【 猫の集会 】
泡沫恋歌

ぽっかりお月さま 
今夜は月明かり
暖かい風が吹いてきた

ブロック塀の上に猫がいる
ゴミ置き場に猫がいる
駐車している自動車の底にも
猫が潜んでいた

ニャア――

真夜中は猫たちの世界
あっちこっちからやってきて
月に一度の猫の集会日だ
黒やら白やらトラやら
総勢十匹の猫が集まっている

いったい何を話しているんだろう
耳を澄ませて聴いてみたい

消費税が上がったので
猫の餌代もバカにならないって 
うちの飼い主がボヤクくのよ
最近は缶詰が減ってカリカリ餌ばかりだ
そればっかりだと
おしっこの病気になっちゃう!

おやおや、
猫さんの食生活が貧しくなってきてる

三丁目に猫カフェができたらしいよ
なんじゃそりゃあ?
猫のサービス業だって……
人間と遊んでやったら
リッチな餌がもらえるんだぜぇー
へぇー、チョロイ仕事だなあー

そうそう、
猫さんは人に媚びたりしないもの

戦争・原発・放射能
いつも不安を煽っている
人間は欲が深いから不満ばかり
それに比べて猫は――
わずかな餌と寝る場所さえあれば生きていける
年老いた茶トラがそういった

ふむふむ、
猫からみたら人間って憐れな生きものだ

生まれ変わるなら猫がいい
今度もやっぱり猫がいい
いつだって自由な魂を持っている

ニャア―――

猫は三日やったら止められにゃ〜い♪

ぽっかりお月さま 
猫の集会の終わりには
そんな歌が聴こえてきました



                               2014/08/21         


自由詩 【 猫の集会 】 Copyright 泡沫恋歌 2014-08-21 11:48:32
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
「詩人サークル 群青」