切が丸く収まる。保険 ....
 時計が深夜十二時を知らせると、ひいながたりが始まります。
     ◇
「姫さま、殿が見当たりませぬが、どちらへおいででしょうか」
 三人官女の年長者がお歯黒を三方(さんぽう)で隠しながら上段 ....
 大きな木の箱から、何やら呟きが聴こえてくる。

「あぁー、もうそろそろ春になったのかしら?」
 溜息交じりの女の声、どこか気だるく寝むそうだ。

 年に一度、このカビ臭い箱から私はやっと出 ....
 むかし、ぼくが田舎で少年をやっていたころ、野性の動物が家の周りを彷徨いていた。畦を通れば、蛇が逃げ、イタチやムジナに出会うことも、珍しくはなかった。イノシシは畑の作物を喰い荒らしていた。雪の日には山 ....  あら、また来たの、と祖母は言う。
 ああまた来たよと私は答える。そうは言うものの、彼女が孫である私のことなどこれっぽっちも覚えてやしないので、私はまたいつものように自己紹介をした。
 それが ....
 コーヒーをひと口飲んで皿に戻し、窓の外を眺めていたら思い出
したことがある。
 遠い昔、私が小学生の頃に読んだ『ばらいろの童話集』のこと。
ラング世界童話全集(東京創元社刊)の第2巻だった。こ ....
 
 森の入口には、狐が腹這いになって寝そべっていた。
 私が森に入ると同時に、狐は見えなくなったが、行く
先々で、炎のようなものが、私の周辺を漂っていた。
 淡い狐色が、橙に染まっていったり ....
 鈴木さんと、大王さまはスロープに向かって、ゆっくりあるいて行った。そうして、青白い灯りのなかに立って、わたしに手をふってくれた。
 さようなら……。
 わたしもちいさく、手をふった。

 あ ....
 東の空にいつの間にか、オレンジ色した淡い月がでていた。

「あ……、もう、こんな時間だから、お家に帰りましょうか。」
 やだっ、そんなの、ずるい!
「外山先生……、わたしどうしても、もういち ....
(わたしは猫になって、イチローに会いに行ったの)

 
 きょうの午後、鈴木さんに出会った公園にようやくたどり着いた。
 この公園のどこかに、イチローがいるはずだけれど、わたしの目に猫の影は映 ....
 わたしは二階の部屋にあがって、鈴木さんのガラス玉を手にとって、しばらくながめていた。どこかでみかけた夜店の、輪投げの景品みたいな、ただのガラス玉だった。
 だいじょうぶかなぁ、なんだかニセモノみた ....
 えっ……、
「どうして? どうして会えないの。」
「外山先生はね、また、猫にもどっちゃったんだよ……。」
 猫に……? 
 えっ? なによ、それ……。
「鈴木さん! わたしね、すごく真剣な ....
 おかあさんが家に電話して、おばあちゃんが元気そうだったから、このまま買い物に行くことになった。動きはじめた車の窓ガラスをいっぱいにあけて、わたしは猫又木山文化会館の三階をみあげたの。
 あっ、だれ ....
「ねぇ、あずきちゃん、イチローはね、あずきちゃんに恋をしてるのよ。きっと……。」
 え……、恋?
「そんなの、うそだぁー。」


「あっはっはっはっはっ……。」
 外山先生とおかあさんがま ....
 外山先生はまた、立ち上がるとホワイトボードのまえでしばらく考えてから、青い字で、

 わたしはここにいます。

 ……と、書いたの。

「たった、一行ですが、これでじゅうぶんだと思います ....
(ようやく、外山先生の絵本教室が始まった……)



 鈴木さんの絵はおそろしくヘタだった。
 画用紙だと思った紙はよくみると、カレンダーの裏紙で、そこにクレヨンと水彩絵の具でわけのわからな ....
 森の中に『くまカフェ』がある。とんがり屋根の丸太小屋。夏にはハーブが咲き乱れた庭も、今ではすっかり刈り取られて、来年の春を待っている。

