よってたかって
酷いことを言うから
精神科に行って
大変な目にあってみました
夏を飛びこして着地した僕は
金木犀のまじった朝露を
深呼吸する
勝ち組、負け組、と問えば
緊張した行司 ....
コックリさん中毒
ぼくはやがて死ぬ
いや
パラレルワールドでのぼくは
もう死んでいるのかも知れない
いや
パラレルワールドでのぼくは
この世界のぼくとは
すこし違うひとなのかも ....
自分の手のひらを見て思うんだ。
僕に、何かが出来ないかなって。
この手で何か、人のために
作ったり
奏でたり
守ったり
描いたり
....
まじないめいた
隙間がすきです
ほほえみきれない
ほの明るさも
あしたはぼくを
待ちますか
おんなじ思いの
きみですか
危ういそぶりの
ゆるしがす ....
毎週火曜日
下の娘のクラスにボランティアとして入っている
私が話すつたない英語でも
一生懸命に聞いてくれる
小学一年生の瞳には
一点の曇りも宿っていない
恐らくその瞳はまだ
本当 ....
罪なきガザのひとびとが痛んでいる
ふかくふかく沈んでいく
ひかりが ひとつひとつみえなくなり
一番遠くのほうで白い水仙がゆれている
たびたび あわがすこしずつのぼっていくと
呼吸しているこ ....
もう分かっているだろうけど
ぼくには詩を詠む才はあると
これっぽっちも持っていない
ぼくの詩は詩ではない
詩と云うカタチを借りた
ひとつの質問だし
ひとつの疑問の提示だ
それに答 ....
カンヴァスに描いた静物画に
わたしは真っ赤な色を置く
油絵を描く時は
その目に映るものの色と
正反対の色 ....
「わたしの森で」
木の若芽
どこに行こうとしていたのかわからなくなってしまって
どうしても?わたしの森?の入り口にきてしまう
何べんためしてみても同じこと
....
またささやかな給料日が来て
しばしの間は
生き延びられそうだ
いっそのこと
草間弥生さんにでも出向してもらって
赤い水玉の流通する世界で生きていたい
部屋の隅のワゴンには読めない本 ....
眠い……
最近 眠くて仕方ない
どうしたことだ
やらなければならないことは
山ほどあるのに……
それでも 眠い
眠くて 眠くて 堪らない
朝方の二度寝でこんな夢をみた
....
燃えるみずうみに
繊維を浸した
繊維は濃く
あおいろを流して
伸びて行く線が
溶け沈み込むまで眺めた
おまえをうつくしいものにしてやる
骨と血と過ちで
死んだ星の瞬く地平
僕らもどれないと思うよ
あの頃にはもどれないと思うよ
この掌で掬うこれっぽっちの闇すら
愛など為さないこと ....
自由律俳句つぶやかされている
自己評価が高すぎると
社会に迷惑をかける
自己評価が低すぎると
家族に迷惑をかける
自己評価が甘すぎると
未来に迷惑をかける
自己評価が苦すぎると
希望に迷惑をかける
自己評価 ....
冬から葉書が届いた
朝日に輝く美しい手作りのたより
菊の葉の はがきの裏は 秋絵柄
冬のやつ
まだ すぐには遊びに行かないから 安心して待っていなて言っている
しかし 葉書と ....
冬の玄関にはわたしにいちばん近い花を置くたとえば蒲公英
辿り着いた岬に根をおろして君は海をみていたね昨日も今日も
陽だまりを送ってくださいとあなたが言う十一月の蒲公英を送る
今年最後 ....
薔薇のような汗をかいている
手伝いはしないのだけど力こぶ見せてニヤリと笑う電柱
霙と嵐と雷鳴で
十一月の夜が揺さぶっている
手のうちなんざ知れたもので
瞳は渇いたまま空を切る
初雪が覆った小さな棺
添い寝をしたくてもできなかった
小さな棺がゆらゆらと
時の浪間を ....
冷たい空気が流れている
口に含むと清らかな声がする
春の匂いに予感する
夏の記憶が乱反射する
秋の夕暮れが頭から沁みだす
冬の初々しさに笑顔をほころばす
時と記憶が ....
悲しみの色は暗闇のような藍色で
そっと触り
柔らかくふかふかとしていれば
そっと手で持ち上げて
声もなくはらはらと「雫」
耳を押しあててその敏感なふれあい
あなたの ....
気が付けば僕の手に触れてくるあなたはひどい
連れだってゆっくりとただ過ぎていけばいいと思った帰りの足を
楽譜はまだ一枚の半分も来ていないのに
きっかけに躓いて顔は血の気を失せようとし ....
冷たい外気に晒されて
あまりのその寒さに
この季節だけは、衿を立てて歩く。
灰色の街は2倍速の早送り。
慌ただしい月末で、
街で見かける誰もが ....
感情は、体外に増設可能。なぜ、あなたは飛ぶ記憶を持っているのかな? なぜ私は深海の花の記憶なんて持っているのだろう。体重が六五キロでも四五キロでも私は私で、だとしたら私はどこまで小さくなれるのだろう。 ....
見捨てることは
見ることを捨てることだ
見ることを辞めることだ
そこに人が倒れていても
人かどうかも見ずに
ただ邪魔なものだと想い
躊躇なく踏みつけ前へと急ぐ
誰もが倒れ人を気に ....
アクセルを開ける
しだいに風景がうしろに遠のいてゆく
風だけの世界だ
僕はすべてから解放されている
一瞬彼女の指を想う
届かない距離にある白さ
ただ優しい仕種で
微笑んで欲し ....
人間の心は母の腹に置いてきました
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