海に住む少女に会いにゆこう
大西洋の沖合いはるか

めったに船もとおらない
まぼろしの町へゆこう

アイルランド訛りがとびかうはずのタバーンには
看板娘のひとりもひつようだし

だれ ....
肩が痛い
もうずっと以前から痛かったような気もするし
肩が特に痛いことを日記に書き留めておこうと思った時ぐらいからは
丸一か月は過ぎた

色々対策を試みてみた
少し良くなった時もあり
悪 ....
ストランドビーストはオランダの砂浜に居て
風を食べて生きる
自力で歩行する
尾もしなやかに動かす

風が強いと自ら危険を察知して
ハンマーで砂に体を固定するという能力まで持つ

人が乗 ....
互いから目を反らすため見るテレビテープを貼った風船に針

見開いて水に倒れた金魚の目土葬にした日の絵日記帳

酒が止み雨に酔ったら{ルビ螻蛄=ケラ}の声死ぬまで愚直に夢を掘り

四十万にも ....
雨でも晴れでも傘をさしていく
表側は防水布
裏は遮光布で紫外線をカット

実は私
屋内でも透明な傘をさしている
表側は防水布
そして裏地は防傷加工の滑らか素材
顔には丈夫な笑顔を貼り付 ....
兄笑い弟泣いた花火は海へ闇へ消え何も残らず


カブト虫カバンに隠し学校へ死んだ弟靴音軽く


廃屋の塀からおいでおいでする夏草に咲いた少女の指


死んでやる孫に向かって言う母をさ ....
くじらの親子が浮いている
滲む飛行船の隣に

ざらつくキャンバスに
のたうつように
植え付けられた
静物


叫びは
甘やかな諦めに変わる


午睡の波間で音もなく
崩れ解 ....
{引用=独居美人}

託児所の裏の古びたアパート
窓下から張られた紐をつたい
朝顔が咲いている
滲むような色味して

洗面器には冷たい細波
二十五メートル泳ぐと
郵便物の音がした
 ....
わたしは 年老いたわたしの失われた記憶
小さく萎縮した脳の中 仕舞い込まれて 
行方知れずの 動かしがたい過去の事実だ

茫漠として靄のかかる
瓦解した印象の墓場から
時折ガラクタたちが目 ....
みとれていたのは恋をしたから

朝のひかりで空の詩を書く

手紙のように話をしている

風にはきっと心があった

紙ひこうきで何度も出会う
心の湖に硝子瓶が一つ沈んでる。
もし本当にそうなら、なぜだか僕は幸せだ。
さやかに聞いた
竹の花が咲くゆめを
みどりと土の色の混じる
薄暗いさなか
ちいさなとかげが
わたしのひふを すべる


魂が
つまっていたという
どうして うえつけ ....
思い出の欠片も落ちてはいない
生まれて初めての南の島
君はそこで何を探したのだろう

たなびく細長い雲に薄くスライスされながら
溶岩のような輝きを溢れさせ沈んでいく
座間味の濃い夕陽
崖 ....
遠い落日から潮騒はやってくる
零れおちた輝きは
海硝子にはなれない貝殻たち
のこるものは夜光貝の
幻というかそけき冷たさ
空の螺旋のうちに響いている
遠のくということは淋しい
それは砂を ....
いつまでもこねこみたいにすばしこく
好奇心旺盛で
無鉄砲で無心で愛くるしくは
いられない


おとなの猫ならそれなりに
用心深く疑り深くまた思慮深くもなるのだ

物事には裏があり
 ....
早朝 四時半
少しは剥げたサイクリングロード
いつものように まだ眠い
後ろから追い越しされて
目が覚める

でも追い越したくない
全く人気(ひとけ)もないけれど
私と同じ ようやく目 ....
山の斜面の墓地を巡り抜けて
今朝 風は女を装う
澄んだ襦袢が電線に棚引いて
蝶たちは編むように縫うように

ぎこちなく鉈を振るう
季節の塑像が息を吹き返す前に
キジバトの影が落ちた
泣 ....
 孤独になじむから、すこし壊れかけているような古い町が好きだ。
 その古い町の小さな裏通りに子どもの死体一つ入れられるほどの大きさの水槽があった。緑色の藻が内側のガラスに張り付いていてよく見えない。 ....
新鮮をたもつことはむずかしい
いつもそれはてもとから去ってゆく

この瞬間の永遠を画布に塗り込めて
とっても地球が重い日にぼくは

だれかの友達 になることを決めたんだ
彼もしくは彼女は ....
水面を幾重にも抱きながら藻が囁く
流れは何をも見送るもの
躓くものも うつむくものも
嘲笑うものも 祈りのひたいも

魚が撥ねる
いま その尾が視とめた光の破片が
太陽の剥がれた抜殻とし ....
断片を生む指先

砂にまみれた5本の煙突が現実をか細く揺れていた頃
塵が積もり溶けて排水口から青白い水となり……
朱色の錆も一緒に流れていた

自動車の代わりに風が滑走してく7月の朝に ....
 
