すべてのおすすめ
内臓を全部出してしまって、
テーブルの上に乗せて観察する
クロスが汚れたけれどもいいの
ずっとこうしてみたかった
豆電球のの弱い光のせいだろうか
炯々とした雪の反射光のためだろう ....
くちびるはサンザシの小枝
水滴を払う手の甲
デメイ
獣かそこらを従えて
女神に挑んでころがりおちた
(燃え尽きはしなかった
デメイも女神の眷属だから)
ふたつに縛った髪はほ ....
アルドレイドは星を見る
オルドランを探して、もう幾日たった
南のほうから音がして
彼女には
それが予兆だと分かる
オルドランは橋を架けて
ひとり、地平を目指す
ただの涙に急き立て ....
羊水の記憶を辿りたくて
何度も海を呼ぶ
故郷への列車は海も山も知らない
揺れは
胎の記憶
響く音は
血の流れ
唸る、唸る、
私の海
(海にあこがれて南へ出たけれど 。 ....
細胞すべてが気づいてしまって
指の先から砂になる
寒さの合間で魚を逃がすと
私の鬼が ホウ と鳴く
息をするのは喉でない
呼吸をするのは肺でない
青い一つが ....
古い階段の踊り場に
私の母親が立っていて
壊れて逆周りをはじめた時計を眺めています。
腕を広げた真ん中では
なんとか時間を戻そうと
それはそれはちいさな弟が
歯車の点検をいたし ....
花が口々に言う
さざめくはわたしの耳
波のよう揺れ広がる青
かがみ込んで
口付ける
いとしいお前は半ば骨
花が言うのはわたしの秘密
手折ってやろうよ
煩くしたら
....