時間を つぶすと言うのか
やっと生まれて来た この
小さな 幼気な時間をあえて
つぶす と言うのか

梱包材のつぶらな可愛いプチプチを
訳もなく指先でつまんで破裂させるように
このささや ....
まだ若い老人であったころ
同僚と紅葉の山麓へドライブ旅行にでかけた
秋空のもと 静かな集落を抜けるとき
前方遙かに 背をかがめた人が横切るのを見た
同僚はスピードをやや落として言う
「老人は ....
息もないコールド・スリープの午後
艶かしい女の身体と
ゴキゲンな薬の夢
乾いて
ひび割れた皮膚の上で
上がり始めた熱が止めをさす


きみの手のひらの中、も ....
蛍光灯に照らされた

知らない空き地がとても静かだ

行き過ぎる車窓から

ジオラマみたいな町を見つめる

ひとびとの明かりのなかに

わたしは幸福っていう二文字を見つめる

 ....
激しい夕立は
突然やってきて
落雷で鉄道が遅れている
小さな駅舎で
雨宿りをしながら
駅の改札で恋人と
待ち合わせをしていて

豪雨は短いうちに
まるで屋根を
ひっくり返したように ....
 
あなたは、今もあなたで

わたしは、今もわたしで

それでいいんだけどね、でもなんだか、なんだかね


 
雪だるま冷凍室に入れたまままた新しい春が来ました 祭り太鼓の音があちこちの集落から
田面に流れ出すと
こどもたちたちは宿題も魚取りもすっかり忘れて
祭半纏をはおって祭宿に駆けつけ 
出迎える獅子頭を連れ出して
集落内を練り歩く 

ぼく ....
舌まできらきらひかる宝石生みの話をして。



異物混入屋さんで手をべたべたにしてポテトを食べているきみは、
三秒に一回はおいしいっていってるのに表情が全く変わりません。
異物混入 ....
山を駆け下り開けた浅瀬に出ると
ゆるゆると草を揺らしながら往く
水の膨らみは千変万化を繰り返し
陽射しに微笑みを返すのだ

小学生の女の子ばかり六人
紫外線から完全に身を守った女の先生と一 ....
都心を射ぬく沈黙のバスを執拗に尾行する
半分にすり減った横顔のまま

ビルの狭間にこうこうと深く冴え渡る闇の遠くで
連動する疲弊の連鎖に眉を震わせ

容赦なく目に斬り付ける
横殴りの光の ....
既に夜だというのに
空の明るさは
人の灯りを
消し去るほどにまばゆい


窓を閉める
潮のにおい
窓を閉めない
暗がりの
うすい手のひら


山を削る白い ....
盤面に行儀良く並んだ歩兵
敵の攻撃を真っ先に受け将を守る
時には味方にも無視され
時には邪魔もの扱いされる歩兵
敵陣深く突入して将となるも
あっさり討ち死に
そして 次には
味方だった将 ....
「春の土」
よりそひて小川とあぜ道蛇行せる二月の畠に耕人ひとり 

音なくて雨降りゐたり 静かにも春を見上げて庭辺の千草

うんうんと地よりわきたつ緑児を雨とお日さま交互にあやす

一坪 ....
オレの歌がカラス避けCDにされている そうしてすべてがすり身となるのだ
肉も魚も豆も米も野菜も一切合切
ミンチよりも細かくなめらかに
均一のペーストに
そうして型成される
ソーセージのような蒲鉾のような
なんとも名状しがたい食 ....
日々のおおまかな動線や微細な素描に
こころの絵の具の淡彩で色をちらしてほっとする

ビュッフェのようなリトグラフの陰翳の鋭い世界も良いが
ちょっと太陽のぬくもりをもらったような
なにげない淡 ....
横たわるものと
立ちつくすもののあいだの霧
とどまるもの
落ちるもの
波のない海に
輪をつくるもの


空を追うつぼみ
変わりゆくものから痛みは去らない
口の内にあ ....
 
