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白ヤギさんから届いた手紙を食べている
しかたがないので手紙を書いてしまう
という展開を知りながら
次々と届く手紙を食べている
白い糸を吐きながら
やがて後悔している
黒ヤギなど ....
石を並べていく
川を越え
空を越え
虹の橋を渡る
あなたがいた場所まで
石は並んでいく
あなたがいない場所で
今日もまた
体を成し遂げている
明日もまた
同じ数の
石 ....
 
 
この季節になると思い出します
行きも帰りもバスでした
山奥の芋煮会場に着くと
澄んだ風が吹いていました
肌が乾いてなつかしい気がしました
網目になった体を
すうすう吹き抜けてい ....
 
 
お正月
母の実家から見える
山脈の麓にスキー場があった
数キロ続く田の先にある
駅前の街のそのさらに数キロ続く
田の果てに
スキー場が見えていた

とても遠いところなのに
 ....
 
 
http://www.youtube.com/watch?v=xYJEzzhvj0E


このドラマ、知ってますか?
僕が子供の頃、とても好きなドラマでした。
こういう懐かしいも ....
 
 
ひさしぶりに
裏庭を見ていた

貝殻や
魚の死骸が
たくさん漂着していた

いつのまに
海が来ていたのだろう
命はまだ
こんなにも
満ちているのに

干潮の砂浜を ....
 
 
土曜の朝から
日曜の夕方まで仕事をして
家に帰ると
妻と息子が家の前で
途方に暮れて立っていた

買い物に行こうとして
鍵をかけて抜いていたら
鍵が折れてしまったのだと言う ....
 
 
よちよち歩きの頃から
そう呼んでくれた
近所の酒屋の父さんが
亡くなった

いつか帰省した時に
店にタバコを買いに行くと
タバコよりもたくさんの
缶ビールをくれながら

 ....
 
 
知らないことは
罪ではない
知らないふりをするだけで
憎悪に気づかずに生きていける
わたしたちの
暮らしもあるけれど

あるいは
あった
とも言える
今あるものは
す ....
 
 
猫だとばかり思っていた
真夜中の道を歩く
白いものは
風に漂うポリ袋だった

と気づくまで
ほんとうは
猫だったのかもしれない
全ては過ぎてしまった
真実のように

 ....
 
 
父さんと
子吉川で釣りをしていた
海の近くだったので
時々川が逆に流れていた
時間は正しく流れてるのに
潮が満ちると川だけが
昔へ還っていくようだった

父さんは
いつも ....
 
 
小さな頃から夢だった
エスカレーターを家に取り付けるため
大人になると僕は
さっそく業者を呼んで相談した

ところがこの家には
二階も地下室もないので
どこまでも上り続けるか ....
 
 
電話のむこうに
君はいたのだから
わたしは
分解して探す

真夜中
君からの電話で目覚める
何も話さない
街の音が聞こえる
誰かを探してる
足音が聞こえる

分解す ....
 
 
あんたなんかね
あの時あたしを
見捨てればよかったんだよ

三十半ばを過ぎていた
あの時僕は妻と結婚した
僕の意思で子供をつくったために

安定した職に就いている
幼なじ ....
 
 
扉がひとつあった
父さんの扉だ
厳重に施錠されてるので
誰も開けることはできない
父さんの少年時代のことは
聞けば話してくれるだろう
けれども僕は聞かない
なんとなく照れくさ ....
 
 
かつて古きよき友人がいた
というような
そんな時代でもないらしい
人は大きなしくみに組み込まれ
わたしとあなたとの
小さな友情もまた
しくみに違いはなかったけど

この人と ....
 
  
箱にはたくさんの
記憶の残骸や
体の部品などが納められていて
私もいつか配達される

何が入ってるかは
その時にならなければわからない
きっと箱の中には
懐かしくて
壊 ....
 
 
トランプ遊びしてる
息子とカルタで

きっと何か間違えてる
けれどもそれは
それで楽しい

ためしに
どっちが勝ってるの?
と息子に尋ねると
嬉しい
とだけ答える
 ....
 
陸上競技の大会で
入賞した
優勝ではなかったけど

おにぎりが
少し塩辛い気がした
母さんが少し
変わった気がした
僕も

晴れわたる空
というわけではなかったけれど
い ....
  