アブラムシの大発生に悩まされたのは去年のこと
気温の上昇とともに細菌のようにどこからともなく湧き出る奴らは先端近くの柔らかい茎や花芽や蕾に群がり食い荒らす
本で調べると薬剤を噴霧するよりもゴ ....
なぜ私が現代詩というものにたいして拒否反応があったのだろうと考えるとき、長い間、私という小さな視座から見える世界が、ある意味ではとても単純な世界だったことに由来することに気づいた。

生きるか死ぬ ....
どうでもいいぢやないか

それは君のくちぐせであり
ぐうぜんにも 君からきいた
さいごのことばでもあつた

ひと月まへ 一緒に飲んで
別れ際にきいた いつものせりふだ
その前に何を ....
西野の花屋で薔薇を買った
高価だから四本だけ(バーボンに託けて)
紫の花弁が密集しておいそれとは見せてくれないタイプの娘がふたり
丁度よく開いた白い花弁になよやかに反り返る
ピンクの縁取りの娘 ....
わたしの前の席が空いたけど
今しも都市のかなたに沈もうとする大きな夕陽を
見続けていたかったので
座らなかった

燃え滾る線香花火の火球のような
太陽だった
それを反射して真紅に光る壁面 ....
わたしの大事な人形は
美人と言われた器量よし
ぬばたまの夜に家出して
レールに身を投げ轢死した
バカな恨みに身をやつし
身近な優しさ見失い
乙女の時を棒に振り
憂さを晴らしに酒浸り
昨 ....
育児は神業のようなものだから
30点くらいでちょうどいい
疲れた時は 衣食住のお世話だけでいい
自分の子供ではなく 地球人を育てている
と思えば 程よい距離感が生まれる

子供に振り回され ....
井戸を覗いてはいけない
母が教えた

井戸なんか覗くもんじゃないよ
祖母が言った
井戸は
覗いた子どもを吸い込んでやろうと
待って居るもんなのさ

橋から下を見下ろした子を
川がい ....
柔らかいグラスに
硬質のワインを注ぎ
手で包んでいると手の形に
だんだんワインが馴染んでくるので
もうそろそろ飲み頃だろうかと傾けても
グラスが変形するばかり

透明な器に生野菜を盛り
 ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(8149)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
シュペルヴィエルに捧ぐ- 梅昆布茶自由詩1319-9-7
平穏- Lucy自由詩4*19-9-3
進化する孤独- Lucy自由詩4*19-9-2
まねごと――悲哀のもどかしさ- ただのみ ...短歌4*19-8-31
晴雨兼用- Lucy自由詩3*19-8-31
まねごと――夏から秋- ただのみ ...短歌1*19-8-24
剥がれた鏡- Lucy自由詩5*19-8-24
坂だらけの街- ただのみ ...自由詩7*19-8-18
わたしは記憶- ただのみ ...自由詩4*19-8-17
紙と暮らす- 水宮うみ自由詩11*19-8-14
硝子瓶- クーヘン自由詩8*19-8-13
竹花- すいせい自由詩13*19-8-11
南の島で君は- Lucy自由詩12*19-8-3
遠のくということ- 新染因循自由詩719-8-2
うつくしい猫- Lucy自由詩3*19-8-1
自転車通勤- 千 円 自由詩519-7-30
水源地- ただのみ ...自由詩3*19-7-28
すいそう- 田中修子散文(批評 ...7*19-7-26
いい加減な- 梅昆布茶自由詩1119-7-22
虫のなみだ- 由木名緒 ...自由詩15*19-7-20
7月- 渚鳥自由詩3*19-7-19
毒の花たちは私の理想の庭で微笑む- Lucy自由詩9*19-7-12
身辺雑記と、詩について思うこと- 田中修子散文(批評 ...719-7-10
或る友へ- 石村自由詩31*19-7-8
ちょっとした秘密- ただのみ ...自由詩13*19-7-7
高架を走る電車の窓から沈む夕日を見つめていた- Lucy自由詩13*19-7-3
わびぬれば- Lucy自由詩4*19-6-30
神業のようなものだから- 朝焼彩茜 ...自由詩12*19-6-25
水のおしえ- Lucy自由詩9*19-6-24
やわらかいねこ- Lucy自由詩9*19-6-24

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