赤々と燃える送り火を眺めながら
今年も夏の終わりが近いことを知り
一抹の寂しさが、胸を過る

盆が過ぎれば間もなく
朝の空気が変わる
早朝、太陽が昇る前
ほんの少しだけ
軽くひんやりと ....
握りしめた手のひらがほどけるときがいつかやってきたら
私は何か大きな憎しみに似た罪を赦せるのだろうかそれと
もまた別の何かを求めて自己を握りしめる旅をはじめるの
だろうか。いつかは私一人にな ....
雨色の絵具
乾かない涙と癒されない傷のために
散り果てた夏の野の花を
鎮魂に疲れ果てた大地へ捧げる
生者の燃え盛る煉獄へ
死者を捉えて離さない
空砲の宣言と
紙で織られた翼のために
憤 ....
蝉の声が木霊する八月
風もいくらか涼しく感じる

この頃一日が飛ぶように過ぎてゆく

一時間が 一分が 一秒が
飛び去ってゆく

人生も暮れかかり
淋しく感じるこの頃

蝉時雨の ....
指先に流れ込んでくることばたちが綴る詩は
川の流れにたゆたう髪のように絡みついては
また流れていく。ことばたちは生まれては海
月になって遥か彼方の階段をめざしていく。
ことばたちが昇っていく階 ....
キーボードの上で
テントウムシが{ルビ触覚=おぐし}を直している
ENTERの右の
7HOMEと8←との間
溝にハマった姿勢だが
寛いでいるようにしか見えない

{引用=どこから とか
 ....
ああ なんていい風だろう

みんみん蝉が緑の木立に鳴いて
大きな鳥が素早く飛び立ち
鬱々とした気分が
涼やかに洗い落とされていく

この高曇りの八月十一日

[目を閉じれば未だ
橙 ....
  

眠っていたのだ
死んでいたのだ
意識のはざまで
行方知れずになっていた
辛うじて煌めく記憶が
呼び戻そうと身を捩る
わたしの裏で
呼ばれているもう一人の
耳は 形を亡くし
 ....
海は想う
 「わたしを包み込むこの方は誰?
 凪いだわたしを優しく撫で
 荒れ狂っても受け止めてくれるこの方は


空は想う
 「ちょいと撫でりゃこの通り
 吐息一つで身をよじりやがる ....
趣味で生きているんです
死ぬこともできるかもしれないが

くだらなくとも
生きてゆくことが
せいいっぱいの趣味なんです

まだまだ生命活動を続けたいと
こころが言っているようなので
 ....
日々の暮らしの中で
言葉の海を泳ぐようになった

なにが良いのか
悪いのかわからぬまま
てきとうに
真剣に詩を紡いでいる

私という一人の男が
悩んだり
叫んだりして
右往左往し ....
私は泣いた
君という海の波打ち際で

不器用さを
愛おしさから
短所に変化させたのは
慣れすぎた歳月と
甘えすぎた気もち

海辺に向かって
手を繋いだ瞬間を
覚えてい ....
田舎の
海辺の町は

夏だけ賑わうことの証に
朽ちた郷愁を見せる

古びた町並みは
時代に忘れ去られ

潮風にさらされて
風化した屋根が
陽炎のように歪む

人も少ない真っ青 ....
いつかを信じることが出来なければ

ぼくらは他を排撃してしまうだろう

いまはわかりあえなくても

どちらかが歩み寄らなければ

それが弱腰ととられて

どちらかが理不尽を受けたと ....
生きていることの内にしか僕は生きない
気にしなくても佇んでいる
僕は僕以上になりはしない

様々な色を水面に映して いつも感情は儚く色をまとう
その細やかな手触りを生きていることが内包してく ....
もう夜の高速を走っていると

真横から花火があらわれた

夕方の浴衣たちはこれを見に行ったんだろう

サイドミラーにも花火が入る

花火の爆音がきこえている

ミサイルがこんなとき ....
真昼の光の深層
魚のような身のこなし
リズムゆらめく角度から
乾いた{ルビ鼓膜=スネア}くすぐるブラシ


目蓋の裏を青く引っ掻いて
一匹の夜が踊り出す
はだけた胸
地を蹴るつま先  ....
わたしのお父さんには ふたつ 顔があります

男と同じだけ働いて 子どもを産んで 社会活動をしなさい
というお父さんの顔は真っ暗闇に覆われて
そばにいるのに目を細めていくら探しても
なんにも ....
 


