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封筒の右端に犬小屋を建てました。
赤いペンキで塗りました。
そこで手紙を書きました。
とても短い鉛筆で。
さいしょに友達の名前を書きました。
つぎに夜のあいさつをしました。
あたらしい ....
仄暗い湖、青銅色の水底から
水面に浮かんだ
満月をつかもうと
水草のようにやわらかく
つるりとした腕を伸ばしている
月曜日の子どもたち
ランプの火影に怯える
動物園のオオカミが
故 ....
僕が生まれた小さな町では
毎日が大停電の夜だった
プロレス中継がツーカウントで
中断してしまうことは
日常茶飯事だったし
髪が乾かぬうちに
ドライヤーの熱風が
消沈してしまうのを理由 ....
あなたが
折り鶴になった
折り紙セットの中に
たった一枚、封入された
金色を選んで
目を覚ますとあなたはすでに
きれいに折られていて
羽を広げてやると
テーブルの上で
くるく ....