私は
乱太郎



私はこころの中で寝ています
いびきが何度も聴こえてくるのです
私はこころに布団を掛けています
寝返りするたびもう乱れて自分でも恥ずかしい
それでもやはり寝ていたいのです
夢枕がもう手放せなくて心地好いのです

私はこころの中で旅人です
時間も一直線でない流れ者なのです
銀河系とアンドロメダ星雲が衝突する四十億年後も
私の宇宙ではもう間近に感じてしまいます
南国なのに雪ぞりで走っては笑われて
古代ローマの競技場で鹿に追いかけられてました
道化師みたいですが
玉乗りのバランス感覚はないようです

私はこころの中で詐欺師かもしれません
私をですら騙している気がします
着ぐるみの中はいつも猛暑です。
喜ばれるのと愛されるのは違うようです
好きになるのと信じることも違うようです
しかし私はたとえ醜い獣であったしても
大切だと思える一輪に水を掛けてやりたいのです

私はいつも隣人に手入れして貰っている雑木林です


自由詩 私は Copyright 乱太郎 2016-09-12 13:42:12
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