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麗しい時間が
高速のように
過ぎ去るのは
なぜだろう
新雪を踏む
この一時の喜びも
同じ気持ちなのだろうか
淡い月夜の匂いも
沸騰したての湯気も
机上での思わぬ発想力も
....
海まで歩いて五分
日当り良好の
離れの寝室の
大きな窓辺から
隣の国が見えてくる
そんな気がして
今日は霞がないから
風来坊になって
紙切れのように
軽く飛ばされてみた
....
奥に仕舞い込んでいた未使用の
少し焼けてきた葉書の束
ふと 手に取り
書き始めた文字は
青臭くて齧るとまだ苦い
幾つもの文字を吊るしては
甘くなれと
この一つの息で長く吹き込んだ ....
青い瞳の中に
沈みかかる方舟
手を振れば
手を振り返す
遥か彼方から
震えた体を
異人の言葉が抱きしめてくる
温め合う心と心
黒い瞳の中から
ありったけのサンキューを
....
何かが叶うことを
素朴に夢見て
人間は生きている
一日一日を
地味に踏みしめてね
たった二百年も
生きれない人間なんて
太陽からみたら
それは ちっぽけだ
なんてね ....
明日は 今日よりも軽やかに
と我々は{ルビ希=のぞ}んで
今日は 昨日よりは{ルビ厳=おごそ}かに
と我々は慎む
平穏になればなるほど
勝手にもがいて 考えこんで 苦しが ....
眠りの舟は行き先を天に託す
私は知らぬ間に
川のほとりに
抜け殻を置いて
サラサラと流れる小川を
一人 小舟を漕ぎ始めた
春風に押されて
もの欲しげに
小舟を見下ろす
タンポ ....
今でも あの場所を流れています
高速道路の車列が整然と
途切れない 地平線のように続いて
形にならない声を
無差別に浴びて打たれ
そして 流れ 流れていく河
大きな河の膝の青タンを ....
あの{ルビ鋼=はがね}の壁を
いつしか破れると信じて
今日まで生きてきた
壁一直線に何度も叩いた拳は
赤鬼よりも おどろおどろしく
涼しげな白の壁が 次第に青くなっていく
この一振 ....
海沿いを走る列車が
波飛沫を浴び
潮風を{ルビ喰=く}らってサビまみれだ
通りすがるたびに
このリビングに{ルビ軋=きし}む音が
クロスに跳ね返ってこだました
生活の一部となった音 ....
この香りが五月でもないのに
懐かしさが全身に{ルビ迸=ほとばし}る
僕は気になる この香りが
逆らいに倒れた僕をそっと
この華奢な体が抱いてくれた
揺れまいと
木の葉が{ルビ頑=か ....
いつもの時間の
いつものバスに乗って
いつもの席の
いつもの窓に
いつもの体制で 頬杖付けば
いつもの眩しい日差しが入ってくる
いつものように 目を細め
いつもの 陽の当たらない反対 ....
茜の空と群青の海
私は その{ルビ間=はざま}に行きたくなりました
赤紫の{ルビ間=はざま}は 空でも海でも陸でもなく
名の無い存在で
寂しげのような 楽しげのような
{ ....
真夜中のいたずら電話
死ぬほど嬉しかった
たった今 僕は
孤独から解放されたのだから
望んでない炎
炎に{ルビ塗=まみ}れた稲わらが強引に{ルビ傾=かし}げる
カーテン越しから囁く者たちは
そこから離れなさいと
ただ 唇を動かす
ありえない色
塗り替えられた あの土地 ....
今日に限って 折傘忘れてスコール
タバコ屋の小さな軒先で身を寄せながら
雨粒を指で拾い 掌で{ルビ弄=もてあそ}んだ
店奥のシャイな婆さんは
アガリっぱなしの{ルビ緞帳=どんちょう}が下り ....
燃え{ルビ滾=たぎ}る汽車が
青白い草原の海を駆け抜ける
焼き切れぬ想いを馳せた
米粒ほどの露の身を乗せ
今日も間引くことなく 汽車が走る
私達では この手で{ルビ掬=すく}えなく
....
{引用=いつまでも眠ってるフリして
芝居が下手な君
普段よりも綺麗でしょ?
と語りかけるような唇
人差し指に水を晒し それを乾いた唇に引く
少しクセのある髪を 手グシで直してあげる
僕 ....
引き出し奥の赤の母子手帳
いくつかの頁が外れかかって
ホッチキスで繋いであげる
畳に寝転びながら黙読
出生時刻 午前9時26分
素通りしていた時刻を意識する
おめでとう!と言おう
....
眠れないオバケが僕を襲う
暗幕が強制的に教室を隠す
真っ暗闇のインスタントな森
ここはオバケ退治には効果なしだ
むしろ僕は 目が冴えてしまってる
眠れる子は 1,2,3でスヤスヤ
....
砂木さんのsubaru★さんおすすめリスト
(20)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
位相
-
subaru★
自由詩
15*
13-12-31
海まで歩いて五分
-
subaru★
自由詩
21*
12-12-27
残暑見舞い
-
subaru★
自由詩
25*
12-8-31
サンキュー_ベリーベリーマッチ
-
subaru★
自由詩
18*
12-4-17
淡い
-
subaru★
自由詩
21*
12-3-12
明日
-
subaru★
自由詩
20*
12-2-19
午睡
-
subaru★
自由詩
27*
12-1-17
なぐられ河
-
subaru★
自由詩
24+*
12-1-8
卵
-
subaru★
自由詩
16*
11-11-20
廃線
-
subaru★
自由詩
24*
11-11-10
あすなろ
-
subaru★
自由詩
22*
11-10-31
いつもの・・・
-
subaru★
自由詩
11*
11-10-11
はざま
-
subaru★
自由詩
22*
11-9-13
いたずら電話
-
subaru★
自由詩
18*
11-8-12
稲わらの火
-
subaru★
自由詩
17*
11-7-28
スコール
-
subaru★
自由詩
16*
11-7-22
火の国へ
-
subaru★
自由詩
16*
11-7-11
眠ってる君
-
subaru★
自由詩
11*
11-6-13
一日一回の祝福
-
subaru★
自由詩
8*
11-6-7
昼間のオバケと先生
-
subaru★
自由詩
4*
11-5-5
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