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穏やかな陽射しが窓を通り抜けて
空の写真立てを輝かせている
少し前の流行の曲が何処からから流れて
行き交う人々の足音が混ざり合い
触れた肩の痛みに声を上げずに
僕は明日に走り出す
....
本当の涙の意味を教えて
嬉しいときに泣くのが本当の涙?
悲しいときに泣くのが本当の涙?
僕は無限の言葉を捜しても
何も言えずに微笑んだ
真面目に答えてなんて
意地悪なことを言う
....
黄色に銀杏の葉は染まり
秋の終りの冷たい雨を浴びて
一枚、また、一枚と散っています
月日は流れ香りだけ残し
貴方は遠い場所へと旅立って
私は二度と帰らぬ貴方を待ち続ける
未亡人と化す
....
師走の空は高く澄んでいて
雲は静かに流れています
朝方は特に冷えて息は白くなり
凍える手で自転車のハンドルを握る
力が入らなくてフラフラと彷徨うばかり
小学生の低学年の頃に ....
朝焼け前の海に小船を浮かべ
冷たい海水から網を揚げる
その人の背中は何も語らず
先代の想いを受け継ぐ船
傷痕が静かに海面を滑り
明日に繋ぐ
夜が明ければ港に帰ってくる
今日も無事 ....
{引用=「幸せの定義」とはなんだろう。
そもそも、「幸せ」とはなんだろう。 }
ママゴトして遊ぶ娘を見て考えた
彼女にとっての幸せはママゴトセットに違いない
切れない包丁とビニール製 ....
自転車の後ろに君を乗せて出かける
普段は誰も乗せないからその重さに少しだけ手間取った
「二人乗りは危ないよ」と君は口を尖らせた
僕は「平気平気」と嘘を一つ吐いた
本当は心の中では怯えていて ....