花見の客もいなくなった公園に

八重桜が ぽつり

月夜に ぽつり



 
公園の遊具が拘束を解かれ
子供たちを纏い始めると
桜は突然咲くのだ
短い季節に燃え上るいのち
追いかけてはみるものの追いつけず 
去り往く姿 あっというま
廻り来る姿 あっというま
あっ ....
眠れないという寝言 八重よ、八重、
お前はどこからやってきた?
海の向こうの和の国の
家族がお前も恋しいか?

八重よ、八重、
お前はいつからそこにいる?
出逢った時からお互いに
白髪も相当溜めてきた
 ....
ビルが朝陽にかじられて
吐き出された陽光は窓をすり抜け
昨夜の恥部を暴き出す

人々は慌ててカーテンを閉じ
ベッドを隠し
朝を始める

わたしと来たら
病室のカーテンを開け放ち
 ....
右の頬が激しく打たれた
しかし左の頬は無事だった

額がスズメバチに刺された
でも後頭部は無傷のまま

左目に火の矢が突き刺さると
右目はとっさに視線を逸らす

耳は恐々 欹てるだけ ....
ときどき、神さまについて
考えてみることがある
私は無宗教だが
神さまを侮ったりはしない

イメージは漠然として
先祖の霊だったり
大自然の力だったり
稲荷大社の狐だったり

見え ....
わたしはターヘルアナトミア

あなたの皮をペロリと剥いで

思惑の筋や経絡がどれほど緻密にヒクついているか

白日の下に晒してご覧に入れます

わたしはターヘルアナトミア

飲み込 ....
心と身体が離れている
その隙間に不安が滑り込む

いちいち手足に呼びかけないと
動作しない人間型ロボットみたいで

いろんなものを詰め込んだ
底の抜けた南京袋

唇から直腸まで
排 ....
 四月の終りの西都の原は
 空の青と雲の白 
 陽光に映えた一面の緑の間に間には
 ミツバツツジの赤が美しい

 ゆらゆらと若草の間を歩くと
 目の前に左に右に草をまとった程々の墳丘が現れ ....
ビー玉を
プラスチックで
ぎゅっと押しこんで
からんと音をたてて
ひろこちゃんがわらう
びんがずっしりと重い
人がいっぱいで
やすむ場所もなくて
やっとみつけた木のしたで
ふたり ....
眠れない春が君に似ている
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(8382)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ツブスナカレヤ- ただのみ ...自由詩14*15-5-5
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オーティスをシンパシーで笑い飛ばしながら、それでも。- ホロウ・ ...自由詩10*15-5-4
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水滴を巡る追憶には- りゅうの ...自由詩10*15-5-4
なんだか- 殿上 童自由詩11*15-5-4
雪だるま冷凍室に入れたまままた新しい春が来ました- 北大路京 ...短歌215-5-3
村祭と従妹- イナエ自由詩7*15-5-3
宝石生みの話- 初谷むい自由詩615-5-2
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白い月- Lucy自由詩12*15-5-1
みさき_さかい- 木立 悟自由詩415-5-1
「歩」の少年- イナエ自由詩10*15-4-30
詩人サークル「群青」4月の題詠「土」- 木原東子短歌7*15-4-30
オレの歌がカラス避けCDにされている- 北大路京 ...自由詩915-4-30
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迷子のうた- 梅昆布茶自由詩15*15-4-29
ひとつ_うずみ- 木立 悟自由詩515-4-26
八重桜- 殿上 童自由詩13*15-4-26
春ぼんやり- ただのみ ...自由詩15*15-4-26
眠れないという寝言- 北大路京 ...自由詩715-4-26
八重よ、八重- 夏美かを ...自由詩23+*15-4-26
ビルが朝陽に囓られるとき- イナエ自由詩17*15-4-25
ガガーリン- ただのみ ...自由詩11*15-4-25
【_ときどき、神さま_】- 泡沫恋歌自由詩20*15-4-24
ターヘルアナトミア- ただのみ ...自由詩17*15-4-22
地図- 梅昆布茶自由詩1215-4-22
西都原古墳群- 秀の秋自由詩415-4-21
ラムネ- アンテ自由詩215-4-19
眠れない春が君に似ている- 北大路京 ...自由詩615-4-19

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