小川 葉

 
わたしの背中には
一枚の皿が
ぴったりとくっついていて
たとえば高いところから
低いところへ落ちる時など
少し浮いてしまう

そんな時
わたしはこの世界から
少し離れたところへ
足を踏み入れてしまったような
そんな気持ちになっていて

着地すれば
皿はまた背中にぴったりと
密着してあるから

わたしの皿は
そういうものなのだろうと
思って大切にしてはいるが
皿がなんなのかは
未だにわからないで
生きている
 


自由詩Copyright 小川 葉 2009-02-11 00:03:13
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