細い山道を車でずっと行ったところに
美しいたたずまいの
お店はあった
自家栽培の
オーガニック素材を使った
家庭料理を食べさせるという

その界隈で作られている
陶芸作品 ....
微かな風にも
焦がれるように
敏感に

強いうねりにも
折れることなく
身を委ね

ガウラの茎は
細くしなやか

背伸びするように高いところへ
花をつける

蝶々のように
 ....
白い蝶 光の眩暈
追って追われて
追われて逃げて
見えない糸が絡んだように
もつれてはなれ
はなれてもつれ
火照った空気に乗っかって
この夏の向こうへ


恋と憎しみは良く似ている ....
{引用=*名を呼ぶ}
名を呼ぶ
ここにいないあなたの
井戸へ放った小石のように
真中深く 微かに響き
瞑っても
抱き寄せることはできず 
こみ上げる揺らめきの 
糖衣はすぐに消えて
 ....
羊の群れが見上げる先に
生きもののあつまりのかたちの曇
黒い太陽は白くなり
鉛のように口をつぐむ


平たい国に咲く花が
丸い虹や風へと傾き
水を覆い揺れている
夜を ....
薔薇の蕾は美しい
少しづつ開いていく姿も
この世のものとは思えないほど艶かしく美しい

だが咲ききって
たちまち黒ずんでいく花芯も露に
剥がれ落ちるのを待つさまは
あまりにも見苦しく
 ....
木洩れ日は幹にもえうつり
いおのように游いで
あおいだ瞬きは
そらにとけて微睡んだ
しらむ
コンクリート
放たれていく君の足音の
つめたさに脳が
あせばみ
ふりかえり、照射す ....
雨の夕暮れは静か
魂が濡れるに任せて
ただ風は流れる
雨雲は青々と輝いて
名も知らぬ鳥の姿を溶かす

嗚呼
わたしは安心したいのに
地球が優しく泣くから
その肩をそっと抱いて
慰め ....
炎天下
  暗転する

極めて正直な
光の圧に屈服

発汗 溶解した エロチシズム

レイバンをかけたロダン
    考えない人たち

        薬指に カラスアゲハ
  ....
結びつけること

束縛であろうとちいさなゆびきりであろうと
いつもばらばらになろうとしているものを
とどめようとするきもちがすきなのだ

水引って結んであるでしょ
封印でもありたんなる飾 ....
蚊取り線香の匂いが好きだと
誰かが言った

すごく落ち着くんだって
わかる気がした

猫を抱いて
庭先で蚊取り線香を焚く
とても静かな夜

長い間忘れていたその匂いを
思い出そう ....
薔薇園を見に行って
大事なイヤリングを落としてしまった

いつか落とすと思ってはいたけれど
いつ落としたのかわからない

歩いた跡を
再び
たどってみたけれど
ない

ひょっとし ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(8149)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
送り火- 忍野水香自由詩617-8-18
イデア- あおい満 ...自由詩417-8-14
生者の鎮魂- ただのみ ...自由詩11*17-8-14
蝉時雨の中で- 星丘涙自由詩8*17-8-14
虹になる子どもたち- あおい満 ...自由詩517-8-13
真夏の夜の夢の手前- ただのみ ...自由詩13*17-8-12
今日の午前に- ひだかた ...自由詩12*17-8-11
- Lucy自由詩3*17-8-10
じっあーつ- ただのみ ...自由詩9*17-8-9
趣味で生きているんです- 梅昆布茶自由詩2317-8-9
詩作- 星丘涙自由詩11*17-8-9
波打ち際で泣く- かんな自由詩11*17-8-9
麦わら帽子- ガト自由詩19*17-8-7
いつか- 吉岡ペペ ...自由詩317-8-7
白鷺- ◇レキ自由詩4*17-8-6
花火- 吉岡ペペ ...自由詩317-8-5
リズム- ただのみ ...自由詩6*17-8-5
黒いぐちゃぐちゃ爆弾- 田中修子自由詩9*17-8-5
落ち葉の色のマグカップ- Lucy自由詩4*17-8-4
風に揺れるガウラ- Lucy自由詩4*17-8-4
去来蝶- ただのみ ...自由詩13*17-8-2
おかし詰め合わせ- ただのみ ...自由詩18*17-7-29
雨と手のひら- 木立 悟自由詩317-7-28
グレーピンクのモーツァルト- Lucy自由詩7*17-7-27
ambroid_summer- むぎのよ ...自由詩317-7-27
雨鳥- ヤスヒロ ...自由詩417-7-26
この夏へ捧げる- ただのみ ...自由詩9*17-7-26
水引- 梅昆布茶自由詩12*17-7-26
花火- ガト自由詩10*17-7-26
遺失物- Lucy自由詩8*17-7-25

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