 店主のシャルロットが開店準備を終えて、窓のカーテンを開 ....
 きょうは月よう日。絵本教室の日だった。
 夏休みも、もうすぐおわる。あんなにうるさく鳴いていた蝉も、けさはとても静かだった。おかあさんは朝からいそがしく洗濯していたから、わたしも手伝うことにした。 ....
 だれかが来たのかもしれない。わたしはイチローのあとを追いかけて、玄関のドアを開けてみたけれどだれもいなかった。イチローは玄関の前のしろい郵便ポストのうえに、すばやく飛び乗ると、ほそくて長いしっぽをま .... 「あずきー、ねぇ、あずきー。」
 おかあさんがわたしを呼んでいる。
 わたしはいま、絵本を描いているところだから、おかあさんの用事はなにもできないことを知っているはずなのに……。
 ぱた、ぱた、 ....
もう、十一月だ。
現フォもすっかりサボッてるけど、ここんとこ畑仕事もサボってる。
十一月は関西では玉葱の植え付けシーズンです。休日の朝、買ったばかりのラパンに乗って、玉葱の苗を買いに行きました。十 ....
 中一の娘が
「これ、めっちゃ面白かった。母さん、読んでみんさい」
 と言い、渡したのは、湊かなえ著「告白」の文庫本だった。近くのコンビニで買ったらしい。
 実は湊さんの他の著書は何冊か読んでい ....
{画像=120219045735.jpg}


最近不思議な夢を見る。
ぼくが眠ると夢の中のぼくが目を覚ます。
夢の中のぼくが眠ると現実のぼくが目を覚ます。
会社の会議中に居眠りをしている ....
 光と影が突然交錯する、いくつかのトンネルをくぐる。電車に揺れながら、いつも不思議な感覚に囚われていた。
 どちらかが現実で、どちらかが夢だとしたら、一体僕は今どちら側にいるのだろうか、と。

 ....
{画像=110726012953.jpg}

はるか大昔に天子が山頂にのぼり
おお我が美味し国よと祝詞を上げた山は
小さいころの遊び場だった

山の中腹には幾つか洞穴のようなものもあって
 ....
{画像=110524233901.jpg}

昔カナリアを飼っていたことがあります。それは入社して2年目くらいの時でした。私が入っていた独身寮はもちろん動物厳禁なわけですが、金魚や熱帯魚のようにこ ....
未有花さんの散文(批評随筆小説等)おすすめリスト(69)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花祭り- 梅昆布茶散文(批評 ...715-8-5
あしたのりんご- たま散文(批評 ...14*15-4-19
散文_【_緑病_】- 泡沫恋歌散文(批評 ...10*14-7-21
続・詩のしくみについて_(折口信夫とわたしの因果関係を妄想す ...- たま散文(批評 ...16*14-7-16
詩のしくみについて- たま散文(批評 ...11*14-7-10
春の夜_ひいながたり- そらの珊 ...散文(批評 ...6+*14-3-3
【_箱の中の呟き_】- 泡沫恋歌散文(批評 ...5+*14-3-3
掌編「悪夢」- イナエ散文(批評 ...8*14-2-28
祖母の瞳は日に日に還る- 亜樹散文(批評 ...114-2-11
A_Tale_of_the_Tontlawald- 壮佑散文(批評 ...7*13-9-11
狐火- オキ散文(批評 ...413-2-13
あずきの恋人_(最終回)- たま散文(批評 ...13+*13-1-26
あずきの恋人_(連載⑪)- たま散文(批評 ...14*13-1-20
あずきの恋人_(連載⑩)- たま散文(批評 ...12*13-1-14
あずきの恋人_(連載⑨)- たま散文(批評 ...13*13-1-10
あずきの恋人_(連載⑧)- たま散文(批評 ...12*13-1-6
あずきの恋人_(連載⑦)- たま散文(批評 ...13*13-1-3
あずきの恋人_(連載⑥)- たま散文(批評 ...11*12-12-30
あずきの恋人_(連載⑤)- たま散文(批評 ...11*12-12-25
あずきの恋人_(連載④)- たま散文(批評 ...11*12-12-22
The_Tale_of__Bear- そらの珊 ...散文(批評 ...612-12-20
あずきの恋人_(連載③)- たま散文(批評 ...11*12-12-18
あずきの恋人_(連載②)- たま散文(批評 ...11*12-12-16
あずきの恋人_(連載①)- たま散文(批評 ...13*12-12-13
眠れないパンジー- たま散文(批評 ...18*12-11-8
「告白」を読んで- そらの珊 ...散文(批評 ...7+*12-6-19
リアルな夢_/_最近ぼくは不思議な夢を見るのだ!?- beebee散文(批評 ...18*12-2-19
サナトリウム(掌編小説)- そらの珊 ...散文(批評 ...4*12-1-22
橿原断片_/_耳成山- beebee散文(批評 ...21+11-7-26
カナリアのフランケン- beebee散文(批評 ...911-5-24

Home 次へ
1 2 3