あるべきところへ
おさまって
けれど
はみだしたところに
やさしさがある
ほんとうの

うちのつまにも
はみだしたところが
きっとある
ほんとうのやさしさが
うそばかりの ....
 
ひさしぶりに実家に帰ると
お父さんが
船になっていた

甲板には母がいて
いつものように洗濯物を干したり
いい匂いがしてくる
調理室で料理をつくるのも
やはり母だった

嫁い ....
 
先生おトイレにいってきます
そう言って
だれもいない廊下を歩いていた

ある教室の前で
あれは冬だったのか
夏だったのか
さだかではないけれども
とにかく寒く
暑かったかもしれ ....
 
そらのどこ
とぼくがたずねると
きみは
そらのとこ
とこたえるのだった

だからぼくはまた
そらのどこよ
とたずねてしまうからきみは
そらのとこよ
とこたえつづける
いつま ....
 
バスが終点に近づくと
乗客はわたしたち家族以外に
誰一人いなかった
息子が車内をみまわして
どうしてみんな座らないの、と
終点に着くまで
そんな不思議なことを
言い続けていた

 ....
 
何故此処には 雪が積もらないのだろう 積もっても 春のように消え 冬のようにまた 積もるのは何故 なんども冬と 春を繰り返す 冬は 過ぎ行く季節 此処に来てわたし 時の早さを思い知る とくに冬  ....
 
わたしの背中には
一枚の皿が
ぴったりとくっついていて
たとえば高いところから
低いところへ落ちる時など
少し浮いてしまう

そんな時
わたしはこの世界から
少し離れたところへ ....
 
なぐさめ方が
せつなすぎるから
苦笑してばかりいたけれど
ちゃんと泣いてくれる君の横顔を
ろくに見ることもできないで
最後にはいつも涙が零れていた

北風が目にしみるね
ふたりの ....
 
いつからだろう僕のからだには
アルファベットと数字が記されている
いくつめかの恋をした時に
恋人により偶然見つけられて
それからすぐに彼女とは別れた
とても怖がりながら僕のもとから去っ ....
 
二十歳になった時
ずっと十九歳でいようと思った
三十歳になった時も
ずっと二十九歳でいようと思った

来年わたしは
四十歳になるのだけれども
三十九歳は
なかなか簡単には終わって ....
 
そのひとの
エタニティという香水の
匂いが好きだった

あまい匂いがしていた
君といる時はいつまでも
永遠だと思っていた

エタニティは
永遠
という意味であることを
その ....
佐野権太さんの小川 葉さんおすすめリスト(76)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かいこ- 小川 葉自由詩6*10-2-6
こいあお- 小川 葉自由詩310-1-6
いきかえり- 小川 葉自由詩1109-9-19
スキー場- 小川 葉自由詩709-9-14
俺はご先祖さま- 小川 葉散文(批評 ...1*09-8-28
秋の裏庭- 小川 葉自由詩1009-8-27
愛鍵- 小川 葉自由詩709-8-11
よちぼ- 小川 葉自由詩409-8-3
草刈り- 小川 葉自由詩609-7-26
白いポリ袋- 小川 葉自由詩409-7-21
子吉川- 小川 葉自由詩409-6-21
世界エスカレーター- 小川 葉自由詩5*09-5-29
基盤- 小川 葉自由詩309-5-13
愛の言葉- 小川 葉自由詩609-4-26
チャイルドロック- 小川 葉自由詩5*09-4-1
友人- 小川 葉自由詩509-3-28
- 小川 葉自由詩509-3-28
- 小川 葉自由詩809-3-25
美しい夕暮れ- 小川 葉自由詩709-3-6
三月- 小川 葉自由詩5+09-2-25
- 小川 葉自由詩809-2-24
おといれ- 小川 葉自由詩709-2-19
そらのとこ- 小川 葉自由詩1009-2-18
light_the_light- 小川 葉自由詩6*09-2-15
冬時計- 小川 葉自由詩109-2-11
- 小川 葉自由詩209-2-11
友達- 小川 葉自由詩708-12-29
R305- 小川 葉自由詩4*08-12-26
三十九歳- 小川 葉自由詩308-12-22
エタニティ- 小川 葉自由詩308-12-14

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