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いつも留守のあいだに
ぼくのポストにたてかけられている
回覧板には
いくつもの恋の終わりがのっていて

ぼくはその欄を見るのがとても楽しみ
恋は突然に始まり
ある日うそのように終わってし ....
背の高いやせっぽちのぼくのともだちが
しろい坂道をくだってゆき
曲がり角を折れてそのまま
消えてしまう
そんな夢をみた

ぼくは追いかけなくちゃと
いっしょうけんめいころがるように
追 ....
灰皿に煙草が一本
ショーペンハウウェルを読んで
明けない夜を明かす
ひとりが楽しければいつでも楽しい

灰皿に煙草が二本
ジャズの好きなあなたの背中に
人生のようなしわが寄り
ふたりが ....
目が覚めたら
雑巾になっていたらいい
汚れていくのが仕事だから
ただ汚れていけばいい
そして
ボロボロになって
捨てられてしまえばいい

だれかのことを
きれいだなんて
すき、だな ....
書けない日の日記を
どこに書こう

雨の窓に
夜の雲に
扇風機の風に
ゆびで書こう

しあわせってなに?

聞けない質問のこたえを
なにに聞こう

ドライフラワーに
飲み残 ....
好きな人に
好きって
「告白できる」日が
人生のうち何日あるだろう?

死ぬ間際に考えてみるといい。
それはほんの何日かだよ。
両手の指ほどもないはずだよ。

それは幸せな日だよ。
 ....
むかし、俺に親切にしてくれた人がいた。
初めて入ったそば屋のおばちゃんだ。
俺は浪人生でひどく痩せていた。
まるで勉強ができなかったので、
ひとつも大学が受からなかった。
どうやっても勉強な ....
かなしいときはいつでも
文房具屋さんへゆくの
駅前のデパートの一階へ
夕暮れに自転車にのってゆくの

いろとりどりのペンで
ためしがきができるわ
あの人の名前を思い出さないように
一筆 ....
ママあの
超合金買って
またね
またこんどね

こんどって
いついつが
こんどだったのだろう
もう
こんなに
大きくなりすぎてしまったのに

ママあの
超合金いつ
買ってく ....
妻とふたりで
人生ゲーム
眠れないふたりは
お酒も飲めないから
ルーレットを回して

ひとコマすすんだり
一回やすんだり
思い通りにいかない人生の仕組み

結婚したらピンクの車にの ....
UFOをみたわ
妻がいうのを
信じてあげたいので信じる信じれば
信じよ
たとえそれが
なすびの形をしていたとしても

こたつのなかで
足の指で会話してたのは
ケンカしたての若い頃
 ....
まりちゃんを
まりちゃんと呼ぶ人はいない
まりちゃんは小川真理子という
比較的平凡な名前で
比較的平凡以下の容姿を持ち
比較的平均以上に温厚な性格と
だれにも比較できないほど
落ち着いた ....
ああ素朴な人に会いたいのだ
こんな
読めない漢字のように
むずかしすぎる人々にもまれて
どこでなんの役に立っているのかわからないような
仕事をしている
サラリーマンの僕ならば

階段の ....
だれも
空のようにはきみをなぐさめることはできない

満員電車のなかで
まわりがにおいをさけるように遠巻きにした
しろいこどもを背負った
みにくい老婆を
見たことがあります

地球は ....
きみがガンガン彫刻刀で
ぼくの胸を彫った
そりゃ彫った
彫って彫って彫った
彫刻等は曲がった
曲がり果ててもまだ彫った

とびちった粉末や
木片に汚れまみれて
きみは
こんなん出て ....
わたしはゴルフがきらいだ。
外したのをよろこんで拍手するギャラリーにはなりたくない。
そういうみにくいこころのうごきがきらいだ。
あいてのミスをねがうこころのいやらしさがきらいだ。

わたし ....
回転ドアからそとへ
出ようとしたのは
さっきまでの
ためいき

いまにも降りだしそう
きみを好きになってしまいそう
だからはやく
はやく

交差点のまんなかで
気付かれないように ....
ジャケ買いしたの
ひとりになった帰りだったの
きのうはふたりだったの
犬は鳴いていたの

踏み切りがゆざめのように
夕日にまどろんでいたの
新鮮なたまごをトラックで売りにきたの
だけど ....
わたしの背中と
あなたの背中のあいだに
まいにち
いっさつずつの
本をならべてゆきたい

楽しいおもいでも
悲しいおもいでも
みんなみんなすてきな表紙の
本にしたてあげるの
本がな ....
「あなたの精液をサンプルとして
採取させてください」
という迷惑メールがよく届く
だけどもし
迷惑メールは迷惑メールに違いないけれど
もしほんとうに
真夜中に死ぬほどの孤独にいたたまれなく ....
でもね
ショッカーにもママがいるのよ
って教えてくれた
幼稚園のさゆり先生が
交通事故でびっこになってしまったと
ママが教えてくれた

ボーイフレンドのバイクで事故ったのだ
ランドセル ....
質に入れたはずの女房が
ある日ひょっこり帰ってきた
質流れでもしたのだろうか
おかえりというと
ただいまもいわず
お茶だけ
のひとことで
台所に立ちお湯をわかしはじめる
そのうしろすが ....
きみはきみんちの猫が
病気なので
結婚式には来られないと
朝メールしてきた
安物のハンガーみたく
燕尾服を着たぼくは
そうかいそりゃ大変だ
いいよケッコンなんてまたにしようって
ニコニ ....
佐野権太さんのZUZUさんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
回覧板- ZUZU自由詩706-9-29
やせっぽちのあいつ- ZUZU自由詩406-9-23
灰皿に煙草が一本- ZUZU自由詩306-9-11
雑巾になりたい- ZUZU自由詩606-8-28
書けない日記- ZUZU自由詩306-7-18
幸せな日- ZUZU自由詩506-7-1
浪人のアダージョ- ZUZU自由詩906-5-14
文房具屋まで- ZUZU自由詩506-5-11
超合金- ZUZU自由詩4+06-5-8
人生ゲーム- ZUZU自由詩406-5-7
UFO- ZUZU自由詩806-4-28
女子アナまりちゃん- ZUZU自由詩306-4-21
酔い覚め(サラリーマン諸君!)- ZUZU自由詩1606-4-17
なぐさめ- ZUZU自由詩206-3-15
それはラブだった- ZUZU自由詩206-3-7
わたしはきらいだ- ZUZU自由詩306-3-5
交差点- ZUZU自由詩406-2-13
ジャケ買い- ZUZU自由詩1006-1-26
ブックエンド- ZUZU自由詩406-1-20
迷惑なお願い- ZUZU自由詩8+06-1-14
ショッカーにもママが- ZUZU自由詩2706-1-7
春の人工衛星- ZUZU自由詩21+05-12-17
愛の不毛(鯖の味噌煮)- ZUZU自由詩305-12-14

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